京都「遅咲き桜」のお花見スポット~高雄編~
槙尾山西明寺の斜面を染め上げる「山桜」と「ミツバツツジ」2つの花の競演
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高山寺は東大寺で華厳を学び、勧修寺の興然から密教の伝授を受けた明恵上人が建永元年(1206年)に開いた寺です。
明恵上人といえば承安三年(1173年)に生まれ、厳しい修学修行や釈迦への思慕をはじめ、様々な逸話や伝説で知られていますが、明恵上人を中心として学問寺として栄えた高山寺には様々な才が集まり、今も国宝や重要文化財を1万2千点も収納している他、高山寺自体が世界遺産となっています。
また、高山寺は日本ではじめてお茶が作られた場所でもあります。栄西禅師が宋から茶の実を持ち帰り、明恵上人に伝え育てたところ、お茶には眠りを覚ます効果があることがわかりました。修行僧に茶をすすめたのは、修行の妨げとなる眠気を覚ます為だった、と言われています。その後高山寺で生まれたお茶は、宇治、静岡にまで伝わることになりました。
高山寺の見どころと言えば、明恵上人時代から残る唯一の遺構で国宝に指定されている「石水院」です。
明恵上人の住房跡であるとも伝えられている石水院は鎌倉時代に創建されました。
現在では石水院と呼ばれていますが、当時は「東経蔵」という名で金堂の東側にあり、元の石水院はその東経蔵の谷向いに位置していました。
しかし安貞2年(1228)に洪水が発生し、元の石水院は倒壊してしまいます。その後、東経蔵が石水院の名を継ぎ、経蔵兼社殿となりましたが、明治22年に移築された際に住宅様式に改変され、現在の姿になっています。
高山寺の参拝客の多くがお参りの目的としているのが、「鳥獣人物戯画」です。鳥獣人物戯画は高山寺に伝わる全4巻からなる紙本墨画の絵巻物で、作者や年代等が不明となっていますが動物を擬人化したり人物が登場したり、当時の生活や世相を活き活きと描いた作品です。各巻で絵のタッチが違うため、作者が数人いるという説や絵仏師が遊びで書いたという説等、謎が多いことが人気にも繋がっているようです。
高山寺では鳥獣人物戯画のユーモラスな図柄を使用したのれんや手ぬぐい等のオリジナルグッズを販売していますが、一番人気はご朱印帳です。
ご朱印帳とは社寺を訪れた時に朱印を押してもらうための帳面のことですが、鳥獣戯画のご朱印帳は上品な和のイメージのパステルカラーを基調とした4色展開で、特に女性からの人気が高い定番グッズとなっています。
紅葉の名所として知られる高雄エリアですが、高山寺も見事な紅葉を楽しむことができます。最も賑わいを見せるのが11月ですが、紅葉だけではなく4月から5月にかけての新緑の青もみじも素晴らしく、紅葉とは違った風情を楽しむことができる穴場となっています。
明恵上人の想いや鳥獣人物戯画の背景にある謎に思いを馳せながら、ゆっくりと高山寺や高雄エリアを散策してみてはいかがですか?
(掲載日:2019年1月18日 取材:ライター 渡邉良平)
エリア名 | 高雄 |
---|---|
施設名 | 高山寺 |
所在地 | 京都市右京区 梅ヶ畑栂尾町8 |
拝観時間 | 8:30~17:00 |
拝観費 | 石水院拝観料 800円 ※紅葉時期のみ入山料 500円 |
TEL | 075-861-4204 |
URL | http://www.kosanji.com/ |
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