京都「遅咲き桜」のお花見スポット~高雄編~
「山桜」と「ミツバツツジ」2つの花の競演

西明寺がある槇尾(まきのお)、神護寺がある高雄(高尾・たかお)、高山寺がある栂尾(とがのお)は、京都市の北西部に位置し「三尾(さんび)」と呼ばれ、室町時代から紅葉の名所として、夏の風物詩「川床」での納涼で広く知られています。
春の魅力は何と言っても、山桜とミツバツツジの競演。槙尾山西明寺の裏山斜面には、遅咲きの「山桜」と「ミツバツツジ」が山桜の開花時期限定で、2つの花を同時に楽しめます。
山の斜面が山桜の薄紅色、ミツバツツジの濃紅色に染め上げられ壮麗な風景を見せてくれます。国道162号線(周山街道)の高雄バス停、清滝川沿いの散策路からも、その風景を楽しむことができます。三尾エリアをゆったり散策しながら絶景と寺院めぐりをお楽しみください。

西明寺裏山で2つの花の競演が見られるのは僅かな期間だけ

写真提供(中・下):京都フリー写真素材

槙尾山西明寺(まきおさんさいみょうじ)は真言宗大覚寺派の寺院。平安時代の天長年間に空海の高弟、智泉(ちせん)が神護寺の別院として創建されたと伝えられています。
鎌倉時代に再興され、後宇多法皇により平等心王院の院号を賜り神護寺から独立しましたが、室町末期に兵火にあって荒廃し、慶長7年(1602年)に明忍(みょうにん)によって再興。
現在の本堂は江戸時代の元禄年間に徳川幕府三代将軍・家光の側室で五代将軍・綱吉の生母である桂昌院の寄進により再興されました。
堂内には、運慶作と伝わる清凉寺式の立像の本尊釈迦如来像(重要文化財)や千手観世音菩薩像(重要文化財)、愛染明王像など多数の仏像が安置されています。
西明寺裏山の山桜とミツバツツジは植樹したものではなく自生したもので山桜が先に開花。その後、ミツバツツジが開花し、4月のわずかな期間だけ2つの花の競演をみることができます。
また、西明寺の境内にも背丈より大きなミツバツツジが植えられていて、枝垂れ桜と共に美しい花の競演を見せてくれます。西明寺表門に続く、清滝川に架かる朱色の指月橋と目にも眩い「青もみじ」とのコントラストも見どころのひとつ。

倍になって帰ってくる御守り「倍返りのお守り」

本堂の右手にある聖天堂には商売繁盛、家庭円満を司る歓喜天が祀られており、白地の幕には左に巾着、右にお供え物の大根という歓喜天の紋章が描かれています。
巾着型の線香台の奥には小さな台があり「出るお金に感謝しましょう。倍になって帰ってきます」と記され、並べられている御守りは「倍返りのお守り」です。
この御守りは、先代住職が商売繁盛を司る歓喜天にちなみ、お金が入ってくることだけを願うのではなく、出ていくお金に感謝することで“倍になって帰ってくる”という意味を込めて始められたそうです。
常にお財布に入れておけば、お金を使う度に出ていくお金への感謝を忘れずにいることができます。実際に倍返りのお守りを持ち歩くようになってから「宝くじが当たった」という人もいて、⻄明寺を拝観したら授与いただきたい開運の御守りとして密かな人気です。

スポット情報

エリア名高雄
スポット名西明寺
所在地京都市右京区梅ヶ畑槇尾町1
アクセスJR京都駅・阪急電車大宮駅二条駅からJRバス「栂ノ尾・周山」行、または地下鉄烏丸線四条駅・東西線太秦天神川駅から市バス8系統「高雄・栂ノ尾」行に乗車、槙ノ尾バス停で降車、徒歩約7分
拝観時間9:00~17:00
拝観料大人:500円、中高生:400円
TEL075-861-1770
URLhttps://www.saimyoji.or.jp
Google Maphttps://goo.gl/maps/3bNhZ6jc6zJKg6Xg8

(掲載日:2024年03月11日 情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局)