方丈と本堂の間には、西山のふもとという地形を生かした池泉式の庭が配されています。本堂のすぐ横に大きな池泉式庭園があるのは珍しいそうです。
禅宗寺院の場合、臨済宗や曹洞宗では、大きな伽藍に大きな庭園というスタイルが見られますが、池や水ではなく砂を敷きつめた枯山水が多いそう。
一方、黄檗宗では、庭の文化に対して造詣があまり深くありません。
そうした黄檗宗のお寺で、なおかつ本堂横に池泉式の庭があるという構造はあまり例がないことから、「そこに文化的な価値を見出していただいたのでしょう。2018年に京都市の名勝に指定されました」とお話しくださいました。
紅葉の季節、青葉の頃、苔の時期、雪をかぶる姿、どの季節にも美しい景観を見せてくれそうです。5~6月頃には睡蓮が咲くと教えてくださいました。白だけではなく、赤や薄紅の花も咲くそうで、その景色もぜひ楽しみに訪れたいものです。
そんなお話を聞きながら、お茶で一服。浄住寺ではお抹茶ではなくお煎茶です。
もともと黄檗宗にはお煎茶のルーツがあり、黄檗宗の僧侶が市井に広めたという歴史をもつそう。
方丈には、お茶が描かれた襖絵があります。学問をしたり詩をつくったりしているのでしょうか。その傍らにお茶が描かれ、語らいながらお茶を楽しんでいる。そんな様子を見て取れるような気がします。
「あくまでお茶が主体ではない。お茶を飲みながら語らい、思い思いのことをする。それがお煎茶の醍醐味なんですよ」。
そんなご住職の言葉を聞きながら、まさに今が、歓談を楽しみながら傍らにお茶があるという、素敵な時間。
いただいた特別御朱印とポストカードとともに、和やかで贅沢なひとときの余韻を、お土産にもって帰ります。
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「浄住寺住職と心の対話坐禅体験と普茶料理を食す」