とっておきの紅葉“穴場”スポット
~伏見編~紅葉と伏見の日本酒を嗜む「口福眼福」の旅

伏見は豊臣秀吉が伏見城を築き、江戸時代は幕府直轄地となり、京都から伏見を結ぶ高瀬川を開削し、伏見からは宇治川と淀川へ経て大阪を水路で結び、伏見港は日本最大の河川港となりました。日本で最初に銀座が置かれ、商業・運輸業の一大拠点として栄えました。幕末には新選組や坂本龍馬、西郷隆盛、大久保利通をはじめとした志士たちが駆け抜けた町です。
伏見と言えば、日本有数の日本酒の町。伏見はかつて「伏水」とも記され、伏見七名水と称される日本酒醸造に適した湧水があり、兵庫の灘、広島の西条とならび日本三大酒どころとしても全国的に知られています。今年の秋は、伏見の町で伏見の銘酒と紅葉観賞を一緒に楽しむのはいかがですか。

醍醐寺~豊臣秀吉が実現できなかった幻の「醍醐の紅葉狩り」~

醍醐寺(だいごじ)は真言宗醍醐派総本山で世界文化遺産に登録されている寺院。醍醐山頂一帯の「上醍醐」と、山裾の「下醍醐」からなり、200万坪におよぶ広大な境内には、国宝の金堂や京都府内で現存する最古の木造建築の五重塔をはじめとする堂宇が建ち並び、国宝や重要文化財を含む約15万点の寺宝を所蔵します。
醍醐寺と言えば、豊臣秀吉の「醍醐の花見」が有名ですが、実は「醍醐の花見」の後、秀吉は「醍醐の紅葉狩り」を楽しみにしていたそうですが、紅葉を目にすることなく、その年の夏に62歳の生涯を閉じました。もし秀吉が秋まで生きていたなら、花見同様に「醍醐の紅葉狩り」も有名になっていたかもしれません。
仁王門をくぐった参道の紅葉のトンネルが参拝者を出迎えてくれます。上醍醐への登り口の手前、観音堂が建つ池の周り一帯は「林泉」(りんせん)と呼ばれ、下醍醐で最もあでやかな紅葉スポットで、朱塗りのお堂や紅葉が水面に映し出されます。秋期夜間拝観では、ライトアップされた林泉など伽藍の紅葉が灯りに照らされ、幻想的な雰囲気に包まれます。

スポット情報

エリア名伏見
スポット名醍醐寺
所在地京都市伏見区醍醐東大路町22
アクセス①地下鉄利用:地下鉄東西線醍醐駅から徒歩10分
②京都駅からバス:京都駅八条口から京阪バス「京都醍醐ライン」に乗車、醍醐寺下車、
③伏見方面より:京阪・JR六地蔵駅から京阪バス22・22A系統乗車、醍醐寺前下車
拝観時間夏期:3月1日〜12月第1日曜日までの期間は9:00〜17:00(16:30受付終了)
冬期:12月第1日曜日の翌日〜2月末日までのは9:00〜16:30(16:030受付終了)
※春期期間、ライトアップ期間中は拝観時間の変更あり
拝観料<三宝院庭園・伽藍の二箇所>
【通常期】
大 人:1,000円、中・高校生:700円 ※小学生以下は無料
【春期(3/20~5月G.W最終日まで)】
大 人:1,500円、中・高校生:1,000円 ※小学生以下は無料
<三宝院御殿特別拝観>
大人・中高生:500円
<霊宝館本館・平成館特別展示>
大人・中高生:500円以上(文化財維持寄付金として)
TEL075-571-0002
URLhttps://www.daigoji.or.jp
Instagramhttps://www.instagram.com/daigoji_temple/
Facebookhttps://www.facebook.com/daigoji


写真提供:京都フリー写真素材

城南宮~京都市内より遅めの紅葉が楽しめる洛南の穴場スポット~

平安京遷都(794年)に際し、都の安泰と国の守護を願い、国常立尊(くにのとこたちのみこと)を八千矛神(やちほこのかみ)と息長帯日売尊(おきながたらしひめのみこと)に合わせ祀り、城南大神と崇めたことが城南宮の創建と伝えられます。城南宮とは「平安城」の「南」に鎮まる「お宮」の意味です。
平安時代後期には、白河上皇や鳥羽上皇によって、城南宮を取り囲むように城南離宮(鳥羽離宮)が造営されて院政の拠点となると、城南宮は離宮の鎮守として一層崇められ、9月の城南祭では神輿行列に加え、流鏑馬や競馬(くらべうま)も行われ大いに賑わいました。幕末の鳥羽伏見の戦いは、城南宮の参道に置かれた薩摩藩の大砲が轟いて始まり、、錦の御旗が翻って旧幕府軍に勝利すると薩摩の軍勢は城南宮の御加護によって勝利を得られたと、御礼参りに訪れました。城南宮は「方除の大社」と仰がれ、引越・工事・旅行の安全、厄除を願う全国の人々から、日々の暮らしの守り神と、篤く尊崇されています。
京都市内より見頃の時期が遅く、11月中旬頃から12月初旬にかけて「平安の庭」、「室町の庭」、「桃山の庭」3つの庭園でイロハモミジなど約120本のカエデが色付き見頃を迎えます。遅い年には、12月中旬まで紅葉を楽しむことができます。平安の庭では 「池の水面に鏡のように映し出される紅葉」や「水が流れ、苔の緑とのコントラストが鮮やかな紅葉」、室町の庭では「水を切って優美に泳ぐ色鮮やかな錦鯉と紅葉」など、多種多彩な風景を楽しめます。また、城南宮は椿の名所としても知られ、紅葉の頃には「秋咲きの椿」が咲き、色とりどりの椿の花と紅葉の競演も楽しむこともできます。

スポット情報

エリア名伏見
スポット名城南宮
所在地京都市伏見区中島鳥羽離宮町7
アクセス地下鉄烏丸線・近鉄京都線竹田駅下車徒歩15分、竹田駅より南1・南2・特南2・南3系統乗車、城南宮東口下車徒歩3分。京都駅より市バス9系統乗車、城南宮下車徒歩2分
拝観時間9:00~16:30(16:00受付終了)
拝観料境内自由 ※神苑(庭園)拝観は有料
●A期間(1月1日~6月30日、9月1日~12月31日)
大人(中学生以上):800円、小学生:500円
●B期間(7月1日から8月31日)※春の山・平安の庭のみ公開
大人、小学生とも300円
TEL075-623-0846
URLhttps://www.jonangu.com/index.html


伏見桃山城周辺の紅葉

現在の伏見桃山城は1964年(昭和39年)に開設された「伏見桃山城キャッスルランド」(2003年に閉園)という施設内にあった模擬天守です。実は、閉園時に模擬天守も解体される予定でしたが、地元からの要望があり残されることになりました。
現在、この一帯は京都市が管理する「伏見桃山城運動公園」として整備されています。開園当時は天守に登ることができ、伏見の町並みを一望できましたが、残念ながら現在は立ち入り禁止になっています。天守に登れた頃は秀吉や家康の気分になれたでしょうね。

スポット情報

エリア名伏見
スポット名伏見桃山城(模擬天守)
所在地京都市伏見区桃山町大蔵45
アクセス京阪本線丹波橋駅、伏見桃山駅、近鉄京都線丹波橋駅・桃山御陵前駅、JR奈良線桃山駅から徒歩約15分
営業時間7:00~17:00
見学料無料(外観のみ見学可能)  ※模擬天守内部は非公開
TEL075-602-0605(伏見桃山城運動公園)
URLhttps://kyoto-fushimi.or.jp/map/


伏見十石船~船上から楽しむ酒蔵の町並みと紅葉のコラボレーション~

伏見十石船は、酒蔵の町“伏見”の風景を、まるで江戸時代にタイムスリップしたかの気分でゆったりとめぐり船の旅です。十石舟とは、江戸時代に淀川から宇治川を経て、伏見港まで酒や米、旅客を運んだ舟です。平成10年(1998年)に復活した十石舟は定員20人、月桂冠大倉記念館のすぐ横にある、弁天橋のたもとから発着。
春は桜、初夏は柳やアジサイ、秋には紅葉に酒蔵が映える宇治川派流と濠川を約50分かけて運航します。途中、三栖閘門(みすこうもん)では、下船して三栖閘門資料館で水位差を調整した運河の仕組みなどの展示見学もあります。

スポット情報

エリア名伏見
スポット名伏見十石舟
所在地京都市伏見区南兵町247
アクセス京阪本線中書島駅下車、徒歩5分
運航日時2023年3月18日(土)〜12月3日(日)の期間、但し8月の運航は8月1日〜13日のみ(期間中の月曜は運休)、毎週月曜日は運休(祝日を除く、4・5・10・11月は月曜日も運航)
乗船料大人(中学生以上):1,500円、小人(小学生以下)750円
TEL075-623-1030(NPO法人伏見観光協会)
URLhttps://kyoto-fushimi.or.jp/ship/


~伏見の銘酒が味わえる♪おすすめ日本酒飲み比べスポット~

伏水酒蔵小路【伏見の18蔵全ての 日本酒の飲み比べができる】

日本酒Barと8つの飲食店が一緒になった横丁スタイルの複合施設。目玉は唎酒師がセレクトした伏見の18蔵全ての日本酒の飲み比べができる「十八蔵のきき酒セット」です。飲む順番にあわせて前半は、軽めの食事に合う冷酒の銘柄、中盤から後半には、しっかりとした料理に合う常温の銘柄と、時間をかけて、最後まで美味しい状態で料理とお酒が楽しめるように提供するこだわり。料理の出前システムがあるので、全店舗のメニューの注文が可能なのも嬉しいところ(出前できないメニューもあり)。〆には酒粕ラーメンや酒粕アイスもあり、存分に伏見の日本酒を堪能できます。
◆お店の詳細情報はこちら→ https://fushimi-sakagura-kouji.com


月桂冠大倉記念館~伏見の酒造りの技や日本酒の歴史をわかりやすく紹介する博物館~

伏見酒蔵エリアで現存する酒蔵の建物の中で最も美しい建築物が月桂冠大倉記念館。伏見十石舟の乗船場(弁天橋)からすぐの場所にあります。の館内は伏見の酒造りや月桂冠の歴史についての興味深い展示や歴史的価値の高い酒造道具の展示があり、中庭からは月桂冠最古の酒蔵「内蔵」の外観(2022年8月現在、内蔵見学は休止中)が楽しめ、伏見の名水「酒水」がこんこんと湧出ています。 利き酒エリアでは月桂冠日本酒のうち、約10種類の利き酒ができます。入館料には利き酒トークンが3枚セットになっており、1枚に付き1種類の利き酒ができます。3種類の利き酒で物足りない方には、館内の売店でトークン1枚を100円で追加が可能です。
◆お店の詳細情報はこちら→ https://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/museum/


キザクラカッパカントリー (黄桜商店)【地ビールも楽しめるレストランが併設】

キザクラカッパカントリーと黄桜酒造本社・東山酒造がある塩屋町界隈も伏見の昔ながらの酒蔵の雰囲気が残るエリアです。施設内にある京都初の地ビールレストランではお食事と共に黄桜の様々な日本酒の飲み比べが楽しめます。また、ショップでも数種類の黄桜の日本酒と、地ビールの飲み比べができます。開放感のある中庭にはテーブルと椅子が用意されているので、天気の良い日はのんびり屋外で利き酒を楽しむのもいいですね。
◆お店の詳細情報はこちら→ https://kizakura.co.jp/restaurant/country/index.html


藤岡酒造 酒蔵Barえん【伏見で最も小さな酒蔵♪全て手作りの純米酒が味わえます】

藤岡酒造は伏見で最も小さな酒蔵で銘柄は蒼空(そうくう)。生産量が少なく、人気が高いので飲める場所も販売店も限られています。藤岡酒造には「酒蔵Barえん」が併設されており、ガラス越しに蔵内の発酵タンクを見ながら利き酒が楽しめます。定番の「純米 美山錦」は是非味わいたい一杯です。酒蔵Barえんは席数が少なくいため、週末や観光シーズンは満席の場合もありますのでご注意ください。大人数の訪問では一度に入店できない場合もあります。
◆お店の詳細情報はこちら→ http://www.sookuu.net/index.html


伏見夢百衆【大正ロマンあふれる レトロ建築で利き酒ができます】

伏見夢百衆は、大正8年(1919年)に建てられ、平成5年まで実際に使用されていた月桂冠株式会社の旧本店社屋のレトロな建物を活用したカフェ兼お土産ショップ。天井が高く大正浪漫あふれるカフェでは3の蔵元のお酒が1セットになった「きき酒セット」が5種類あります。カフェでは日本酒の他に、清酒アイスクリーム、酒まんじゅう、酒粕あんトーストなど日本酒にちなんだメニューも取り揃えています。隠れた名物メニューが「酒粕あんトースト」。キツネ色に焼かれたトーストの上には、焼いた酒粕とあんこが乗せられています。酒粕は焼かれており、クリームのようにやわらかな状態なので、酒粕とあんこを混ぜ合わせて食べます。酒粕とバターの風味とあんこの甘さが混然一体となった味はクセになる味わいです。
◆お店の詳細情報はこちら→ https://ameblo.jp/fushimi-yume100shu/


吟醸酒房油長【バーカウンターがある商店街の酒屋さん】

吟醸酒房油長(あぶらちょう)は、大手筋商店街の中にある、伏見の全蔵元十八社の限定酒、吟醸酒、大吟醸酒をはじめとした約80~90種類、季節限定酒などを合わせると100種類以上が揃う老舗の酒屋さん。店舗の奥が利き酒カウンターとなっており、グラスで一杯の他、お猪口サイズでお好きな日本酒を3種類選んで飲み比べができます。追加注文も可能で少量づつたくさんの種類を飲み比べできます。なかなかお目にかかることができない貴重な熟成古酒もオススメ。利き酒の後は、気に入った日本酒を購入できるのが酒屋さんでの利き酒のメリットですね。
◆お店の詳細情報はこちら→ http://aburacho.jp


京極屋【こだわりの日本酒と自家製漬物の二刀流】

大手筋商店街にある京極屋さんは、京都市が進めている「京のまち なじみのええ店」第1回に選出された名店。地元伏見の清酒をメインにこだわりの日本酒やワイン、防腐剤を使わない自家製の漬物を販売している、約100年以上の老舗。近年、店内で試飲ができるように店内を大幅にリニューアルしてまるで新店舗のようです。
伏見の酒は、カルシウムやマグネシウムを多く含む中硬水で仕込まれ、口当たりがよく、酸が少なめで淡麗な味わいは「女酒」と呼ばれ、繊細な味付けの京料理との相性が抜群です。店主が飲んでみて美味しい酒は、伏見のもの以外も取り扱いしています。有料試飲をしていますので、自身が「美味しい」と思ったお酒が購入できます。
自家製の京つけものは、余計なものを一切使わず、塩とぬかのみで漬けることにこだわっています。「千枚漬」、「しば漬」が人気だそうです。また、最近はなかなかお目に掛かれない、みりんの搾り粕(酒粕)である「こぼれ梅」も販売されています。
◆お店の詳細情報はこちら→ https://www.kyoto-wel.com/shop/S81135/

(編集日:2023年10月11日 情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局