京都定期観光バス(おこしバス)大原三千院と世界遺産比叡山延暦寺

京都定期観光バスのりば(JR京都駅烏丸口)

「おこしバスばす」の愛称で京都の観光名所を巡る京都定期観光バスの定番人気コース「大原三千院と比叡山延暦寺」の乗車体験レポートをご紹介(4月に取材)。
JR京都駅の中央口の左側、京都中央郵便局の方に歩いていくと、「京都定期観光バス」の大きな看板が見えてきます。
まずは受付を済ませて、チケット(座席指定乗車券)を受け取ります。
発車時刻10分前までにのりば窓口でお手続きください。バスの座席は指定制です。
座席番号はチケット(座席指定乗車券)お渡し時に決定します。お客さまから座席番号のご要望はお受けしていません。
お手洗いは、JR京都駅構内や京都駅直結の商業施設「京都ポルタ」にありますので事前に済ませておきましょう。
旅行バックやスーツケースのお荷物はバスのトランクルームにてお預かりします。貴重品は各自にて保管管理ください。

バス乗り場には、それぞれのコースを走るバスがズラリと並びます。
乗り間違いのないように、チケットに記載されている「のりば番号」を再度チェック。

比叡山延暦寺

現在、根本中堂は60年に一度の大改修中(2026年まで)ですが、本堂の中に入ることはできます。本堂の中は護摩の香りに包まれていて厳かな空間でした。秘仏薬師如来を照らす「不滅の法灯」は、1200年もの間、毎日絶えることなく油を注いできた灯火で、「油断」の語源となったことでも有名です。
【比叡山延暦寺】
比叡山延暦寺は、延暦7年(788年)に最澄が開創した、1,200年以上の歴史を持つ天台宗の総本山です。標高848mの比叡山全域を境内とし、寺域は1700ヘクタールにも及び、京都市と滋賀県にまたがっています。
延暦寺とは、比叡山の山内に点在する約100ほどの堂宇の総称で、延暦寺という一棟の建造物があるわけではありません。
山内を地域別に、東を「東塔(とうどう)」、西を「西塔(さいとう)」、北を「横川(よかわ)」の三つに区分しています。これを三塔と言い、それぞれに本堂があります。日本仏教の各宗の祖師(親鸞聖人、栄西禅師、日蓮聖人、道元禅師)などがここで学び、あるいはここで出家得度している事から「日本仏教の母」として仰がれています。

大改修工事は2026年に完了する予定です。工事期間中に設けられた「特設ステージ」からは、期間限定で屋根の修復工事の様子を見学することができます。
工事期間ならではですね。根本中堂の中は撮影禁止ですが、特設ステージからは、写真撮影OKです!

大原温泉 料理旅館「芹生」(せりょう)

ちょうどお腹が空いてきた12:00頃に、大原に到着しました。昼食は、三千院の門前にある芹生さんで、「三千草弁当」の昼食です。芹生さんは、宿泊もできる温泉旅館です。
【芹生】
京都大原の料理旅館「芹生(せりょう)」は、自然美溢れる里山の中にあり、賑わいある京都市内で観光を楽しんだ後は、この大原で、ゆったりと流れる時間が旅の疲れを癒すとともに、京都市内では決して味わえない「もうひとつの京都」をご堪能いただけます。
夕食は、京野菜・自家菜園野菜・山菜など、旬の素材を調進した、季節を彩る芹生自慢の「草菜味懐石」に舌鼓を打ち、厳選された京の地酒で至福のひとときを過ごせます。
大原温泉は1175mの深さから約120(リットル/分)の豊富な湯量が沸き出す湯温27.9℃の温泉です。
泉質は美肌効果のあるナトリウムイオンと炭酸水素イオンが多く「美人の湯」に近い効果があります。
内風呂と露天風呂があり、で旅の疲れを癒しゆったりお寛ぎいただけます。
個人や小グループで訪れる場合の昼食は「三千草弁当」の他にも、京ゆば膳、湯豆腐膳、草菜味懐石(要予約)も用意しています。

かわいい三段重の中に、見た目も愉しい山菜料理が、綺麗に盛り付けられていました。
季節の京野菜や、大原の山菜をふんだんに使ったお弁当で、京都らしい上品な味付けでした。
定期観光バスに参加の皆さんとワイワイお話しながら、楽しくいただきました。

大原三千院

昼食後は、自由散策となります。まずは大原三千院へ!三千院の玄関口である御殿門の前では枝垂桜が満開で、ピンクのお花が、春の風になびいていました。
初夏はアジサイと青もみじ、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の風景が楽しめます。
拝観受付で「京都定期観光バスワッペン」を見せるだけで、受付完了です。見どころがたくさんあるお寺さんなので、参拝には30~40分ほど必要です。
【大原三千院】
山号は魚山(ぎょざん)といい、天台宗五箇室門跡のひとつ。
門跡(もんぜき)とは皇室一門や公家の方が出家して住職を務める寺院で、皇室と関わりのある格式高い寺院とされています。三千院の由緒は、伝教大師・最澄が比叡山東塔南谷(とうとうみなみだに)の山梨の大木の下に一宇を構えたことに始まり、慈覚大師円仁に引き継がれ、最雲法親王入室により、平安後期以降、皇子皇族が住持する宮門跡となりました。
三千院の代表的な風景と言えば宸殿前の池泉回遊式庭園「有清園(ゆうせいえん)」。
青々とした苔と杉木立の庭に往生極楽院(重要文化財)が建ち、内陣には阿弥陀如来、観世音菩薩、勢至菩薩の阿弥陀三尊像(国宝)が安置されています。
春は桜と石楠花(シャクナゲ)、夏は青もみじ、秋は紅葉、冬は雪景色に彩られそれぞれに美しい風景をみせてくれますデューク・エイセスの1966年(昭和41年)のヒット曲「女ひとり」でよく知られてます。

客殿をお参りし、苔と杉の林を歩いて往生極楽院へ。国宝「阿弥陀三尊像」の大きさに圧倒されました。
本堂よりも大きな阿弥陀様を納めるために、天井を舟底型に折り上げているそうです。
肉眼ではわかりにくいかもしれませんが、極楽浄土に舞う天女や菩薩様のお姿が描かれた天井絵にも注目です。
朱雀門から後ろを振り返ると、ポスターやパンフレットでよく見かける景色が目の前に広がります。

丁寧に手入れされた苔の上を見ると、かわいい「わらべ地蔵」を見つけることができます。私は5体しか見つけられませんでしたが、全部で6体あるそうです。どこかに隠れていたんでしょうか。
「わらべ地蔵」は、現代の石彫家・杉村孝氏の作品です。

金色不動堂では、本堂よりも先に、満開の枝垂桜のピンクと、ソメイヨシノの競艶に目を奪われました。
あまりの美しさに、しばらくその場に立ち尽くしてしまいました。大原は、京都市内よりも気温が3~5℃低いと言われています。
そのため、桜の開花や満開の時期も、市内より7~10日ほど遅く訪れます。京都市内中心部の桜は終わってしまっても、大原では見頃が続きます。
桜の後は可憐なシャクナゲが見頃を迎えます。初夏には、紫・青・赤・白色、色とりどりのアジサイが咲き誇ります。さらにエメラルドグリーンの苔が庭園を緑色に染め上げます。秋は紅葉と苔のコントラストが参拝者の目を楽しませてくれます。

桜とあわせて満開だったのが、石楠花のピンクのお花。金色不動堂の横を通る際、間近に見ることができます。

宝泉院

三千院の拝観後は、徒歩約2分のところにある「宝泉院」(ほうせいいん)へ。
ここは「額縁庭園」が有名なお寺さんです。額縁庭園とは、客殿の柱や鴨井を額縁に見立て、客殿の中からお庭を眺めると、まるで絵画を鑑賞しているように見えます。
「京都定期観光バス特典」で、拝観料(お抹茶付)が割引になりました。
【宝泉院】
宝泉院は天台宗の仏教が栄えた大原の中心的道場である勝林院(大原寺)の僧坊として約800年前よりあった古刹。
山門をくぐると宝泉院のシンボルである樹齢約700年の近江富士をかたどった天然記念物の五葉の松が参拝者を出迎えてくれます。
書院は江戸時代前期に再建され、廊下の天井は伏見城の遺構で伏見城中で自決した徳川の武将達の供養のため、自決の場の床を天井にした「血天井」として知られてます。
書院に敷かれている緋毛氈に座り眺める庭園は、池の形が鶴、築山が亀、山茶花の古木を蓬莱山とみたてた「鶴亀庭園」と客殿の西方を柱と柱の空間を額に見立てて鑑賞する額縁庭園「盤桓園」があり、書院からの眺めはまるで一服の絵画を鑑賞しているような美しさです。
拝観時には抹茶と若狭屋末則謹製の求肥で粒あんを包んだニッキ風味のオリジナル和菓子「ひととき」のおもてなしがあり、美しいお庭を眺めながら一服できます。

京都市の天然記念物に指定されている、樹齢700年の「五葉ノ松」です。
近江富士を型どっているそうです。目の前に迫ってくる大きな枝ぶりは、逞しく乗り越えてきた歴史と物語を感じます。

赤いじゅうたんの縁側で、お抹茶をいただきました。京都らしいおもてなしに、心が和みました。

こちらが「額縁庭園」と呼ばれる風景です。私のカメラの腕では普通のお庭に写ってしまいますが・・
プロが撮影した風景を写真やパンフレットで、一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか。
この景色は、縁側に座るのではなく、客殿の奥に敷かれた「赤いお座布団」の上に座って愉しむそうです。

かわいい小物やお土産

帰り道の参道は、呂川沿いに下り坂が続きます。
かわいいパッケージのしば漬け、女子が喜ぶ京和柄の小物、京土産で人気の金平糖など、たくさんのお土産物屋さんが並びます。苔ポンも人気のお土産だそうです。

【京都定期観光バス Qコース:大原三千院と比叡山延暦寺】
※2024年11月30日()までの運行スケジュール
●出発日(2024年):
・9月1日~9月30日:月曜、金曜、日曜日に運行(9月6日は運休)
・10月1日~10月31日:月曜、水曜、金曜に運行
・11月1日(金)~11月30日():毎日運行
※一部設定除外日もございます。予約画面のカレンダーでご確認ください。
●集合場所:JR京都駅烏丸口 京都定期観光バスのりば
●発車時間:9:20発
※発車時刻はご乗車日によって変わる可能性がありますので、ご予約時にご確認ください。
●所要時間:約7時間
●料金(おひとり様):
<9月1日~11月2日>
・大人:10,900円、小児:7,150円
<11月3日~30日>
・大人:11,400円、小児:7,400円
※小児料金は6歳以上小学生のお子さまに適用します
●料金に含まれるもの:比叡山延暦寺根本中堂の参拝料、大原三千院の参拝料、芹生「三千草弁当」の昼食、バス運賃
●コース内容:京都駅烏丸口(9:20発)=<比叡山ドライブウェイ>=比叡山延暦寺(根本中堂参拝)=<奥比叡ドライブウェイ>=三千院と大原散策・昼食(自由散策約160分)=京都駅烏丸口(16:30頃着)
※昼食のお時間及び三千院の参拝時間は、自由散策時間に含まれます。
※延暦寺根本中堂は改修工事中ですが、堂内をご参拝いただけます。
※大原自由散策では実光院、宝泉院、勝林院、来迎院の優待拝観券付。
●予約方法:下記URL、またはお電話でお申込みください
https://resv.kyototeikikanko.gr.jp/Teikan/Web/Default.aspx
※京都定期観光バス予約センター
075-672-2100(7:40~20:00)

京都定期観光バスに乗って「大原三千院と比叡山延暦寺」を周遊しました(4月中旬に乗車)。
大原には、今回ご紹介できなかった、建礼門院ゆかりの寺院「寂光院」、仏教音楽である天台声明の聖地「勝林院」、紅葉と秋に咲く不断桜が同時に楽しめる「実光院」、天台声明の道場「来迎院」もオススメ。
癒しの里・大原の里山でマイナスイオンをチャージし、ゆっくりとした時間を過ごされてはいかがですか?

(情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局)

スポット情報

エリア名大原
イベント名大原三千院と世界遺産比叡山延暦寺
集合場所京都駅烏丸口(9:20出発)
アクセスJR京都駅中央口を出て左手(新幹線中央口を出て右手)、伊勢丹百貨店前がのりばです。地下鉄でおこしのお客様は京都駅出入口6番をご利用ください
運行日2024年9月1日(水)~11月30日(土)※月により運行日が異なります
料金

(9/1~11/2)大人:10,900円、小児:7,150円
(11/3~30)大人:11,400円、小児:7,400円

お申し込み京都定期観光バス予約センター
TEL075-672-2100
営業時間7402000
URLhttps://resv.kyototeikikanko.gr.jp/Teikan/Web/Default.aspx

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