鳥羽街道は「鱧海道(鱧街道)」魚市場遺跡 魚魂碑(草津湊)@京都伏見
京都の羅城門から鳥羽を経由し淀までの道はかつて「鳥羽街道」と呼ばれており、淀からは「京街道」として、平安遷都から明治時代まで京と大坂を結ぶ重要な街道でした。
桂川と鴨川との合流地点、横大路には明治時代まで草津湊(くさつみなと)と呼ばれる河川港があり、大阪湾、紀州、淡路、阿波、瀬戸内海などで獲れた鮮魚が夜を徹して淀川を遡る舟で運ばれ、この地で荷揚げされていました。
港には江戸幕府の命により公設魚市場(京都中央卸売市場のルーツ)が開かれ、多くの問屋が軒を連ねていたそうです。
荷揚げされた生鮮魚介類は、ここから鳥羽街道を北上し、陸路で御所への献上品として、洛中の魚商人を通じで京の人々に届けられていました。


生命力豊かな夏の魚にちなんだ
ネーミング「鱧海道」
生命力が強く、生きたまま運ぶことができた鱧(はも)は6月から7月に旬を迎え、鱧料理は京の夏の風物詩として昔から珍重されてきました。なかでも祇園祭は別名「ハモ祭」とも呼ばれ、鱧は祭りには欠かせない食材で期間中は現在でも大量の鱧が消費されてます。
かつて草津湊のあった場所付近、桂川に架かる人道と車道の二重橋の羽束師橋(はづかしばし)の下(桂川の堤防沿)には草津湊の説明板があります。
菅原道真が九州の太宰府に流される折、この草津湊から船に乗り淀川を下ったと言われています(諸説あり)。


兵どもが夢の跡
「魚市場遺跡 魚魂碑(ぎょこんひ)」
隆盛を極めた草津湊の魚市場も明治10年(1877年)、東海道本線の神戸駅から京都駅間の全通により、生鮮魚介類魚の輸送は鉄道へとシフトし、魚市場も明治21年(1888年)には京都駅に付近に移転(現在の京都中央卸売市場)しその使命を終えました。
大正8年(1919年)、かつて魚市場があったことを示す記念碑が、羽束師橋の下流約50mの場所に往時の繁栄を後世に伝えるため魚市場関係者により建設されました。
昭和9年(1934年)室戸台風により石碑が損壊しましたが、昭和60年(1985年)に京都水産物小売工業組合の関係者などから集まった寄付金により再建。
再建後は「魚魂碑顕彰会」により、毎年4月の第1日曜日に魚魂碑魚供養の式典が行われているそうです。
スポット情報
エリア名 | 伏見 |
---|---|
スポット名 | 魚市場遺跡 魚魂碑 |
所在地 | 京都市伏見区横大路草津町(羽束師橋東詰から南へ50m) |
アクセス | 京阪中書島駅から市バス20系統南横大路・免許試験場・京阪淀駅行、または22系統久我・南工業団地行乗車、府道横大路下車徒歩約8分 |
料金 | 見学自由 |
URL | https://www2.city.kyoto.lg.jp/somu/rekishi/fm/ishibumi/html/hu003.html |
(掲載日:2022年7月19日 情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局)

ササキパン本店♪新酒の時期限定「酒粕ぱん(黒あん&白あん)」納屋町商店街(京都伏見)
京都 知る人ぞ知る♪とっておき“桜の穴場スポットでゆったりお花見
伏見桃山城の桜♪伏見の街のランドマーク模擬天守を彩る桜
七瀬川遊歩道と東高瀬川(約1.2km)の桜並木♪伏見のお花見穴場スポット(京都伏見)
墨染寺の桜♪別名「桜寺」と呼ばれる桜の隠れ寺・ライトアップも実施(伏見深草)
RELATED おすすめの関連記事
-
本格的な春の訪れを感じる三月弥生の風物詩のひとつと言えば「大相撲三月場所」。 通称、春場所・大阪場...
詳しく読む -
伏見・深草の地に鎮座する藤森(ふじのもり)神社は平安遷都以前より祀られている古社で菖蒲の節句発祥の神...
詳しく読む -
酒蔵が建ち並ぶ伏見酒蔵エリアにあるレトロな建物が印象的なカフェ兼おみやげ処「伏見夢百衆」。 夢百衆...
詳しく読む -
御香宮(ごこうのみや)神社の神幸祭(しんこうさい)は、伏見九郷(石井<いわい>・森・船津・即成就院・...
詳しく読む
EVENTS おすすめのイベント
-
京都丹波地域の豊かな自然が育んだ、夏の食を代表する「京都丹波の鮎」。その魅力を広く発信するため、「京...
詳しく読む -
寺田屋騒動には、齊藤酒造の祖業 呉服商「井筒屋伊兵衛」が関わっていた!幕末の伏見で起きた一大事件「寺...
詳しく読む -
京都市右京区の北西部の宕陰(とういん)地域は、愛宕山の山麓に広がる棚田や茅葺き民家が建ちび「にほんの...
詳しく読む -
嵐山のほど近く、西京の上桂に佇む「紅葉の隠れ寺」として、密かな人気の禅寺、葉室山 浄住寺(じょうじゅ...
詳しく読む