高雄山 神護寺の桜♪凛とした境内を薄紅色に染め上げる枝垂れ桜(高雄)

神護寺がある高雄(高尾・たかお)、高山寺がある栂尾(とがのお)は、京都市の北西部に位置し、通称「三尾(さんび)」と呼ばれ、室町時代から紅葉の名所として、夏の風物詩「川床」での納涼で広く知られています。
高雄を代表する寺院で、で弘法大師・空海ゆかりの神護寺(じんごじ)の春の境内を彩る花といえば「しだれ桜」です。
境内一帯には、枝垂れ桜や山桜が植えられており、楼門(山門)、金堂、五大堂、多宝塔、明王堂などの堂宇と桜のコントラストが楽しめます。
金堂へと続く石段を登ると、まるで桜のシャワーを浴びているかのようです。
枝垂れ桜は、野生の桜のひとつで「エドヒガン(江戸彼岸)」の変種のうち、枝が長く垂れ下がる特徴を持つ桜です。
枝が糸のように垂れていることから、別名を「イトザクラ(糸桜)」よも呼ばれています。歴史は古く、平安時代から親しまれています。
枝垂れ桜の花言葉は、優美、円熟した美人。 「優美」は、枝がしなやかで、大きく流れるように咲く様子から、「円熟した美人」は、頭を垂らして花を咲かせる様子が、美しく年を重ねる貴婦人の様のようであることからです。
凛とした神護寺の境内に咲く、優美で円熟した美しさの枝垂れ桜は、まさに「大人のお花見」。
カエデの新緑が芽吹く春、三尾エリアをゆったり散策しながら絶景と寺院めぐりをお楽しみください。
【例年の見頃】4月上旬~中旬

高雄山神護寺

高雄山神護寺(たかおさんじんごじ)は、高雄山の中腹に建つ高野山真言宗の遺迹本山(※)です。
和気清麻呂により高雄山寺として建立された後、国家安泰を祈願した神願寺と合併し、寺名を神護国祚真言寺(じんごこくそしんごんじ)と改めました。現在は、略して神護寺と呼ばれています。
合併の際に多くの霊宝が移されたと考えられますが、本尊として金堂に安置される薬師如来立像(国宝)は、神願寺の本尊であったと言われています。
和気清麻呂没後は弘法大師・空海に委ねました。入山以後、14年間にわたり住持され、真言宗立教開宗の礎を築きました。
平安時代後期、災害により荒廃しましたが、神護寺中興の祖・文覚上人が後白河法皇や源頼朝の援助を受け復興。
応仁の乱で焼失しましたが、江戸時代・京都所司代の板倉勝重により、堂宇七、支院九、僧坊十五を数えるまでに再興されました。
国宝の薬師如来像をはじめ、国宝・重要文化財に指定されている平安時代から鎌倉時代かけての多くの寺宝や日本三名鐘「三絶の鐘(国宝)」を有することでも知られています。
神護寺の参拝は清滝川に架かる高雄橋からスタート。約400段の石段の参道はカエデの木に覆われており、秋は紅葉を愛でながら楼門に到着します。
参道途中には茶店もあり、紅葉の絶景を眺めながら一服もできます。
境内の最奥部にある地蔵院前からは“錦雲渓”とも称される絶景の渓谷美が楽しめ、神護寺が発祥とされる、疫病退散や魔除けなどの願いを込めて素焼きの皿を投げる「かわらけ投げ」を行うことができます。

かわらけ投げ発祥の地

神護寺の境内西奥、山の斜面にある「地蔵院」。このあたりからの眺望は素晴らしく、眼下には高雄の集落と「錦雲峡」と呼ばれる渓谷が広がります。
錦の雲が広がる渓谷は、紅葉の季節には錦を纏ったような美しさ。
この錦雲峡に向けて、疫病退散や魔除けなどの願いを込めて素焼きの皿を投げる「かわらけ投げ」体験は神護寺拝観時には必須。
かわらけとは、厄除けや開運、必勝祈願、疫病退散、魔除けなどの願いを込め、高い場所から素焼きの土器(かわらけ)を投げる願掛けです。
全国各地の高台にある絶景ポイントで行われている「かわらけ投げ」の発祥地がここ神護寺です。
遥か眼下を流れる清滝川に向かって皿を投げれば、いい気分転換になります。
フリスビーの要領で投げるのがコツですが、フラフラ揺れたり、まっすぐ下に落ちていったり、なかなかうまく投げられません。
うまく上昇気流に乗って遠くまで飛ばせたら、まさに気分爽快。

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(情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局)

エリア名高雄
スポット名神護寺
所在地京都市右京区梅ケ畑高雄町5
拝観時間9:00~16:00
拝観料大人(中学生以上)1,000円、小学生500円
アクセスJR京都駅・阪急電車大宮駅二条駅からJRバス「栂ノ尾・周山」行、地下鉄烏丸線四条駅・東西線太秦天神川駅から市バス8系統「高雄・栂ノ尾」行に乗車、高雄バス停下車徒歩約20分
TEL075-861-1769
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