紫式部・在原業平・西行もこよなく愛した京都西山の桜~平安桜絵巻~

京都は東、北、西の三方を山に囲まれ、都の人々は眺める山の方角で、東を「東山」、北を「北山」、西を「西山」と呼んでいます。「東山」、「北山」は観光地として有名ですが、「西山」は、まだまだ知られていませんが、西山三山(善峯寺・光明寺・楊谷寺)とよばれる名刹をはじめ、由緒ある寺院や神社が点在する、京都ツウの間では最もホットなエリアです。
京都西山は、花をこよなく愛した西行法師が出家し手植えした桜、源氏物語の作者・紫式部ゆかりの神社に咲く満開日が僅か3日の幻の枝垂れ桜、伊勢物語の主人公で超絶イケメン美男子・在原業平ゆかりの桜、「玉の輿」の由来ともなった徳川家光の側室・桂昌院お手植え桜など、平安時代から桜を中心とした文化が花開き、歴史を紡いできたエリアです。
2024年の大河ドラマ「光る君へ」は、京都西山・大原野にゆかりが深い紫式部が主人公。今後、京都西山は、ますます注目度アップ間違いなし。
紫式部や在原業平、西行法師もこよなく愛した京都西山・大原野に思いを馳せ、風雅な「お花見」を楽しむのはいかがですか。最後に、京都西山の桜PRの動画(YouTube)がありますので、是非ともご覧ください。

大原野神社~満開日は僅か3日!千の願いが叶う幻の桜「千眼桜」~

大原野神社は長岡京遷都の際、奈良の春日大社から勧請を受け「京春日」とも呼ばれます。そのため狛犬ならぬ「狛鹿」が鎮座し、鹿にゆかりの深い神社です。
また、境内には奈良の興福寺「猿沢の池」を模して作られた“鯉沢の池”もあります。
平安時代、藤原氏の氏神として厚い信仰を集めたことより、六国史、大鏡等をはじめ、源氏物語、その他有名な古典に大原野神社についての記述がしばしば書きとどめられています。
源氏物語の作者・紫式部が氏神と崇めこよなく愛した古社で、二十九帖「行幸(みゆき)」の巻には、大原野へと向かう冷泉帝の華やかで美しい行列の様子を描き、大原野への思いの一端を伺い知ることができます。
一の鳥居から本殿へと続く参道沿いと鯉沢の池の畔にソメイヨシノも見ごたえがありますが、大原野神社の桜と言えば「千眼桜」(せんがんざくら)に尽きます。
まるで千の眼を持つかのように、たくさんの花芽をつけることがその名の由来。一重の枝垂れ桜で、満開の期間が3日間と短く運よく満開を見ることができたら「千の願いが叶う」と言われている幻の桜。
例年の満開日は 4月8日ですが、昨年(2023年)の満開日は 3月29日でした。ちなみに、昨年(2022年)の満開日は 4月7日でした。今年の桜の開花予想は、例年並みのやや早めのです。千の願いが叶うよう、ぜひ満開日にご参拝ください。

スポット情報

エリア名西京
スポット名大原野神社
所在地京都市西京区大原野南春日町1152
アクセス阪急桂駅西口より京都市バス臨西2系統(南春日町 洛西バスターミナル行)、JR向日町駅・阪急東向日駅より阪急バス(洛西バスターミナル 南春日町行)、南春日町バス停下車徒歩約8分
拝観時間境内自由
TEL075-331-0014
URLhttps://oharano-jinja.jp
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勝持寺~通称「花の寺」桜をこよなく愛した西行法師お手植えの桜~

写真提供(2~5番目):おもてなしタクシー

勝持寺(しょうじじ)は、山号を小塩山大原院(おしおざん だいげんいん)といい、飛鳥時代の白鳳8年(679年)に天武天皇の勅によって神変大菩薩役の行者(役小角/えんのおづぬ)が創建したのが始まり。
平安時代の延暦10年(791年)に最澄(伝教大師)が桓武天皇の勅を奉じて堂塔伽羅を再建され、薬師瑠璃光如来を一刀三礼をもって刻まれて本尊とされました。後に文徳天皇が大原野神社の別当寺として復興し、大原院勝持寺と改めました。
承和5年(838年)仁明天皇の勅によって塔頭49院を建立されましたが、応仁の乱の兵火に遭い、仁王門を除きすべて焼失。現在の建物は応仁の乱後に再建されたもの。
平安時代の歌人・西行(さいぎょう)が出家し庵を結んだ寺としても知られており、西行により一本の桜を植えられたことより、別名「花の寺」とも呼ばれています。
境内には西行お手植えの桜の3代目である「西行桜」をはじめ、ソメイヨシノを中心に約100本の桜が全山を花で埋めつくすように咲き誇り、鄙の地に佇む古寺の堂宇を薄紅色に染め上げます。
西行法師(さいぎょうほうし)は、俗名を佐藤義清といい北面の武士として鳥羽院に仕えた人物。23歳の時に勝持寺にて出家し、歌人として活躍。
諸国を巡り詠んだ和歌は約2300首とされ「新古今集」には94首が入選し、入撰数第1位です。約1,600首を収めた「山家集」でも知られています。生涯で約2090首の歌を詠み、うちの230首で桜を詠んでいます。

スポット情報

エリア名西京
スポット名勝持寺(花の寺)
所在地京都市西京区大原野南春日町1194
アクセス阪急桂駅西口より京都市バス臨西2系統(南春日町 洛西バスターミナル行)、JR向日町駅・阪急東向日駅より阪急バス(洛西バスターミナル 南春日町行)、南春日町バス停下車徒歩約20分
拝観時間9:30~16:30(16:00受付終了)※2月は閉門
拝観料大人:400円、中高生:300円、小学生200円
TEL075-331-0601
URLhttp://www.shoujiji.jp
Google Maphttps://goo.gl/maps/xw8XcFWQ4mS4j45FA

正法寺~東山連峰を借景にした「鳥獣の石庭」を彩る枝垂れ桜は必見~

写真提供(2~5番目):おもてなしタクシー

正法寺(しょうぼうじ)は山号を法寿山(ほうじゅざん)とし、真言宗東寺派の古刹。奈良の唐招提寺を創建した鑑真和上と共に、唐から日本へ渡来した高弟、智威大徳 が隠世したのが始まりで、天平勝宝年間 の創建。平安時代、弘法大師空海が巡錫され、42歳の厄除けのために 聖観世音菩薩を彫刻されたと伝えられています。
応仁の乱の戦火て堂宇は焼失し荒廃しましたが、江戸時代に恵雲・微円の 両律師により再興され「西山のお大師さま」として親しまれてきました。江戸幕府5代将軍・徳川綱吉の母・桂昌院が大原野の出身であることから深く帰依され、徳川家の祈願所として徳川家から厚い庇護を受けました。
本尊は三面形式が珍しい千手観音で国の重要文化財に指定されています。正法寺の桜の最大の見どころは「宝生苑」の枝垂れ桜。
宝生苑は東山連峰を望む借景式山水庭園で、庭石の形が何となくペンギン、兎など、15種類もの動物の形に似ているため「鳥獣の石庭」と呼ばれており、春には艶やかな紅しだれ桜が咲き誇り庭園に華を添えます。
石庭以外にも境内いたるところに桜が植えられており、朱塗りの極楽橋から本堂に続く参道のソメイヨシノの並木をはじめ、明治41年(1908年)に高台寺に建立された近代和風建築「忠魂堂」を平成22年(2010年)に移築した遍照塔を彩る八重桜、春日不動堂の前庭に咲く枝垂れ桜など、境内のどの場所でも桜の花を楽しむことができます。

スポット情報

エリア名西京
スポット名正法寺
所在地京都市西京区大原野南春日町1102
アクセス阪急桂駅西口より京都市バス臨西2系統(南春日町 洛西バスターミナル行)、JR向日町駅・阪急東向日駅より阪急バス(洛西バスターミナル 南春日町行)、南春日町バス停下車徒歩約10分
拝観時間9:00~17:00
拝観料大人:300円
TEL075-331-0105
URLhttp://www.shoujiji.jp
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十輪寺~平安時代の超絶イケメン美男子♪在原業平ゆかりの桜~

写真提供(1番目):京都の桜写真、(2~4番目):おもてなしタクシー

十輪寺(じゅうりんじ)は山号を小塩山(おしおざん)といい、天台宗の寺院。平安時代の嘉祥3年(850年)に文徳天皇が染殿皇后の安産祈願のため伝教大師作の延命地蔵菩薩を本尊として安置したのが創建とされています。
六歌仙のひとりで伊勢物語の主人公とされている「在原業平」(ありわらのなりひら)が晩年に隠棲したことから「業平寺」(なりひらでら)とも称されています。境内には業平の墓、裏山には難波の津(現在の大阪湾)から海水を運び塩焼きの風情を楽しんだとされる塩竈(しおがま)の旧跡があります。
見どころは、高廊下、茶室、御殿の三方に囲まれた「三方普感の庭」(さんぽうふかんの庭)。この庭は江戸時代の寛延3年(1750年)に本堂再建時に作られた庭。
高廊下、茶室、御殿の3か所から、また「立って見る」「座って見る」「寝て見る」という3通りの見方で違った風景や趣が味わえるよう設計されています。春には樹齢200年の枝垂れ桜、通称「業平桜」(なりひらざくら)が庭の空一面を覆い、まるで天を埋めるように咲き誇る光景は風雅の極み。
天に蓋をするように咲くことから、別名「天蓋桜(てんがいざくら)」とも呼ばれる銘桜です。鳳輦形(ほうれんがた)と呼ばれる独特の形状をしている本堂越しの桜の花も秀逸。瓦屋根を桜の花の薄紅色に染め上げる風景も人気のフォトスポットです。
在原業平は平城天皇の孫の平安貴族で容姿端麗、恋多き貴公子として知られ、和歌も上手く情熱的な恋の歌を多数詠み、女性にモテモテだったとか。
まさに平安時代の超絶イケメン美男子です。余談ですが、広瀬すず主演で映画化もされた競技かるたを題材とした漫画「ちはやふる」は、百人一首の句のなかで業平が詠んだ「ちはやふる かみよもきかず たつたかわ からくれないに みづくくるとは」に由来しています。

スポット情報

エリア名西京
スポット名十輪寺(業平寺)
所在地京都市西京区大原野小塩町481
アクセスJR向日町駅、阪急東向日駅から阪急バス善峯寺行き乗車、小塩下車徒歩1分
拝観時間9:00~17:00
拝観料400円
TEL075-331-0154
bloghttp://narihiratera.seesaa.net
Google Maphttps://goo.gl/maps/SK1UafcKbWV2D6dh6

善峯寺~京都盆地が一望♪絶景の「天空の桜」を愛でる~

(2~4番目):京都の桜写真、(5・6番目):おもてなしタクシー

西山 善峯寺(よしみねでら)は善峰観音宗の本山寺院で、平安時代の長元2年(1029年)源算上人により創建されました。山号の西山(にしやま)が示す通り、まさに京都西山の中心的存在の寺院。本尊は十一面千手観世音菩薩で、西国三十三所観音霊場、第20番札所として人々の厚い信仰を集めています。
西山の山麓に広がる約3万坪もの境内からは京都市街はもとより、遠くは東山連峰や比叡山までをも望むことができます。春は彼岸桜、しだれ桜、山桜、牡丹桜など多くの桜の花が咲き、全山が桜一色に染まります。
京都盆地の大パノラマと桜の絶景はまさに天空の桜の園、平野部の寺社では味わえない大迫力のお花見が楽しめます。善峯寺随一の桜と言えば、江戸幕府5代将軍・徳川綱吉の母である桂昌院お手植えの「しだれ桜」です。
樹齢約300年の銘桜で、経堂の西側でひときわ荘厳に咲き誇ります。このしだれ桜は、平成11年(1999年)JR東海「そうだ 京都、行こう。」春のキャンペーンCMでテレビ放映され全国的に一躍有名になりました。
桜の開花後はボタン、ツツジ、石楠花(シャクナゲ)、初夏には色とりどりの紫陽花、夏には青もみじ、秋には秋明菊(しゅうめいぎく)に彩られ、秋は紅葉で山全体が赤や黄色の錦繍に染まり、四季折々の趣がある花の名所としても知られています。
他にも樹齢600年以上、全長37m、国の天然記念物「遊龍の松」も必見です。京都西山の大スケールの桜と京都盆地の大パノラマを同時に楽しめるのが善峯寺のお花見の最大の魅力です。

スポット情報

エリア名西京
スポット名善峯寺
所在地京都市西京区大原野小塩町1372
アクセスJR向日町駅、阪急東向日駅から、阪急バス66番(善峯寺行き)に乗車、終点善峯寺下車、徒歩8分。※冬季(1/6~2/末)は手前の小塩バス停発着になるのでご注意ください
拝観時間8:30(土日祝日は8:00)~17:00(16:45受付終了)
拝観料大人:500円、高校生:300円、小・中学生:200円
TEL075-331-0020
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小畑川~川沿いに咲き誇る約800本もの多種多彩な桜~

京都西山の丘陵地帯の洛西ニュータウンを流れる小畑川の両岸には、ソメイヨシノ、山桜、里桜、枝垂れ桜など、多くの品種の桜が約500本植えられており、西京エリア最大規模の桜の名所です。
河川敷には遊歩道や公園が整備され小畑川の清流を眺めながら桜並木の散策を楽しむことができます。散策路には休憩所やトイレもあり、お弁当を持ってのお花見ピクニックにも最適な場所です。すぐ近くには、洛西タカシマヤとラクセーヌ専門店があり、お弁当やお寿司、お惣菜、パン・サンドイッチ、飲料なども販売しておりお花見アイテムのお買物にも便利です。
2024年3月30日()には「来て、見て、体験!春マルシェ 防災Dayキャンプ」が開催、30日()と31日()の両日は「第29回らくさいさくら祭2024」が開催されます。マルシェやキッチンカーの出店、出張イチゴ狩り、竹のワークショップをはじめとした様々なイベントが行われ、夜には「夜桜ライトアップ」と「ドローンショー」が開催されます。入場料は無料です。

スポット情報

エリア名西京
スポット名小畑川の桜
所在地京都市西京区大原野東境谷町2丁目他
アクセス阪急桂駅から市バス、JR桂川駅・阪急洛西口駅から市バス・ヤサカバス乗車、境谷大橋下車すぐ
TEL075-332-9318(京都市西京区役所洛西支所地域力推進室)
URLhttps://www.city.kyoto.lg.jp/nisikyo/cmsfiles/contents/0000322/322840/johokan_program.pdf
Google Maphttps://goo.gl/maps/VACtNmCZBMjxvQKf6

京都西山PR動画 西山さくらさんぽ~春のさくら編〜


京都西山魅力発信プロジェクトが制作した、桜の美しい絶景をお楽しみください。特別な許可を得て撮影したドローンによる通常では見ることができない角度からの映像です。
京都西山魅力発信プロジェでは、京都西山PRキャラクター()のさい君(西行法師のイメージキャラクター)、なり様(在原業平のイメージキャラクター)、お玉ちゃん(桂昌院のイメージキャラクター)が西山の名所をご紹介しています。
 今年の桜の季節には、混雑知らずでゆったりと桜のお花見が楽しめる京都西山にぜひお越しください。「心のやすらぎ」が得られますよ。
西京区の若手職員が京都出身のイラストレーター「はかなシ」氏とともに、新たなPRキャラを生み出しました。京都・西山の歴史上の人物がモデルで、歴史や文化を広くアピールさせていただきます。
◆京都西山魅力発信プロジェクト
https://nishiyama-kyoto.com/

(掲載日:2024年2月28日 情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局