京都の新たな注目スポット「京都里山SDGsラボ」とは?

京都市右京区の「福王子」交差点から国道162号を車で約30分北上。まちの93%を森林が占める「京北」は、鮎やアマゴを育む河川、知る人ぞ知る歴史や桜の名所、納豆餅や鯖寿司といった里山グルメなど、様々な魅力にあふれています。
昨今は、自然の中で静かに暮らせる環境にも関わらず、市内中心部とのアクセスも良好なことから、移住を考えている若い世代やクリエイターにも注目されている地域です。

この京北に新しくオープンした「京都里山SDGsラボ(愛称:ことす)」をご存知ですか?場所は京北合同庁舎や道の駅「ウッディー京北」のほぼ向かい。

建物は以前、小学校だった校舎を活用。大人にとっては、どこか懐かしい雰囲気が楽しめるのではないでしょうか。

1000年以上前から林業が盛んだった京北。館内も木のぬくもりで包まれています。

受付があるコミュニティルームに置かれた六角形のテーブルは「京北銘木生産協同組合」が製作。天然出絞の杉を圧縮し、屋久杉のような独特の木目をした天板が特徴。圧縮することで強度が増し、天板には不向きな杉が有効に活用されています。

「ことす」のテーマは、施設名にもなっている「SDGs」(※1)。京北がこれからも豊かな地域コミュニティを持続していけるように、まちが抱える様々な問題について考え、行動していく拠点となる施設です。
そして、京北の地域住民と利用者の間に交流が生まれることで、地域全体を盛り上げていこうと考えています。そういった活動を国内外に発信。ゆくゆくは、京北が中山間地域におけるSDGsのモデルとなる…そんな未来を描いています。

「ことす」は現在、
①テレワークができるエリア
②クリエイティブな活動ができるエリア
という大きく2つのエリアで構成されています。

まずはテレワークエリアについてご紹介しましょう。

小学校の教室や倉庫などを活用した大小の部屋が揃い、企業・団体・個人がテレワークやミーティングに利用することができます。
パソコンがあれば、どこにいても仕事ができるようになった昨今。1日のみのビジター利用もできるので、京都市内の個人事業主さんが気分転換に利用するケースもあるとか。京都旅行の合間にちょっとだけ仕事をする、そんな使い方もできそうですね。

気候のいい時期は、建物のすぐ裏手を流れる上桂川の清流をのぞむウッドデッキや、中庭で過ごすのもおすすめです。
徒歩圏内にある道の駅「ウッディー京北」で手づくりのお弁当やパンを買って楽しむのもいいですね。

「ことす」での貸しオフィス利用第1号となったのが、「京都超 SDGs コンソーシアム」(※2)のメンバー企業である「株式会社リコー」さんです。脱炭素社会・循環型社会の実現を目指し、京北をはじめ、各地であらゆる取り組みに邁進されています。
「ことす」のオフィスでは、現在4名ほどのスタッフが勤務。以前まで東京勤務だったという社員の方にお話を伺うと、職種に関係なく、地元の方と直接関わり合うことで別の視点が生まれ、新たな気付きを得ることができるようになったとか。
また、オフィスの窓から川や森が見える環境も気に入っておられるようです。窓の外からは鳥のさえずりも聞こえていました。

「ことす」では、リコーの最新機器が活用できるのも魅力のひとつ。たとえば、イベントや講演会などを行う「リシンクホール」に常備された電子黒板(インタラクティブホワイトボード)。

一見ホワイトボードなんですが、書類などを取り込み、付属のタッチペンや指で直接文字や図形を書き込んだり、その内容を離れた場所とリアルタイムで共有できたりする、まさに大きなタブレット。離れていても効率的なミーティングを可能にし、新しい働き方を支える製品のひとつです。

続いてクリエイティブエリアについてご紹介しましょう。

アップサイクルラボ

アップサイクルとは、不用品を生かして加工し、価値の高い新たな製品をつくり出すこと。これをテーマにしたラボが2部屋用意されています。

現在は木工や着物の破材を使った製作に挑戦中。着物は現代のファッションにもなじむようなバッグやジャケットにアップサイクルされていました。

DXスタジオ

音楽室を利用したスタジオ。動画や写真撮影・配信ができる機器を導入するほか、大型スクリーンを使った映画観賞会も検討中とのこと。

キッチンラボ

家庭科室を利用したキッチンラボ。京北の郷土料理や海外の食文化を体験する場にしていく予定です。
教室前方の講師が立つキッチンテーブルの天井には手元が見える鏡付き。料理教室にも便利に使えそうです。

テレワークエリアは2021年8月、クリエイティブエリアは11月にオープン。
毎月第4土曜日に開催されている「京北 めぐる市」では、物と価値と想いを循環させることをテーマに、フリーマーケットや、アップサイクルの展示、飲食ブース、ものづくりのワークショップなど、「ことす」を楽しめる企画が目白押しです。

今後、「ことす」に集まり、関わり合う人が増えれば、その人たちのアイディアひとつで、様々なことが起きていきそうな予感がします。

実際、「ことす」という愛称は、この場所で「ことをなす」「ことを起こす」といった未来への展望を込めて名付けられました。京都の山間地域・京北で、これからどんなことがなされていくのか、ぜひご注目ください。「ことす」の最新情報は公式サイトをどうぞ!

ことす公式サイトはこちら⇒

※1
SDGs(Sustainable Development Goals)は、国連サミットで採択された国際社会の共通目標。誰ひとり取り残さず、持続可能でより良い世界を目指しています。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/index.html

※2
京都市をフィールドとした産学公の連携組織。SDGsの達成に向けてともに考え、行動し、発信する「京都 産学公 SDGs プロジェクト」を推進しています。京北での活動もその一環であり「ことす」は活動拠点。
https://eco.kyoto-u.ac.jp/sdgs/kyoto-times/op/

スポット情報

エリア名京北
スポット名京都里山SDGsラボ「ことす」
所在地京都市右京区京北周山町下寺田11 元京北第一小学校内
URLhttps://www.kotos-kyoto.jp/

(掲載日:2021年12月13日 取材:株式会社グラフィック

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

京都 京北のキャンプ場&バーベキュースポット♪リバーサイドや森で大自然を満喫

京都市右京区の京北エリアには川遊び、山遊びを存分に満喫できるキャンプ場やバーベキュースポットがあり、京都市内からわずか1時間で行けるアウトドアスポットとしてキャンプ&BBQ好きな方に絶大な支持をうけています。 どのキャン …

京都 京北のキャンプ場&バーベキュースポット♪リバーサイドや森で大自然を満喫 もっと読む »

ルトゥール京都(RETOUR KYOTO)ワンランク上のバーベキュー@京都京北

桂川の最源流部、上桂川河畔に佇むリバーサイド✕グランピングロッジ「RETOUR KYOTO(ルトゥール京都)」。 1棟貸切のグランピングヴィラとログハウス風ロッジがあり、離れ型でプライベートな空間を楽しめる宿泊施設。 今 …

ルトゥール京都(RETOUR KYOTO)ワンランク上のバーベキュー@京都京北 もっと読む »

もうひとつの京都&とっておきの京都の周遊観光のキャッチコピーが「まるっと京都」に決定

京都府と京都市では「もうひとつの京都」(※1)及び「とっておきの京都」プロジェクト(※2)として、京都に広がる多様なエリアの魅力を一体的に発信し、各エリアの周遊観光の推進に連携して取り組むことで相乗効果を生み出し、地域の …

もうひとつの京都&とっておきの京都の周遊観光のキャッチコピーが「まるっと京都」に決定 もっと読む »

京都京北 宝泉寺「あじさい祭」1万株のアジサイ(2024年6月24日~7月7日)

京都市右京区京北に佇む「宝泉寺(ほうせんじ)」は平安時代に創建された仁和寺を総本山とする真言宗御室派の寺院。近年「花の寺」として注目を集めています。春は枝垂れ桜、初夏はアジサイ、秋は紅葉が庭園・花宝宛(かほうえん)を彩り …

京都京北 宝泉寺「あじさい祭」1万株のアジサイ(2024年6月24日~7月7日) もっと読む »

京都 夏越の祓「茅の輪くぐり」スポット(伏見・西京・山科・京北)

全国の神社で行われる「夏越の祓」(なごしのはらえ)。立春から半年間の罪穢(つみけがれ)を祓い、次の半年間も無病息災であることを願って行われる神事。各神社では、大きな茅の輪(ちのわ)が社頭に飾られ、それをくぐると無病息災・ …

京都 夏越の祓「茅の輪くぐり」スポット(伏見・西京・山科・京北) もっと読む »

京北名産の山椒を用いたお餅「さんしょもち」が新発売@道の駅ウッディー京北

京北の新名物、山椒餅が2024年3月26日より道の駅ウッディー京北にて販売開始。 昨年1月の構想から、約1年2ヶ月間にわたり試作を繰り返し、ついに「さんしょもち」としてデビュー。 実は、京北は知る人ぞ知る山椒の産地、粉山 …

京北名産の山椒を用いたお餅「さんしょもち」が新発売@道の駅ウッディー京北 もっと読む »