境内に戻り、神護寺めぐりのしめくくりに「金堂」を拝観します。
「五大堂」北側の見上げる石段の上、一段と高い場所に堂々たる佇まいを見せるのが、本堂である「金堂」。昭和10年(1935)に建立された建物で、入母屋造り、本瓦葺きの偉容は、昭和仏堂建築の傑作とされています。
小組格子(こぐみごうし)の天井、平安時代さながらの宝相華文様(ほうそうげもんよう)の繧繝彩色(うんげんさいしき)が施された長押や柱など、まさしく荘厳を尽くした堂内。その壮麗な美しさには息をのむばかりです。
堂内奥に設けられた須弥壇上の厨子に安置されているのは、本尊の薬師如来立像(国宝)。その左右には日光菩薩立像、月光菩薩立像(ともに重文)が控えています。
平安時代の作とされる三尊像を守護するように、左右に四天王像と十二神将像が並びます。こちらは室町時代の作だそう。
堂内の繧繝彩色と十二神将たちの鮮やかな彩りが響きあい、圧倒されるほど華麗で、それでいて荘厳な空間を生み出しているようです。