京北 春日神社 夏越の祓神事と茅の輪くぐり(2025年6月22日~7月5日)
京都市内で最も遅く開花する桜「黒田百年桜」で知られる京北・春日神社では、2025年6月22日(日)に夏越の祓の神事が行われます。7月5日(土)まで茅の輪が設置され、参拝者の方は自由に「茅の輪くぐり」ができます。
夏越の祓とは、立春から半年間の罪穢(つみけがれ)を祓い、次の半年間も無病息災であることを願って行われる神事。各神社では、大きな茅の輪(ちのわ)が社頭に飾られ、それをくぐると無病息災・悪厄退散になると伝えられています。
青もみじが美しい季節、桜のシーズンとはひと味違った静寂な春日神社を訪れてみませんか。
茅の輪くぐりの由来
茅の輪くぐりは「夏越の祓」にて茅の輪をくぐって罪や穢れを落とす祓の行事です。茅の輪は、茅(ちがや)という、イネ科の植物を編み作られた人の背丈よりも大きい輪のことです。スサノオノミコトの神話に由来すると言われています。
神代の昔、蘇民将来(そみんしょうらい)と巨旦将来(こたんしょうらい)という兄弟がおり、兄の蘇民将来はとても貧しく、弟の巨旦将来はとても裕福でした。
ある日、素盞嗚尊(すさのおのみこと)が、旅の途中に巨旦将来に一夜の宿を求めたところ、冷たく断りました。一方、蘇民将来は、貧しいながらも、快く宿と食事の提供をしました。
翌朝、お礼として蘇民将来に茅の輪を与え「腰に付けておれば、疫病から免れることができるであろう」と言い残して旅立ちました。
その数年後、疫病が流行した時に、巨旦将来の一族は疫病で滅んでしまいましたが、蘇民将来の一族は疫病から逃れて繁栄し、子孫も栄えたと伝えられています。
時代が流れ、腰に茅の輪をつけるものから、茅の輪をくぐるものに変化したとされています。なお、茅の輪のくぐり方は、神社ごとにその作法は異なります。
春日神社ご由緒
この地が古代から領家が藤原氏であった縁故で平安時代・長和2年(1013年)、藤原氏の氏神である奈良の春日大社の祭神を勧請し「宮野大明神」として建立、鎌倉時代・文永2年(1265年)に造営された由緒深い神社。
健御賀豆知命(たけみかづちのみこと)・伊波比主命(いわひぬしのみこと)・天之子八根命(あめのこやねのみこと)・比売神(ひめのかみ)の四柱の神様がお祀りされています。
鎌倉時代・正中元年(1324年)に分村があり、宮村・上村・下村の氏神として祀っていましたが、嘉歴3年(1329年)に氏子の地理的条件により、上村に春日神社が建立され、以後宮村・下村の氏神となっています。
江戸時代・元禄16年(1703年)に現本殿が造営されました。
宮野大明神の社名を「春日大明神」とするため、吉田二位殿に願い出て、享保8年(1723年)正一位の御神位を受け「春日大明神」と称されました。明治16年(1883年)に「春日神社」と公定されました。
氏子の皆さんの奉納により平成15年(2003年)11月に本殿の素屋根が完成しました。
境内の宝蔵は南北朝時代・建武4年(1337年)に建立された珍しい形式を持つ板壁の倉で、京北地域で確認できる現存最古の板倉として京都市有形文化財に指定されています。
黒田百年桜
かつての旧黒田村役場前広場に桜の大木がありましたが、明治6年(1873年)の台風により倒木。
この事を惜しんだ黒田の人々が、その大木跡に八重桜の古木を植えたことから、いつしか「黒田百年桜」と呼ばれるようになりました。この八重桜は、植樹前からあわせると樹齢300年を超えるとも言われています。
通常の八重桜と思われていましたが、ヤマザクラの変異による珍種と判明。10~12枚の八重の中に一重がまじり、濃い紅色の花が密集して手まりのように咲く様は美しく可憐です。
突然変異で種子ができないため、円山公園の枝垂桜などを手掛け「京の桜守」として知られる造園業の佐野藤右衛門親子が、昭和52年(1977年)に苗づくりに成功、15代目佐野藤右衛門氏が「黒田百年」と名付けました。
遅咲きで、例年は4月中旬〜下旬頃に見頃を迎えます。開花の遅い年はゴールデンウイークが見頃になることもあり、京都市内で最も遅い花見の名所とも呼ばれています。
毎年、開花に合わせて「黒田百年桜まつり」が開催されます。
黒田名物のよもぎ餅、栃餅、鯖寿司、ちらし寿司、お弁当、地元特産品などの販売や様々な料理の屋台も出店。地元主婦グループによる大正琴の演奏や野立のお茶席などのイベントも実施されます。
また、開花中は日没から午後9時までライトアップも実施、幽玄かつ幻想的な夜桜も楽めます。
◆黒田百年桜の詳細情報は下記リンクをチェック
https://totteoki.kyoto.travel/events/1689/
●まだまだあります♪京都 夏越の祓「茅の輪くぐり」スポット一覧はこちらをクリック
(情報提供:京都市北部山間かがやき隊員)
エリア名 | 京北 |
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イベント名 | 夏越の祓神事と茅の輪くぐり |
開催日時 | 夏越の祓神事:6月22日(日)、茅の輪くぐりは 設置後から7月5日(土)まで |
開催場所 | 春日神社 |
所在地 | 京都市右京区京北宮町宮野90 |
拝観料 | 境内自由 |
アクセス | 京都駅、二条駅、阪急大宮駅からJR西日本バス周山行で終点の周山下車、 周山から京北ふるさとバス山国・黒田線に乗車、宮バス停から徒歩すぐ) |
TEL | 075-856-0968(おーらい黒田屋) |
URL | http://www.kyoto-jinjacho.or.jp/shrine/27/300/index.html |
京都京北ナビ | https://kyoto-keihoku.jp/howto/see/1704/ |
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