熟練の陶工が見せる、巧みなロクロ回し
清水焼団地で職人が丹念に作陶
京都における焼き物の歴史は1200年余り前に遡ります。桃山時代には茶の湯の発展とともに様々な器が焼かれるようになり、江戸時代には野々村仁清をはじめとする名工の出現によって、京焼・清水焼はひとつの頂点を迎えたと言われています。茶人や公家、大名などに献上するために陶工は各々しのぎを削り、高級志向で装飾性の高い、多様な焼き物が生み出されました。
昭和に入り、清水坂界隈の都市化により作陶が困難になるなか、新天地を求める有志が集まり工房と住宅を併せた工業団地として誕生したのが、山科にある清水焼団地です。ここに構える窯元の一つが、約130年の歴史を持つ[雲楽窯]。独自に開発した釉薬「青抹陶」が生み出すやわらかな地色が味わい深く、他にない作風として評価されています。
本物の技術と道具を体験する
[雲楽窯]では実際に職人が作業する工房を会場として、ロクロ体験、手びねり体験、絵付け体験の3コースを実施しています。どのコースでも体験の初めにロクロを使った一連の制作工程を見学することができます。均一な大きさ、厚さに仕上げるのは、熟練した職人だけのなせる技。特に高度な技術を必要とする急須の制作工程を見られるのは希少な経験ですね。
ロクロ体験であれば、所要時間は約2時間。定員は2~4名。中学生以上であれば体験できます。ロクロ師がサポートに付き、茶碗や皿など好みの品3点を成形。これにオリジナルの釉薬「青抹陶」をかけて焼成してくれます。体験のための設備や材料ではなく、職人が実際に使用する本物を知れるのも魅力です。
陶芸体験を通して清水焼を身近に
1970年に工房公開をスタート。2016年にかねてから要望の高かった体験教室を開始しました。
「土を触る楽しさを知って欲しい」とは、三代目 齊藤雲楽さん。「自分で作った焼き物を見て、後々、京都のこと清水焼のことを思い出してくえたらうれしいですね」
京都の伝統工芸である清水焼。[雲楽窯]の店舗には清水焼の伝統と文化を伝える1000万円の作品から、日常遣いの1000円の商品まで、幅広い価格帯と用途の品が並び、清水焼の多様性を伝えています。
まずは体験教室で自分が作った品を、清水焼に触れる入口にするのもいいのではないでしょうか。
(掲載日:2018年12月10日 取材:ライター平田詠子)
店舗情報
エリア | 山科 |
---|---|
店舗名 | 雲楽窯 |
所在地 | 京都市山科区川田清水焼団地町9-2 |
TEL | 075-591-1506 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 無休 |
駐車場 | 無 |
体験予約 | 1週間前までに要予約 |
URL | http://unrakugama.com/ |
交通機関のみなさまオススメ♪電車&バスで行く「プチ旅」モデルコース
京都山科 ホテル山楽「fine dining山科」メインデッシュが選べるランチブッフェ
山科観光PR動画「おこしやす京都山科へ~春の桜編~」を公開(京都山科)
京都山科 隨心院で「新婚さんいらっしゃい」出張収録 in 京都(2024年2月25日放送)
京都とっておきの「節分祭」開催の神社&寺院(2024年2月3日)
RELATED おすすめの関連記事
-
京都は数多くの名の知れた桜の名所や名刹がありますが、多くの観光客で大混雑してゆっくりとお花見ができま...
詳しく読む -
山科には、良縁・開運、恋愛成就を叶えてくれる社寺が集まっています。 日本で初めて「玉の輿」の語源と...
詳しく読む -
山科(やましな)は、三方を美しい緑の山に囲まれた盆地で、平安遷都以前のはるか昔、縄文・弥生時代から人...
詳しく読む -
通常非公開寺院が3~4月に日にち限定で特別拝観を実施琵琶湖疏水(山科疏水)の北側に佇む「安祥寺(あ...
詳しく読む
EVENTS おすすめのイベント
-
四季を通して愉しめる、美しい竹林の風景。そんな洛西の地で、”らくさいマルシェ”は誕生しました。 大...
詳しく読む -
令和6年度の曲水の宴の参観申し込みは終了しました。 城南宮の曲水の宴(きょくすいのうたげ)は奈良時...
詳しく読む -
秘仏の金色不動明王を期間限定で特別公開 京都洛北、大原の名刹・三千院では、お不動様さまの御縁日を中...
詳しく読む -
隠れた紅葉の名所として、知る人ぞ知る、西京の禅寺、葉室山 浄住寺(じょうじゅうじ)。黄檗宗のお寺なら...
詳しく読む