山科は京都駅からひと駅5分、直行バスで15分♪意外と近い隠れたお花見スポット

山科(やましな)は、三方を美しい緑の山に囲まれた盆地で、平安遷都以前のはるか昔、縄文・弥生時代から人が住み、文化の足跡を残してきた歴史浪漫あふれる地。
アクセスも良く、京都駅からJR京都線わずかひと駅(約5分)、三条京阪駅から地下鉄東西線で4駅(約9分)、京都駅から直行バスで15分と、市内中心部からアクセスが良く意外と近いお花見スポットが点在しています。
飛鳥時代「大化の改新(乙巳の変)」の主役として知られる藤原鎌足(中臣鎌足)が邸宅を建てた以降、山科は皇室や藤原氏をはじめとした貴族と深い関わりを持ち、室町時代には本願寺第8世法主蓮如により山科本願寺が建立され寺内町を形成、焼き打ちにあうまで本願寺派の本寺でもありました。
江戸時代には、赤穂事件の赤穂浪士四十七士の指導者であった赤穂藩筆頭家老の大石内蔵助(大石良雄)が、討入り前の約1年あまり隠棲していた「忠臣蔵」ゆかりの地としても知られています。
また、古来より東海道と奈良街道が合流する交通の要衝として栄え、明治時代には琵琶湖疏水(山科疏水)が開通し、舟運でも重要な役割を果たしました。現在もJR京都線と湖西線の分岐駅、地下鉄東西線、京阪電車大津線が通り、京都の東の玄関口として繁栄をみせています。
山科には、まだまだ広く知られていない桜の絶景スポットがたくさんあります。格式高い門跡寺院の堂宇を彩る桜、山科疏水沿いの桜並木、大石内蔵助ゆかりの社寺の桜などなど、今年の春は、京都市内中心部からすぐ行ける山科でお花見を楽しみませんか。
記事の最後に、山科観光PR動画「春の桜編」(YouTube)がありますので、ぜひご覧ください。特別な許可を得て撮影したドローンによる通常では見ることができない角度からの貴重な映像もあります。

毘沙門堂門跡~樹齢150年超♪しだれ桜「毘沙門しだれ」は圧巻~

写真提供(下2点)京都の桜写真

毘沙門堂(びしゃもんどう)は、天台宗五箇室門跡のひとつで、大宝三年(703年)文武天皇の勅願によって創建。寺名は七福神のひとつ毘沙門天を祀ることに由来しています。
当初は出雲路(現在の上京区)にあり、護法山出雲寺と称しましたが、たび重なる戦乱のなか、寛文5年(1665年)に山科に再建。後西天皇の皇子公弁法親王が入寺し門跡寺院となりました。
ご本尊の毘沙門天は伝教大師のご自作、延暦寺根本中堂のご本尊薬師如来の余材で刻まれたと伝えられています。
紅葉の名所として知られていますが、春の桜も見ごたえ充分です。毘沙門堂の桜の代表と言えば、宸殿の前に門跡寺院らしく優美に咲く「毘沙門しだれ」と呼ばれるしだれ桜。
寛文5年の再建時に植えられた桜は現在5代目で樹齢は約150年。枝張り約30m、樹高約10m、幹回り約2.3mの銘桜は「山科区民の誇りの木」にも指定されています。地元有志の「般若会」によりて手入れされていたことから「般若桜」とも、また「一目千両」とも呼ばれています。
JR東海「そうだ、京都に行こう。」の2000年春のキャンペーンポスターにも使用され、首都圏や東海地方の方々にも広く知られることになりました。境内は染井吉野、枝垂れ桜、八重、糸桜、御衣黄などで約80本以上もの桜があり、本堂、一切経蔵、勅使門などの堂宇を彩ります。

スポット情報

エリア名山科
スポット名毘沙門堂門跡
所在地京都市山科区安朱稲荷山町18
アクセスJR山科駅、地下鉄東西線山科駅、京阪大津線山科駅下車、徒歩約20分
※桜のシーズンには混雑により駐車いただけない場合がございます。極力公共交通機関にてご来山ください
拝観時間9:00~17:00(16:30受付終了)
※12月1日~2月末日は9:00~16:30(16:00受付終了)
拝観料大人:500円(2024年5月からは700円)、高校生:400円、小学生300円
TEL075-581-0328
URLhttps://www.bishamon.or.jp
Instagramhttps://www.instagram.com/bishamondo.monzeki/
Google Maphttps://goo.gl/maps/j4dD5zijTjNdA95z6

勧修寺~京都最古の庭園を借景とし観音堂を背に咲く桜~

写真提供(上下2点):京都の桜写真

勧修寺(かじゅうじ)は真言宗山階派の大本山。醍醐天皇が母である藤原胤子の菩提を弔うために創建。
皇室と藤原氏にゆかりの深い寺院で厚い庇護を受けて栄えましたが、たび重なる戦火で衰退し、江戸時代に徳川氏と皇室の援助により復興されてからは法親王が暮らす門跡寺院となりました。
「門跡寺院」とは皇室や公家の方が出家し住職を務める格式高い寺院で、本殿は霊元天皇より仮内侍所、書院と宸殿は明正天皇より旧殿を賜って造られたと伝わっています(建物内部は通常非公開)。
境内には「勧修寺氷池園」と呼ばれる平安時代に作庭された池泉回遊式庭園があり、京都で現存する最古の庭園と言われています。春は桜が終わると藤やツツジが咲き、初夏は杜若、花菖蒲、夏は睡蓮、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の美しさを見せてくれます。
宸殿前の樹齢約750年のヒノキ科の常緑低木「ハイビャクシン(這柏槇)」、徳川光圀の寄進の「勧修寺型灯籠」とも呼ばれる雪見灯籠も見ごたえがあります。
山門に続く参道の白壁沿いのソメイヨシノと枝垂れ桜の並木は薄紅色、濃紅色、白色のコントラストがとても素敵。“これぞ京都”と言った趣があります。

スポット情報

エリア名山科
スポット名勧修寺
所在地京都市山科区勧修寺仁王堂町27-6
アクセス地下鉄東西線小野駅下車、徒歩約7分
拝観時間9:00~16:00
拝観料大人:400円、小中学生:200円
TEL075-571-0048
Google Maphttps://goo.gl/maps/HhKEtA1d3Ry4cssM7

山科疏水~約4kmも続く疏水沿いの桜並木~

山科疏水とは明治23年(1890年)に完成した琵琶湖と京都を結ぶ人工の水路「琵琶湖疏水」の山科エリア(約4km)の名称です。山科疏水沿い、四ノ宮から日ノ岡までの続く約4kmの遊歩道には、染井吉野や山桜など約800本もの桜の木が植えられており、山科随一の桜の名所として知られています。
桜の満開の時期は、まるで“桜のトンネル”を通っているかのよう。散策路はアップダウンが無い歩行者専用道なので、ゆったりのんびりと歩くことができます。途中には休憩所やトイレもあり、お弁当を持ってウォーキングでのお花見にもオススメです。
山科疏水沿いには近隣住民や地元高校生の有志ボランティアにより菜の花も植えられており、桜のピンク色、菜の花の黄色とのコントラストも見どころのひとつ。期間限定で、大津から京都の蹴上までを巡る琵琶湖疏水船が運航されており、船上からの眺望も楽しむのはいかがですか。
※琵琶湖疏水船の詳細情報は下記のURLをクリックください
https://biwakososui.kyoto.travel/

スポット情報

エリア名山科
スポット名山科疏水(琵琶湖疏水)
所在地京都市山科区の山科疏水一帯(約4kmの遊歩道)
アクセスJR山科駅、地下鉄東西線山科駅、京阪大津線山科駅下車、徒歩約10分
URLhttps://biwakososui.city.kyoto.lg.jp/place/detail/10
Google Maphttps://goo.gl/maps/znrjo2DwXuKbh6Gp6

大石神社~御神木「大石桜」は雄大かつ優美~

写真提供(上3点):京都の桜写真

京都山科 大石神社は、赤穂事件(忠臣蔵)で有名な大石内蔵助(大石良雄)が隠棲し、居宅あった岩屋寺の北隣に佇む、大石内蔵助を祭神とする神社。
創建は昭和初期に赤穂浪士を熱心に崇拝していた浪曲師の吉田大和之丞(2代目吉田奈良丸)が、大石内蔵助ゆかりの地に神社を創建することを計画、全国の崇敬者の募金により昭和10年(1935年)社殿が竣工されました。主君の仇討ちという大願を果たしたことにちなみ「大願成就」の信仰を集めています。
宝物殿には、討ち入りの様子を描いた「四十七士図屏風」などの赤穂四十七義士ゆかりの品や大石内蔵助直筆の書などが展示されています。摂社の義人社には討ち入りのための武器調達に貢献した堺の商人・天野屋利兵衛を祀っています。
大石神社のランドマーク的な桜は「大石桜」と呼ばれる樹高9.5mもの御神木の枝垂桜。「山科区民誇りの木」にも指定されている銘桜はソメイヨシノの開花よりひと足早く咲くのが特徴。
地面に届くほどに枝を垂れ、たわわに花を咲かせます。鳥居越しから眺める大石桜は雄大かつ優美な姿で、大石内蔵助を彷彿とさせてくれます。
例年、満開の時期にあわせて「さくら祭」が開催されお茶席が設けられ、ライトアップも行われます。京都駅(八条口)から大石神社へは京阪バスの直行バス(京都醍醐寺ライン)で最寄のバス停(大石神社)には約15分で到着します。

スポット情報

エリア名山科
スポット名大石神社
所在地京都市山科区西野山桜ノ馬場町116
アクセスJR京都駅から京阪バス(京都醍醐寺ライン)醍醐寺行き、JR山科駅前から京阪バス29番大宅行き、また四条京阪から京阪バス醍醐ターミナル行き乗車、大石神社下車徒歩5分
拝観時間9:00~16:00
拝観料境内自由(宝物館無料)
TEL075-581-5645
URLhttps://ooishijinja.com
Google Maphttps://goo.gl/maps/V3nhdSHyKBLk5EkAA

岩屋寺~大石内蔵助隠遁の地、別名「大石寺」に咲く桜~

写真提供:京都の桜写真

岩屋寺(いわやじ)は山科盆地が一望の高台に佇む寺院。平安時代に山科神社の神宮寺として創建され、元は天台宗であったが曹洞宗に改宗。
江戸時代に赤穂事件(忠臣蔵)にて、大石内蔵助(大石良雄)が吉良邸討ち入り前に隠棲した地として伝えられ、別名「大石寺」とも呼ばれています。本堂の本尊の周りには四十七士の位牌が並べられ、大石内蔵助(大石良雄)が使用した文机や鍵付き貴重品箱などの遺品が保管、展示されています。
北隣には、大石内蔵助をはじめ赤穂浪士を祀る大石神社があり、ともに桜の名所として知られています。
参道入口と山門脇には大ぶりな枝張りの枝垂れ桜が、まるで参拝者を出迎えるように聳えています。山門を額縁に見立てた枝垂れ桜は、まるで一服の絵画をみているかのようです。参道沿いには多くのソメイヨシノが植えてあり、桜越しの山科盆地と桜が織りなす絶景が楽しめます。

スポット情報

エリア名山科
スポット名岩屋寺
所在地山科区西野山桜ノ馬場町96
アクセスJR京都駅から京阪バス(京都醍醐寺ライン)醍醐寺行き、JR山科駅前から京阪バス29番大宅行き、また四条京阪から京阪バス醍醐ターミナル行き乗車、大石神社下車徒歩8分
拝観時間9:00~16:30
拝観料大人:400円
TEL075-581-4052
Google Maphttps://goo.gl/maps/BhfvmZ1a3XcdRuFa6

花山稲荷神社~大石内蔵助 討ち入り必勝祈願の神社「おゆき桜」~

花山(かざん)稲荷神社は醍醐天皇の勅命により創建と伝えられる古社、ご祭神は宇迦之御魂大神(うがのみたまのおおかみ)、神大市比売大神(かむおおいちひめのおおかみ)、大土之御祖大神(おおつちのみおやのおおかみ)の三神。
古くは西山稲荷と呼びばれていましたが「花山」の社号の由来は、御神詠からとも、厚く御崇敬になった花山天皇の御名にちなんだとも、旧地名・花山によるものとも伝わっています。拝殿の右側に「稲荷塚」と呼ばれる古墳があり「花山稲荷神社」とも称されています。
稲荷塚は平安時代、三条小鍛冶宗近(さんじょうこかじむねちか)が、稲荷大神の神徳により、名刀「小狐丸(こぎつねまる)」を鍛えたところと伝えられています。近年は刀剣ファンに人気の神社です。
岩屋寺あたりに隠棲していた大石内蔵助がこの神社で必勝祈願をし、討ち入りに成功したことで大願成就の神社として知られています。境内には大石内蔵助寄進と伝わる鳥居、断食石、血判石などが残っています。
参道にはソメイヨシノ、山桜、里桜、枝垂れ桜、八重紅枝垂桜が植えられてており、地元の人だけしか知らない隠れた桜の名所です。枝垂れ桜は、御所に沢山落ちていた種を西野山の“おゆきさん”という人が拾って大事に苗を育て、寄贈植樹した ものでいつの頃からか「おゆき桜」と呼ばれ人々に愛されています。

スポット情報

エリア名山科
スポット名花山稲荷神社
所在地京都市山科区西野山欠ノ上町65
アクセス地下鉄東西線小野駅から京阪バス四条河原町行き、山科駅から京阪バス大宅行き乗車、花山稲荷下車徒歩3分、地下鉄東西線椥辻駅下車徒歩20分
拝観時間境内自由
TEL075-581-0329
URLhttps://kwazan-inari.jp/history/
Google Maphttps://goo.gl/maps/NG4A4YzQnXYSmHXS7

岩屋神社~京都屈指♥恋愛成就のパワースポット~

岩屋神社は山科一之宮で、天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)、栲幡千々姫命(たくはたちぢひめのみこと)の夫婦二柱と、その皇子・饒速日命(にぎはやひのみこと)の親子三柱を祭神とし、仁徳天皇31年(343年)に本殿背後の岩屋殿と呼ばれる陰陽2つの巨岩を磐座として祀ったのが創建と伝えられている古社です。
奥の院に鎮座する陰陽の2つの巨岩に、男性は陰岩から、女性は陽岩から参拝すれば、理想の恋人が見つかる「恋愛成就のパワースポット」として、SNSで若い男女に人気話題です。境内の鳥居を彩るようにソメイヨシノが咲いています。

スポット情報

エリア名山科
スポット名岩屋神社
所在地京都市山科区大宅中小路町67
アクセス山科駅から京阪バス大宅行き乗車、大宅下車徒歩10分、地下鉄東西線椥辻駅下車徒歩20分
拝観時間境内自由
TEL075-571-0833
URLhttps://www.iwayanomori.org/shrine/index.html
Google Maphttps://goo.gl/maps/moKBBjfruDoRmhgPA

山科観光PR動画「おこしやす京都山科へ~春の桜編~」

特定非営利活動法人おこしやす“やましな”協議会が、“もっと知ってほしい”山科の魅力を発信する山科観光PR動画「春の桜編」の動画です。
普段は見ることができない角度から、山科の桜スポットをドローンで上空から撮影した大迫力の映像をご覧ください。
動画に収録されている寺院・スポットは、①山科疏水沿いの桜並木、②毘沙門堂、忠臣蔵で名高い大石内蔵助ゆかり③岩屋神社、④大石神社、藤原氏ゆかりの⑤勧修寺、京都最強のパワースポットとも称される⑥岩屋神社の6か所です。
今春は、まちなかの喧騒を離れて、とっておきの桜めぐりができる山科へ、ぜひお越しください。

【おこしやす“やましな”協議会】
京都・山科の観光情報やまちの魅力を発信し、観光客を誘致するための事業を行い、山科の賑わいと活気を創出し、産業、商業、地域コミュニティの発展をはじめとするまちづくりに寄与することを目的に平成18年に設立したNPO法人で、山科経済同友会に加入している企業、寺社を主な構成員とする団体です。


(掲載日:2024年2月28日 情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局