京都京北 弁財天宮♪杉木立の中に佇むパワースポット(京北栃本町)

弁財天宮(辨財天宮)は、京都市右京区京北の宇津地区栃本(とちもと)集落に佇む小さなお社。
弁財宮は栃本集落の弁天芝と呼ばれる杉木立の中に鎮座しています。伝えられるところによれば、平安時代の治承年間(1177~1184年)、後白河上皇の近臣であり、荘園・宇都庄(宇津庄)の領主であった藤原成親(ふじわらのなりちか)が平家打倒の密儀(鹿ケ谷の陰謀)に加わり、子の成経(なりつね)ともに流罪となった。
鬼界ヶ島に流された成経は、安芸国の厳島神社の弁財天に帰京を祈願、舅の平敦盛の嘆願と中宮徳子の安産祈願の大赦が出され京へ戻ることが許されました。
帰京を許されたお礼に、自ら弁財天を彫り宇津の地に祀ったのがはじまりとされています。

ご祭神と本殿

ご祭神は市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)で本殿内に半身大の弁財天像をお祀りし、傍らには大黒天像と毘沙門天像が安置されています。
覆屋の社殿は江戸時代の享保4年(1719年)に再建されたもので、蟇股(かえるまた)や木鼻(きばな)には精巧な彫刻が施されています。

 杉木立に凛と佇む社殿にパワーを感じる

参道の両側、本殿の周辺一帯は全て天高く伸びる北山杉の木立に囲まれており、境内全体が神秘的な空気に包まれています。
人知を越えた不可思議な弁財天の「霊力」を感じずにはいられない空間です。
【京北宇津地区について】
京北の宇津地区は、桂川の上流部である上桂川沿いに拓けた集落で、山間にありながらも積雪が少なく、過ごしやすい温暖な気候の地。
新石器時代から人々が住み、平安時代以降、京都と日本海を結ぶ道の交易箇所として、上桂川の木材の筏流しの中継点、鮎漁で栄えてました。
現在では、京北十景に選ばれる「宇津峡」の雄大な景色一望の宇津峡公園が整備され、バーベキューやキャンプ、川遊びを楽しむ家族連れやグループで賑わっています。

まだまだある♪京北のパワースポット2選

京北に訪れたなら、白山神社とあわせて参拝したいのが、京北の山国地区中江集落にある「賀茂神社」と細野地区余野集落にある「九頭神社」です。
賀茂神社は近年、Youtubeで紹介され「京都のパワースポット」として一躍全国的に話題となりました。
九頭神社は辰年の龍神様ゆかりのパワースポットとして一躍脚光を浴びています。
創建年等の由緒は不明ですが、山国郷五社明神の三の宮に数えられ、一の宮である山国神社の由緒には「三条天皇の長和五年(1016年)正一位を贈られ御祈祷所(五社明神建立)となる」と記され、少なくとも千年以上の歴史を誇る古社です。
林道の杉木立の中に突如、賀茂神社の鳥居と参道が現れます。なだらかな斜面には一直線に続く参道、その両脇には整然とした杉林がどこまでも広がります。鬱蒼とした杉木立は緑色と灰色の2色で支配され、参道を中心にしたシンメトリーな風景は神秘的な力を感じずにはいられません。
まるで異次元の空間に迷い込んだかのような錯覚に陥ってしまいます。

覆屋の中には、賀茂神社・熊野神社・貴船神社・稲荷神社の四社が祀られています、右と左の社殿は同じ大きさの造りで、向かって左の社殿が賀茂神社で「賀茂別雷(かもわけいかづち)」が御祭神です。右の社殿は熊野神社と貴船神社が合祀されています。中央の小さな社殿は稲荷神社です。
(googleマップ)
https://maps.app.goo.gl/4CaqLScvo65WCahh7

九頭神社(くずじんじゃ)は、京都市右京区京北の細野地区の余野集落の杉木立の中に静かに佇む小さな社。御祭神は九頭大明神で、創建年は不詳ですが、江戸時代の享保4年(1719年)に吉田社の卜部兼敬から、神社の最高位の神位である正一位の宣旨を受けている格式の高い神社です。
鳥居前に高く聳える二本の杉の巨木が神々しく、九頭大明神を御守りしているかのようです。雄大な自然のパワーを感じられずにはいられません。
九頭龍はその名の通り、9つの頭を持つ龍神で八大龍王の中で最も神格が高く「諸龍の王」とされています。水を司る神で、雨乞いや水難除け、金運守護の御利益があるとされています。
神八大龍王とは法華経に登場し、仏教を守護する天龍八部衆に所属する龍族の8人の王(※)のことです。
難陀(なんだ)、跋難陀(ばつなんだ)、娑伽羅(しゃがら)、和修吉(わしゅきつ)、徳叉迦(とくしゃか)、阿那婆達多(あなばだった)、摩那斯(まなし)、優鉢羅(うはつら)の各龍王

覆屋に収められている本殿は、安永7年(1778年)の造営。大工棟梁は余野村の市瀬伊兵衛、福井源蔵、坂口紋次郎の3名、木挽も余野村の忠次郎で、胆煎(世話人)は、若狭国大飯郡日置村の市瀬清右衛門が務めました。高欄の擬宝珠は鋳物師の村田國久が製作しています。
棟札や設計図である板絵図などとともに保存状態は良好で、京都市の登録有形文化財に指定されています。
建物は杮葺きの一間社流造で、内部は前後二室に分かれ、屋根の正面に軒唐破風と千鳥破風を付け、縁の下を組物で飾るなど、豪華な造りになっています。装飾彫刻も、龍・麒麟・獅子など多種にわたり見応えがあります。
(googleマップ)
https://maps.app.goo.gl/nAb6Ki65eSD49fRu5

スポット情報

エリア名京北
スポット名辨財天宮
所在地京都市右京区京北栃本町打田
アクセス京都駅・阪急大宮駅・二条駅より西日本JRバス周山行き乗車、終点の周山で京北ふるさとバス宇津線に乗換、栃本下車、徒歩8分
※京北ふるさとバスは本数が極めて少ないので、事前に時刻表を必ずご確認ください
https://fuw.jp/files/files20240718141929.pdf
拝観料境内自由

(情報提供:京都市北部山間かがやき隊員京北担当)