京北 九頭神社~二本の杉の巨木で護られる九頭大明神~

京都の知る人ぞ知る龍神様のパワースポット

九頭神社(くずじんじゃ)は、京都市右京区京北の細野地区の余野集落の杉木立の中に静かに佇む小さな社。御祭神は九頭大明神で、創建年は不詳ですが、江戸時代の享保4年(1719年)に吉田社の卜部兼敬から、神社の最高位の神位である正一位の宣旨を受けている格式の高い神社です。
鳥居前に高く聳える二本の杉の巨木が神々しく、九頭大明神を御守りしているかのようです。雄大な自然のパワーを感じられずにはいられません。
九頭龍はその名の通り、9つの頭を持つ龍神で八大龍王の中で最も神格が高く「諸龍の王」とされています。水を司る神で、雨乞いや水難除け、金運守護の御利益があるとされています。
神八大龍王とは法華経に登場し、仏教を守護する天龍八部衆に所属する龍族の8人の王(※)のことです。

難陀(なんだ)、跋難陀(ばつなんだ)、娑伽羅(しゃがら)、和修吉(わしゅきつ)、徳叉迦(とくしゃか)、阿那婆達多(あなばだった)、摩那斯(まなし)、優鉢羅(うはつら)の各龍王

本殿は京都市の登録有形文化財

覆屋に収められている本殿は、安永7年(1778年)の造営。大工棟梁は余野村の市瀬伊兵衛、福井源蔵、坂口紋次郎の3名、木挽も余野村の忠次郎で、胆煎(世話人)は、若狭国大飯郡日置村の市瀬清右衛門が務めました。高欄の擬宝珠は鋳物師の村田國久が製作しています。
棟札や設計図である板絵図などとともに保存状態は良好で、京都市の登録有形文化財に指定されています。
建物は杮葺きの一間社流造で、内部は前後二室に分かれ、屋根の正面に軒唐破風と千鳥破風を付け、縁の下を組物で飾るなど、豪華な造りになっています。装飾彫刻も、龍・麒麟・獅子など多種にわたり見応えがあります。

京北もうひとつのパワースポット「賀茂神社」

京北に訪れたなら、九頭神社とあわせて参拝したいのが、京北の山国地区中江集落にある「賀茂神社」です。近年、Youtubeで紹介され「京都のパワースポット」として一躍全国的に話題となりました。
創建年等の由緒は不明ですが、山国郷五社明神の三の宮に数えられ、一の宮である山国神社の由緒には「三条天皇の長和五年(1016年)正一位を贈られ御祈祷所(五社明神建立)となる」と記され、少なくとも千年以上の歴史を誇る古社です。
林道の杉木立の中に突如、賀茂神社の鳥居と参道が現れます。なだらかな斜面には一直線に続く参道、その両脇には整然とした杉林がどこまでも広がります。鬱蒼とした杉木立は緑色と灰色の2色で支配され、参道を中心にしたシンメトリーな風景は神秘的な力を感じずにはいられません。
まるで異次元の空間に迷い込んだかのような錯覚に陥ってしまいます。

覆屋の中には、賀茂神社・熊野神社・貴船神社・稲荷神社の四社が祀られています、右と左の社殿は同じ大きさの造りで、向かって左の社殿が賀茂神社で「賀茂別雷(かもわけいかづち)」が御祭神です。右の社殿は熊野神社と貴船神社が合祀されています。中央の小さな社殿は稲荷神社です。
(googleマップ)
https://maps.app.goo.gl/4CaqLScvo65WCahh7

スポット情報

エリア名京北
スポット名九頭神社
所在地京都市右京区京北細野町北谷17
アクセス京都駅・阪急大宮駅・二条駅より西日本JRバス周山行き乗車、滝ノ町下車のうえ、京北ふるさとバス細野線に乗換、余野公民館前下車、徒歩5分。滝ノ町バス停から徒歩約45分(3km)
※京北ふるさとバスは本数が極めて少ないので、事前に時刻表を必ずご確認ください
https://fuw.jp/files/furusatobus/files20220328132838.pdf
拝観料境内自由
URLhttps://kyoto-keihoku.jp/area/hosono/7014/

(掲載日:2023年12月18日 情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局