とっておきの紅葉“穴場”スポット
~大原編~“癒しの里”をのんびりウォーキングで紅葉めぐり

ブラタモリ「京都・大原~なぜ大原は“癒やしの里”になった?~」が放送され、“癒やしの里”として、注目度がより一層アップした京都大原。いにしえより多くの人に安らぎを与えてきた癒やしの里・大原に人々は何故、癒やされに来るのか?その秘密は、どこか懐かしい、のどかな日本の原風景と周囲の山々の豊かな自然、点在する歴史あふれる寺院、高野川の水と「小野霞」(おのがすみ)と呼ばれる朝霧が生み出す豊かな食材にあります。
大原の里は、京都市左京区の北東部、比叡山の北西麓に位置する四方を山々に囲まれた盆地で、日本海の若狭から京都に海産物を運ぶ「鯖街道(若狭街道)」の中継地点でもあった地。鴨川の支流、高野川の清冽な流れが里を潤しています。京都市内からわずか約30分の場所にもかかわらず、田園風景が残り、ホタルが舞う清流や四季折々に美しい花々が咲き、食材の宝庫として、心癒やされる自然豊かな地です。
京都駅からでも地下鉄とバスを乗り継げば約40分、都会の喧騒に疲れたら少しだけ足を延ばすだけで辿り着ける場所。そんな大原の里でこの秋は、紅葉を愛でながら山里を散策し、心身ともに癒されてみませんか。市内中心部より山あいにあり、紅葉の見頃は例年11月初旬がら色付き始め、11月中旬に見頃を迎えます。

大原三千院~杉苔と紅葉が織りなすコントラスト美の庭園で癒される~

京都大原三千院はデューク・エイセスの1966年(昭和41年)のヒット曲「女ひとり」で一躍脚光を浴びた大原の里を代表する古刹。山号は魚山(ぎょざん)といい、天台宗の寺院で、天台宗五箇室門跡のひとつでもあります。門跡(もんぜき)とは皇室一門や公家の方が出家して住職を務める寺院で、皇室と関わりのある格式高い寺院とされています。由緒は、伝教大師・最澄が比叡山東塔南谷(とうとうみなみだに)の山梨の大木の下に一宇を構えたことに始まり、慈覚大師円仁に引き継がれ、最雲法親王入室により、平安後期以降、皇子皇族が住持する宮門跡となりました。
三千院の代表的な風景と言えば宸殿前の池泉回遊式庭園「有清園(ゆうせいえん)」。青々とした苔と杉木立の庭に往生極楽院(重要文化財)が建ち、内陣には阿弥陀如来、観世音菩薩、勢至菩薩の阿弥陀三尊像(国宝)が安置されています。春は石楠花(シャクナゲ)、夏は青もみじ、冬は雪景色に彩られそれぞれに美しい風景をみせてくれますが、何と言っても秋の紅葉の時期が白眉。杉苔の緑と、カエデの紅葉が織りなす緑色や赤色、橙色のコントラストは、都会の喧騒を忘れさせてくれる、身も心も洗われるような美しさです。
紅葉の時期にあわせ、2022年10月28日(金)~11月28日(月)まで『もみじ祭り』が開催されます。期間中、秘仏のお不動様「秘仏出世金色不動尊」が御開扉されます。

スポット情報

エリア名大原
スポット名三千院
所在地京都市左京区大原来迎院町540
アクセスJR京都駅から京都バス17号系統大原行、四条河原町(京都河原町駅)、三条京阪(京阪三条駅)から京都バス16・17号系統大原行、地下鉄国際会館駅から京都バス19系統大原行乗車、大原バス停下車徒歩約10分
拝観時間9:00~17:00(11月:8:30~17:00、12月~2月:9:00~16:30)
拝観料大人:700円、中学生・高校生:400円、小学生:150円
TEL075-744-2531
URLhttp://www.sanzenin.or.jp
Facebookhttps://www.facebook.com/kyotooharasanzenin/


寂光院~平徳子(建礼門院)ゆかりの寺院は「しば漬け」発祥の地~

寂光院は飛鳥時代の推古2年(594年)に聖徳太子が父・用明天皇の菩提を弔うために建立されたと伝えられる天台宗の尼寺。初代住持は聖徳太子の御乳人であった玉照(たまてるひめ)で、日本仏教最初の三比丘尼の御一人で慧善比丘尼と呼ばれています。その後、代々高貴な家門の姫君らが住持となり法燈を守り続けています。
第3代の平徳子・建礼門院(平清盛息女・高倉天皇中宮・安徳天皇母)は、文治元年(1185年)に入寺し真如覚比丘尼と称されました。源平の合戦に敗れた後、壇ノ浦で滅亡した平家一門と入水し8歳の幼さで亡くなった、わが子安徳天皇の菩提を弔うため、終生をこの地で過ごしました。
平家物語の終盤、後白河法皇が建礼門院を訪ねた「灌頂巻(かんじょうのまき) 大原御幸(おおはらごこう)」では、寂光院の庭園や千年姫小松が描かれています。お寺の一角には建礼門院が過ごした御庵室跡が残っています。また、大原名物の「しば漬け」は、寂光院にご閑居されていた建礼門院に里人が夏野菜を漬け込み献上したところ、その美味しさにお喜びになられ「紫葉漬(しばづけ)」と命名されたと伝わっており、しば漬け発祥の地とされています。
10月下旬から11月下旬の土曜、日曜には『旧本尊「六万体地蔵菩薩」秋の特別公開』が行われます。旧本尊は火災で大きく焼損しましたが、像内の納入品がほぼ無傷であったことなどから、現在も重要文化財の指定を継続しています。秋の紅葉に堂宇が彩られる時期に実施されますので是非ご参拝ください。

スポット情報

エリア名大原
スポット名寂光院
所在地京都市左京区大原草生町676
アクセスJR京都駅から京都バス17号系統大原行、四条河原町(京都河原町駅)、三条京阪(京阪三条駅)から京都バス16・17号系統大原行、地下鉄国際会館駅から京都バス19系統大原行乗車、大原バス停から徒歩約15分
拝観時間9:00~16:00
拝観料通常拝観志納金:大人・高校生:600円、中学生:350円、小学生:100円
旧本尊「六万体地蔵菩薩」秋の特別公開志納金:300円(大人・小人同額/団体割引等はなし)
※秋の特別公開通常拝観は別途、通常拝観志納金が必要です。
TEL075-744-3341
URLhttps://www.jakkoin.jp
Twitterhttps://twitter.com/jakkouin


宝泉院~額縁庭園のお寺「額縁寺」とも呼ばれるまるで一服の絵画のような風景~

宝泉院(ほうせんいん)は天台宗の仏教が栄えた大原の中心的道場である勝林院(大原寺)の僧坊として約800年前よりあった古刹。山門をくぐると宝泉院のシンボルである樹齢約700年の近江富士をかたどった天然記念物の五葉の松が参拝者を出迎えてくれます。書院は江戸時代前期に再建され、廊下の天井は伏見城の遺構で伏見城中で自決した徳川の武将達の供養のため、自決の場の床を天井にした「血天井」として知られてます。書院に敷かれている緋毛氈に座り眺める庭園は、池の形が鶴、築山が亀、山茶花の古木を蓬莱山とみたてた「鶴亀庭園」と客殿の西方を柱と柱の空間を額に見立てて鑑賞する額縁庭園「盤桓園」があり、書院からの眺めはまるで一服の絵画を鑑賞しているような美しさです。拝観時には抹茶とオリジナル和菓子のおもてなしがあり、美しいお庭を眺めながら一服できます。

スポット情報

エリア名大原
スポット名宝泉院
所在地京都市左京区大原勝林院町187
アクセスJR京都駅から京都バス17号系統大原行、四条河原町(京都河原町駅)、三条京阪(京阪三条駅)から京都バス16・17号系統大原行、地下鉄国際会館駅から京都バス19系統大原行乗車、大原バス停下車徒歩約10分
拝観時間9:00~17:00
拝観料大人:800円、中・高生:700円、小学生:600円 ※お抹茶、オリジナルのお菓子付
TEL075-744-2409
URLhttp://www.hosenin.net


勝林院~仏教音楽である「天台声明」の聖地~

正式には魚山大原寺勝林院(ぎょざんだいげんじしょうりんいん)といい、仏教音楽である声明(しょうみょう)の聖地として知られる音楽のお寺、平安時代の長和2年(1013年)に僧・寂源(じゃくげん)により声明による念仏修行の道場として創建され、以来天台声明の聖地として発展してきました。後に、来迎院が創建されると、二つの本堂を中心として多くの僧坊が建立され、僧侶が声明の研究研鑽をする拠点となりました。浄土宗の祖である法然上人を招き、天台宗、真言宗、法相宗、華厳宗、禅宗などの学者たち380余人と行われた、念仏についての論争「大原問答」が行われたことでも知られており「問答寺」、「証拠堂」とも呼ばれています。火災や水害のたびに再建され、現在の堂宇は江戸時代の安永7年(1778年)に再建されました。幅七間・奥行六間の総欅(けやき)造りで屋根は木の板を重ねて葺いた杮葺(こけらぶき)。欄間や蛙股などに彫り込まれた立体的な彫刻は当時の木彫技術の素晴らしさを今に伝えています。境内入口にある鐘楼は、寛永年間に江戸幕府三代将軍・徳川家光の乳母であった春日局の寄進により再建されたもので、梵鐘は、平安時代中期の作で、国の重要文化財に指定されています。

スポット情報

エリア名大原
スポット名勝林院
所在地京都市左京区大原勝林院町187
アクセスJR京都駅から京都バス17号系統大原行、四条河原町(京都河原町駅)、三条京阪(京阪三条駅)から京都バス16・17号系統大原行、地下鉄国際会館駅から京都バス19系統大原行乗車、大原バス停下車徒歩約10分
拝観時間9:00~17:00(16:30受付終了)
拝観料大人:300円
TEL075-744-2409(宝泉院/令和5年3月31日まで管理)
URLhttps://www.shourinin.com
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Twitterhttps://twitter.com/shourinin


実光院~紅葉と秋に咲く桜「不断桜」が同時に楽しめる♪贅沢な秋の休日~

実光院(じっこういん)は、天台声明の聖地である天台宗魚山大原寺勝林院の子院。庭園は心字池を中心にした池泉観賞式の「契心園」と、散策することができる池泉廻遊式の「旧理覚院庭園」の2つがあり、約120種もの山野草が四季折々に花を咲かせ庭を飾ります。10月中頃より咲き始め、翌年4月まで咲く不断桜(ふだんざくら)は必見。11月には紅葉と桜を同時に楽しむことができます。拝観料には抹茶と茶菓子付の設定もあり、美しいお庭を眺めながら一服も可能です。

スポット情報

エリア名大原
スポット名実光院
所在地京都市左京区大原勝林院町187
アクセスJR京都駅から京都バス17号系統大原行、四条河原町(京都河原町駅)、三条京阪(京阪三条駅)から京都バス16・17号系統大原行、地下鉄国際会館駅から京都バス19系統大原行乗車、大原バス停下車徒歩約10分
拝観時間9:00~16:00(季節により変更有り)※茶席受付時間は15:00まで
拝観料大人(中学生以上):500円(茶菓付800円)、小人:300円(茶菓付600円)
TEL075-744-2537
URLhttps://jikkoin.com


※写真提供(下2点):京都フリー写真素材

古知谷 阿弥陀寺~知る人ぞ知る大原随一の「紅葉の隠れ寺」~

光明山法国院阿弥陀寺(こうみょうさん ほうこくいん あみだじ)といい、通称「古知谷 阿弥陀寺」(こちだにあみだじ)と呼ばれています。大原の里のなかでも山深い地にある、知る人ぞ知る「紅葉の隠れ寺」。江戸時代・慶長4年(1609年)に弾誓(たんぜい)上人が開山した如法念佛堂道場。
本堂には「植髪の像」と呼ばれる、弾誓上人の自作自像植髪の尊像(自らの髪を植えた自作の像)が安置され、現在もこの植髪は両耳の近くにすこし残っています。右脇には鎌倉時代作の阿弥陀如来坐像(国の重要文化財指定)が安置されています。
古知谷 阿弥陀寺江戸時代からすでに紅葉の名所として知られていたそうで、参道には京都市の天然記念物にも指定されている樹齢800年以上の「古知谷カエデ」の木をはじめ、300本以上のカエデの木があり、赤く色付く光景は大原の里の随一の絶景とも。
本堂の背後には、弾誓上人が入定される1年前に当時修行中の僧らに頼んで掘らせた巌窟があり、弾誓上人が石龕に生きながら入られ「ミイラ佛」となられた上人のミイラが端座合掌の姿勢で安置されています。皇族諸家とご縁故が深く、各宮家から尊牌のご奉納、閑院宮、有栖川宮ご両家からはご祈願所のご沙汰をいただいています。宝物殿には各宮家から下賜された品々を陳列しています。

スポット情報

エリア名大原
スポット名古知谷 阿弥陀寺
所在地京都市左京区大原古知平町83
アクセスJR京都駅から京都バス17号系統大原行、四条河原町(京都河原町駅)、三条京阪(京阪三条駅)から京都バス16・17号系統大原行、地下鉄国際会館駅から京都バス19系統大原行乗車、大原で小出石行に乗車、古知谷下車徒歩約15分
※朝夕のみ国際会館駅前発の小出石行便あり
拝観時間9:00~16:00(1月・2月は閉門)
拝観料400円
TEL075-744-2048
URLhttps://kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net/detail/5649/

(掲載日:2022年10月13日 情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局