石清水八幡宮 水無月(夏越)の大祓 茅の輪くぐり(京都八幡市)
石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)は、通称「やわたのはちまんさん」と親しまれている日本三大八幡宮のひとつに数えられている神社。
京都の裏鬼門(西南の方角)にあり、鬼門(東北の方角)にある比叡山延暦寺とともに都の守護、国家鎮護の社として篤い信仰を集めています。
石清水八幡宮では、1年の折り返しとなる6月の晦日に半年間のうちについた罪穢れを人形(ひとかた)に移してぬぐい清める神事「水無月(夏越)の大祓」が行われます。
6月15日(日)から30日(月)の期間、南総門前に大きな「茅の輪」が設置され、半年間の汚れを祓い無病息災を祈願する「茅の輪くぐり」をいただけます。
■茅の輪設置期間:2025年6月15日(日)~30日(月)
■設置場所:石清水八幡宮 南総門前
■水無月大祓(夏越大祓)神事:6月30日(月)15時より
※半年間のうちについた「罪・けがれ」を人形(ひとがた、初穂料1枚1,000円)に移して祓い清めるのが大祓神事です。
6月30日まで、神事へのお申し込みおふだ・お守り授与所にてを受け付けています。
<茅の輪くぐりの由来>
茅の輪くぐりは「夏越の祓」にて茅の輪をくぐって罪や穢れを落とす祓の行事です。茅の輪は、茅(ちがや)という、イネ科の植物を編み作られた人の背丈よりも大きい輪のことです。スサノオノミコトの神話に由来すると言われています。
神代の昔、蘇民将来(そみんしょうらい)と巨旦将来(こたんしょうらい)という兄弟がおり、兄の蘇民将来はとても貧しく、弟の巨旦将来はとても裕福でした。
ある日、素盞嗚尊(すさのおのみこと)が、旅の途中に巨旦将来に一夜の宿を求めたところ、冷たく断りました。一方、蘇民将来は、貧しいながらも、快く宿と食事の提供をしました。
翌朝、お礼として蘇民将来に茅の輪を与え「腰に付けておれば、疫病から免れることができるであろう」と言い残して旅立ちました。その数年後、疫病が流行した時に、巨旦将来の一族は疫病で滅んでしまいましたが、蘇民将来の一族は疫病から逃れて繁栄し、子孫も栄えたと伝えられています。
時代が流れ、腰に茅の輪をつけるものから、茅の輪をくぐるものに変化したとされています。
○茅の輪のくぐり方
(1)正面にて一礼。茅の輪をくぐり左へ回ります
(2)正面に至り一礼、茅の輪をくぐり右へ回ります
(3)正面に至り一礼、茅の輪をくぐり左へ回ります
(4)正面に至り一礼、もう一度くぐり、そのまま社殿へ進み御参拝ください
「水無月の なごしの祓する人は ちとせの命 のぶといふなり」という和歌を唱えながら、左まわり・右まわり・左まわりと八の字を描くように3回くぐり抜けます。
この和歌は、三代集(さんだいしゅう)のひとつ「拾遺和歌集」に選ばれた歌です。三代集とは「古今和歌集」、「後撰和歌集」、「拾遺和歌集」の3勅撰和歌集の総称です。
石清水八幡宮社ご由緒
石清水八幡宮は、日本で伊勢神宮に次ぐ重要な神社と位置付けられてきました。八幡大神(はちまんおおかみ)=八幡神が、天皇の祖先と考えられていることによります。
八幡神は、京の都と国家を護る神として、平安時代以来、朝廷や時の権力者から厚く信仰されてきましたが、鎌倉時代以降は庶民にも八幡信仰が広がり、日本で最も広く信仰された神といわれています。
創建の由来は、平安時代の貞観元年(859年)、奈良大安寺の僧であった行教が、宇佐八幡宮に参詣したところ、八幡神から「吾れ都近き男山の峯に移座して国家を鎮護せん」と託宣を受、男山に勧請したのが石清水八幡宮のはじまりです。
男山に八幡神を遷した行教は、朝廷に報告し、翌年に清和天皇の命により社殿が造営されたと伝えられています。
平将門・藤原純友の乱の折には、朝廷よりご請願があり、八幡大神様の御神威をもって速やかに平定されて以来、国家鎮護の社として皇室の御崇敬は益々厚いものとなり、天皇の行幸や上皇の御幸は、円融天皇の行幸以来、240余度にも及び、伊勢の神宮と共に二所宗廟とも称されました。
清和天皇の嫡流である源氏一門は、八幡大神様を氏神として尊崇し、源義家は石清水八幡宮で元服し自らを「八幡太郎義家」と名乗っていました。
以来、国家鎮護、厄除開運、必勝・弓矢の神として時代を超えて人々の篤い信仰を受けてきました。
平成27年(2015年)10月16日の文化審議会において、古代に成立した荘厳な社殿形式を保持しつつ、近世的な装飾を兼備した完成度の高い神社建築として、高い価値を有していることが、評価され国宝に指定されました。
現在の社殿は徳川三代将軍家光の造替によるもので、日本三大八幡宮(※)のひとつに数えられており、伊勢神宮と共に二所宗廟。現存する八幡造の本殿の中で最古かつ最大規模です。
※宇佐神宮、石清水八幡宮、筥崎宮の三社、なお、筥崎八幡宮に代えて鶴岡八幡宮を加える説もあり
石清水八幡宮アクセス
石清水八幡宮へのアクセスは2通りあります。ひとつは徒歩、もうひとつはケーブルカー利用。徒歩で行く場合には、表参道と裏参道の2つのルートがあり、二ノ鳥居の手前で分かれています。
表参道は、緩やかな坂道と石段で石清水八幡宮駅から徒歩約40分です。
裏参道は急峻な坂道が続きますが、約30分で到着します。
ケーブルカー利用の場合は、八幡宮口駅から八幡宮山上駅まで3分、下車徒歩約10分です。
おすすめは断然ケーブルカーです。八幡宮口駅は京阪電車の石清水八幡宮駅からスグの場所です。
京阪特急と石清水八幡宮
京阪電車の特急列車に使用されているヘッドマ-クと言えば、鳩をあしらったデザインで知られています。この鳩のマークは、昭和27年(1952年)に公募で選ばれたデザイン。
京阪沿線にある、石清水八幡宮では鳩が神様の使いとされていることをモチーフにデザインされたとされています。
なぜ、鳩が神様の使いかというと、宇佐八幡宮から男山に八幡神を勧請した際、白い鳩が道案内をしたことに由来しています
以来、石清水八幡宮では、鳩は神様の使い として大切にされています。本殿の様々な個所に鳩を模った意匠が見られます。
また、ハトの「ハ」の字が、末広がりの「八」に通じることから、縁起物として古くから親しまれており、石清水八幡宮の一の鳥居の扁額の「八」の字は鳩が向かい合わせになり、八を表現しています。
石清水八幡宮参拝の際には、鳩のデザイン、京阪特急乗車の際は、鳩のヘッドマークにご注目ください。
●まだまだあります♪京都 夏越の祓「茅の輪くぐり」スポット一覧はこちらをクリック
(情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局)
エリア名 | 八幡 |
---|---|
イベント名 | 石清水八幡宮「水無月(夏越)の大祓」茅の輪くぐり |
開催日時 | 茅の輪くぐり:2025年6月15日(日)~6月30日(月) 水無月大祓(夏越大祓)神事:6月30日(月)15時より |
開催場所 | 石清水八幡宮 |
所在地 | 京都府八幡市八幡高坊30 |
アクセス | 京阪本線石清水八幡宮駅下車、徒歩30分~40分、ケーブル利用の場合、八幡宮口駅から八幡宮山上駅まで3分、下車徒歩約10分 |
拝観料 | 境内自由 |
TEL | 075-981-3001 |
ホームページ | https://iwashimizu.or.jp/ |
https://www.instagram.com/iwashimizuhachimangu_grace/ | |
https://www.facebook.com/iwashimizu.or.jp |
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