西明寺の倍返りのお守り

荒廃、焼亡を経て再建された⻄明寺
⻄明寺の正式名称は「槇尾山⻄明寺」といいます。
平安時代の天⻑年間(824〜834 年)に、 弘法大師(空海)の高弟、智泉大徳が戒律道場として開いた⻄明寺は京都市右京区・高雄 エリアに位置し、若い僧の修行に必要な静寂な環境を現在も大切にしてます。 平安時代の末期の荒廃を経て、鎌倉時代に我宝自性上人によって本堂、経蔵、宝塔、鎮守などが建てられました。
その後正応三年(1290 年)には平等心王院の号を時の後宇多法皇より命名賜り神護寺より独立します。戦国時代には兵火による焼亡等の憂き目に会いますが、現在の本堂は元禄十 三年(1700 年)に徳川五代将軍・綱吉の母にあたる桂昌院によって再建された建物になっており、堂内には本尊の釈迦如来像と千手観世音菩薩像の二つの重要文化財や、愛染明王像など貴重な仏像が安置されています。本堂の左手には樹齢700年と言われる見事なご神木、槇の木が立っています。

出ていくお金に感謝する「倍返りのお守り」
本堂の右手にあるお堂、聖天堂には商売繁盛、家庭円満を司る歓喜天が祀られています。白地の幕には左に巾着、右にお供え物の大根という歓喜天の紋章が描かれています。
巾着型の線香台の奥には小さな台があり、「出るお金に感謝しましょう。倍になって帰ってきます。」と記されています。そこに並べられた小さなお守りが「倍返りのお守り」です。この倍返りのお守りは先代住職が商売繁盛を司る歓喜天にちなみ、お金が入ってくることだけを願うのではなく、出ていくお金に感謝することで倍になって帰ってくる、という意味を込めて40年前に始めたものです。
小銭入れにも入る小さなサイズで1体200円なので、常にお財布に入れておけば、お金を使う度に出ていくお金への感謝を忘れずにいることができます。実際に倍返りのお守りを持ち歩くようになってから宝くじが当たった、という人もおり、⻄明寺を訪れたら忘れずに購入したい開運のお守りとして有名です。

知る人ぞ知る紅葉の名所
⻄明寺がある高雄エリアは京の奥座敷と呼ばれ、紅葉の名所として有名です。
⻄明寺は小さなお 寺ですが、紅葉シーズンには境内は真っ赤な楓に染まり、息を呑むような美しさです。 古くから紅葉の名所として知られるのも納得の⻄明寺の紅葉を、抹茶をいただきながら眺 めてみるのも趣があります。
⻄明寺は桜やつつじの名所としても知られており、4月上旬から中旬にかけてはミツバツツジや桜、木々の新緑が裏山を美しく彩ります。槇ノ尾の⻄明寺、高雄の神護寺、栂ノ尾の高山寺を合わせて”三尾”と呼び、それぞれが紅葉 の名所でもありますが、それ以外の季節にも違った風景で楽しませてくれる高雄エリアで は賑やかな京都市内とは違う京都の顔を楽しむことができるはずです。
(掲載日:2018年12月28日 取材:ライター 渡邉良平)

施設情報
エリア名 | 高雄 |
---|---|
施設名 | 西明寺 |
所在地 | 京都市右京区梅ヶ畑槇尾町1 |
拝観時間 | 9:00~17:00 |
拝観費 | 大人 500円/中・高生 400円 |
TEL | 075-861-1770 |
URL | https://www.saimyoji.or.jp/ |

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