山科 安祥寺~龍神様を祀る「青龍殿」と昇天する雌雄の龍の庭園「蘚苔蟠龍」~
通常非公開寺院が3月~6月に日にち限定で特別拝観を実施
琵琶湖疏水(山科疏水)の北側に佇む「安祥寺(あんしょうじ)」は山号を吉祥山、院号を宝塔院とよび、弘法大師を宗祖とする高野山真言宗に属する寺院です。
普段は非公開で、1年で限られた日のみ特別公開をしていますが、2024年3月16日(土)~6月17日(月)の期間、日にち限定で特別拝観を実施します。
境内には龍神様をお祀りする鎮守「青龍殿」が鎮座し、その聖域には雌雄の龍が天に昇る姿を苔で表現した庭園「蘚苔蟠龍(せんたいばんりゅう)」があり、この地を護っています。
青龍様にお参りし、金運、開運、仕事運、勝負運の御利益を授かるのはいかがですか。
2024年4月、庫裏前に新たな庭園「五智遍明庭」(ごちへんみょうてい)が完成。5月からの特別拝観では通常非公開の庫裏から庭園鑑賞もお楽しみいただけます。
さらに、拝観受付の建物内に甘味処「寺菓房・せむい」がオープン。米粉カステラ、米粉ノンオイルシフォンケーキ、生カスタードパイなど米粉を中心とした身体に優しく、素材にこだわった手作りお菓子を販売しています。
※特別拝観日は下記のリンクから特別拝観の日程をご確認いただけます。
https://totteoki.kyoto.travel/events/8888/
青龍殿と蘚苔蟠龍
青龍殿は間口170cm余りの一間社流造、銅板葺きの建物。観音堂の北西奥、一段高くなった所に石垣を組んで堀をめぐらした方形の敷地の中にあり、その歴史は古く開創に遡ります。
開基の恵運僧都(えうんそうず)が、中国の長安にある青龍寺より鎮守の青龍権現を請来し、上下両所の伽藍を建立するにあたり、その青龍の御體を鎮守として祀ったことに始まります。
以来その変遷は定かでありませんが、豊臣秀吉の造立した方広寺大仏殿の再建を命じられた木食応其上人により、再造営の大業成就を祈願して文禄3年(1594年)に再建され、元和5年(1619年)に現在地に移築され、現在の社殿は嘉永6年(1853年)に造り替えられたものです。
蘚苔蟠龍(せんたいばんりゅう)は、安祥寺発祥の原点とも言える聖域「鎮守 青龍殿」の庭園です。青龍殿の修復とあわせて周辺整備を数年間行ない、2022年8月に完成しました。
青龍殿に祀られていた蟠龍石柱(ばんりゅうせきちゅう)には天に昇ろうとする龍が描かれていることから、周囲には天に昇ろうとする伏した雌雄の龍(=蟠龍)を配するのが望ましいと考え作庭されました
苔を用いて雌雄の龍を見立てたデザインとし、苔類を意味する蘚苔という言葉を使い「蘚苔蟠龍」と命名しました。
御宝殿西側の雄龍は力強く隆起し、今にも天に昇ろうとしています。東側に緩やかに蟠を巻く雌龍は、雄龍を見守っています。龍の回りは焰雲が沸き立っています。
周囲の巨木はさながら龍が舞う如く、また、舞い降り昇るのを待つかのように天空が開いています。
安祥寺ご由緒
平安京遷都から約50年後の嘉祥元年(848年)、藤原順子皇太后により建立発願、弘法大師の孫弟子にあたる恵運僧都が創建した由緒ある古刹で、江戸時代に再建された堂宇が今に伝わります。
本尊は、榧(かや)木の一木造りの十一面観音。漆箔仕上げの像で、奈良時代に遡る半丈六の巨像として貴重な遺品として国の重要文化財に指定されています。
最盛期には山科一帯の山野に広大な寺領を有し、上下両所の大伽藍をはじめ、塔頭の坊舎七百余宇が建ち並んでいたと伝えられています。江戸時代に観音堂(本堂)、多宝塔、地蔵堂、大師堂、青龍社などが再建され、現在の伽藍配置となっています。
スポット情報
エリア名 | 山科 |
---|---|
スポット名 | 安祥寺 |
所在地 | 京都市山科区御陵平林町22 |
アクセス | 京都市営地下鉄東西線 山科駅、JR東海道本線(琵琶湖線)・湖西線 山科駅、京阪京津線(大津線) 京阪山科駅下車 徒歩約10分 |
特別拝観 (2024年) | 3月16日(土)、24日(日)、25日(月) 4月28日(日)、29日(月) 5月5日(日)、6日(月)、18日(土)、19日(日) 6月8日(土)、9日(日)、16日(日)、17日(月) |
拝観時間 | 9:00~17:00(最終受付16:30) |
拝観料 | 500円(大人・小人共通 ※小人未満 無料) |
TEL | 075-581-0853 |
URL | https://anshouji.or.jp/ |
https://www.instagram.com/anshouji.kyoto/ |
(掲載日:2023年12月23日 情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局)
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