山科 永興寺~本堂・龍の天井画&庭園・龍尾の石造~

庭園の龍の石造は必見

永興寺(ようこうじ)は、山科疏水に佇む曹洞宗開祖の道元禅師ゆかり、大本山永平寺の末寺。このお寺を知っていれば本物の京都ツウ、知る人ぞ知る「龍」ゆかりの寺院です。
平成に入ってから、龍の天井画第一号である本堂「天井龍図」、庭園には天井龍図と一体化となるように作られた「龍の尻尾」をモチーフにした石造があります。
また境内には愛知県の豊川稲荷から分霊された、商売繁盛や家内安全の御利益がある山科豊川稲荷が鎮座しています。龍神様の金運開運の御利益と、豊川稲荷の商売繁盛や家内安全の御利益をダブルで授かりに行きませんか。

最強パワー!金色の「天井龍図」

本堂は平成8年(1996年)に再建され、天井一面には日本画家の安藤康行筆による昇り龍「大間天井龍図」が描かれています。
暗闇の波間から如意宝珠を持ち現れる龍は、金色を帯びまさに「黄龍(こうりゅう)」のようなお姿。黄龍は陰陽五行説による東西南北守護する青龍、白虎、朱雀、玄武の四神の中央を司る、まさに最強パワーの龍神様です。
五色幕に囲まれ金色の天蓋に彩られた龍の天井画を眺めていると、神秘的な龍神様のパワーを全身に受けているように感じられます。
また本堂内には、楠の一刀彫の直径90cm、高さ95cm、音色が素晴らしい「日本一大きい木魚」があります。
<拝観について>
境内(龍尾が庭園)は自由に参拝できますが、本堂内陣は一般開放していません。龍の天井画寺を拝観されたい方は、寺務所にお声がけください。対応可能であれば堂内をご案内いただけます。定まった拝観料はありませんので、参拝者のお気持ち額を本尊前の賽銭箱にご志納ください。

天井画の龍の尻尾が庭園に出現

山門右側の庭園には、半円形でまるで歯車のような不思議な形をした石造が2つ並んでいます。この石造は、本堂の天井龍図の続きとして作られたそうで、大小の半円は、背びれと尻尾をイメージして造作されました。
このような龍尾を模った独創的な石造は、日本全国でおそらく永興寺だけの唯一無二のもと思われます。もし、他に同様の造作物があるのをご存じの方は、是非お知らせください。

手水舎も龍

手や口を清める手水舎(ちょうずや、てみずや)の吐水口も、もちろん「龍」です。龍神様は風を吹かせ、雷雲を呼び、雨を降らせることから古代より水を司る神様として崇められているためです。

山科豊川稲荷で商売繁盛と福徳開運の御利益

本堂右側には、愛知県の豊川稲荷から分霊された「山科豊川稲荷」が祀られています。元は八坂神社の近くにあり祇園の町衆から厚い信仰を受けてきましたが、永興寺と共に山科の地に移転してきました。
お寺で神社?と不思議に思われますが、豊川稲荷は正式名を「妙厳寺(みょうごんじ)」と言う曹洞宗の寺院です。
豊川稲荷は妙嚴寺の鎮守社(お寺を護る神社)で、豊川吒枳尼真天(とよかわだきにしんてん)をお祀りしています。吒枳尼真天は稲穂を荷い、宝珠を掲げて白狐に跨る御姿をしていることから「豊川稲荷」と呼ばれるようになったそうです。
今川義元、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などの武将に武運長久の祈願所として、江戸時代には稲荷信仰の広がりとともに商売繁盛・福徳開運の神として広く信仰を集め、日本三大稲荷のひとつに数えられています。

永興寺ご由緒

山号を無量山と称し、曹洞宗の開祖であり、大本山永平寺を開山された道元禅師ゆかりの寺院。
鎌倉時代の建長6年(1254年)に道元禅師が京都で示寂された翌年、弟子の詮慧(せんね)和尚が永興庵を建立しましたが、比叡山徒によって破却されましたが、江戸時代の寛延元年(1748年)に面山瑞方(めんざんずいほう)和尚が粟田口に永興庵を再建。さらに明治38年(1905年)村上素道( むらかみそどう)和尚が鹿ヶ谷に再建しました。
大正5年(1916年)に大本山永平寺が山科の地に境内地を購入し、村上和尚が大正8年(1919年)に大本山永平寺の別院・永興寺として指定、鹿ヶ谷から移築しました。
平成8年(1996年)に本堂を再建。同時に境内西側に山科豊川稲荷社(吒枳尼真天)を再建しました。
寺宝として日本一の木魚、道元禅師御一代絵巻、本堂大間天井龍図(平成の龍・第一号)を所蔵しています。平成12年(2000年)には、山門・鐘楼を造立し一般の人にも開放。除夜の鐘と8月15日終戦記念日の正午に大正・昭和の反省と新たな世界平和を祈念して鐘撞きを行っています。

スポット情報

エリア名山科
スポット名永興寺(ようこうじ)
所在地京都市山科区御陵大岩15
アクセス地下鉄東西線御陵駅2番出口から徒歩10分
拝観料境内自由 ※本堂は一般開放していません。寺務所にお声がけください。拝観料はお気持ち額をご志納
TEL075-591-3647
URLhttps://br-premium.jp/yokoji/

(掲載日:2023年12月28日 情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局