「火焚き」は「お火焚き」「御火焚き」とも呼ばれ、江戸時代より11月中旬に行われてきた京都の伝統行事。神前に火を焚き、秋の実りに感謝するとともに厄除けを祈願する。
花山稲荷の火焚祭は「ふいご祭」とも呼ばれ、火焚串を独特のふいご(製鉄のときに使う空気を送る道具)の形に積み上げるのが特徴。
これは、平安時代、刀匠・三条小鍛冶宗近が当地の土でふいごを築き、祭神・花山大神のご加護で名刀「小狐丸」を打ち上げたという故事にちなんだもの。以来、全国の刀工や鍛冶師たちから金物の神様として信仰を集めるようになった。
火焚祭では勢いよく燃える炎にお供え物のミカンが投げ入れられ、風邪に効く「焼きミカン」として参拝者の人気を呼んでいる。