藤森神社「藤森祭」2025年5月1日~5月5日(神幸祭・駈馬神事)伏見深草
藤森神社(ふじのもりじんじゃ)は伏見深草の地に平安遷都以前より鎮座する古社で、勝運と馬の神様として広く信仰を集めています。
また、菖蒲の節句(端午の節句)発祥の神社としても知られています。
いにしえより、端午の節句には邪気払いに菖蒲が用いられ、音が同じことから、尚武(武を尊ぶこと)に、さらに勝負に通じ武運長久を祈願する神として崇められるようになりました。
毎年5月1日から5日まで藤森神社では、春季大祭「藤森祭(ふじのもりさい)」が斎行され、神幸祭(神輿渡御)、駈馬神事、武者行列などの神事や、藤森太鼓をはじめとした奉納がおこなわれます。
藤森祭は深草祭とも称され、その歴史は古く、平安時代の貞観5年(863年)に藤原良房が自邸に清和天皇の臨幸を仰ぎ、長寿と国家の安穏を祈念し「深草貞観の祭」を執り行ったのが起源とされており、歴代の天皇、上皇もしばしば行幸されたと伝わっています。
駈馬神事、武者行列の神事は桓武天皇の弟である早良親王(さわらしんのう)が、奈良時代の天応元年(781年)に陸奥の反乱に対し、征討将軍の勅を受けて、藤森神社に祈誓出陣されたことに由来しています。
5月5日の端午の節句(こどもの日)に鎧兜(よろいかぶと)を纏った五月人形を飾るのは「藤森祭の日に飾る武者人形には、藤森の神が宿る」と呼ばれることからはじまった風習とされています。
■2025年「藤森祭」式次第
4月29日(火祝)神輿出し
5月1日(木)御出祭
5月3日(土祝)神輿神霊遷・藤森太鼓(13:40~、15:00~)
5月4日(日祝)宵宮祭・神輿と藤森太鼓による深草氏子地域巡幸・雅楽奉納
5日5日(月祝)神幸祭(神輿渡御)、鼓笛隊、武者行列・駈馬神事(13:00~、15:00~)・神輿拝殿廻り
駈馬神事(5月5日)




駈馬神事(かけうましんじ)は、藤森祭のなかでも特に広く知られている神事です。
この神事は室町時代には衛門府出仕武官により、江戸時代には伏見奉行所の衛士警護の武士や、各藩の馬術指南役、町衆らにより行われていましたが、明治時代より藤森神社の氏子により奉納されてます。
昭和初期までは直違橋通(すじかいばしどおり)の路上街道で行われていましたが、道路及交通事情等により境内参道馬場で行われています。
昭和58年には京都市の京都市登録「無形民俗文化財」に指定され、藤森神社・藤森神社駈馬保存会・藤森神社氏子により継続公開保存しています。
馬に乗りながら文字を書く「一文字書き」や敵矢の降りしきる中駈ける「手綱潜り」、疾駆する馬に乗る人が逆立ちする「逆立ち(杉立ち)」など、戦場の馬術を再現した見事な妙技は迫力満点で見るものを圧倒します。13時からと、15時からの2回執り行われます。
◆駈馬の技(わざ)
一、手綱潜り:敵矢の降りしきる中、駈ける技
二、逆乗り(地藏):敵の動静を見ながら、駈ける技
三、矢払い:敵矢を打払いながら、駈ける技
四、横乗り: 敵に姿を隠して、駈ける技
五、逆立ち(杉立ち):敵を嘲りながら、駈ける技
六、藤下がり:敵矢に当たったと見せて、駈ける技
七、一字書き:前線より後方へ情報を送りながら、駈ける技
神幸祭(5月5日)




神幸祭の祭礼当日、先ず宮本下之郷神輿、深草郷神輿、東福寺郷神輿が藤森神社を出発。神輿の後は、鼓笛隊を先頭に、飾り台、榊・太鼓・鐘が続きます。
稲荷大社の末社「藤尾社」にて神事が行われた後、各氏子地区を渡御します。祭に用いられる4基の神輿のうち、3基の神輿(宮本下之郷、深草郷、東福寺郷)は、江戸時代に氏子の寄進により財力を注ぎ込み造ったもので、京都において最も優雅なものとして知られ、美術品としての価値も高いとされており、現在まで長期に渡り大切に護り継がれています。
平成に入り、傷んだ箇所を大々的に修復する機会があり、その際にも費用の大半を氏子の寄進によって賄われ、氏子によって護り継がれた伝統は、今も脈々と息づいています。
武者行列(5月5日)

武者行列は、4つの行列が3基の神輿とともに氏子地区を巡幸します。
○朝渡(あさわたり):御祭神早良親王東征の行装
早良親王が陸奥国での反乱に対して、征討将軍の勅を受けて藤森神社に祈誓出陣された際の軍装
○皇馬(こんま):清和天皇勅諚深草祭の行装
清和天皇の貞観の年に官幣を捧げて勅諚の神事が行われた際の行装
○七福神(しちふくじん):七福神の行列
大黒天(だいこくてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)、恵比寿天(えびすてん)、寿老人(じゅろうじん)、福禄寿(ふくろくじゅ)、弁財天(べんざいてん)、布袋尊(ほていそん)の七つの神様
○払殿(ほって):御祭神神功皇后凱旋纛旗(とうき)神祀の行装
神功皇后が纛旗を掲げて新羅凱旋したときの行列
※纛旗とは軍中の大旗。日像・月像は金色の太陽および銀色の月を刺繍します。
藤森太鼓保存会(5月3日〜5日)



5月3日(金祝)
「神霊遷し奉納演奏」が藤森神社拝殿前にて行われます。勇壮華麗な演奏をお楽しみください。
○第一部(13:40分頃から)
○第二部(15:00分頃から)
5月4日(土祝)
トラックに神輿と太鼓を載せて、深草氏子地域をまわります。
5月5日(日祝)
「神幸祭」の御神輿巡行に同行して、太鼓・笛・鳴り物を奏でながら、氏子地域をまわります。
【藤森太鼓とは】
藤森太鼓は平成17年(2005年)に藤森神社の創建1800年を迎えるにあたり、同年11月25日~27日に行われた「藤森神社創建千八百年祭」に奉納演奏をしてほしいと、氏子の寺内氏より太鼓一式の寄贈がありました。
寺内氏の知人でプロジャズドラマーの猪俣猛氏作曲による「藤森」、「うずら」、「東山」の三曲も同時に寄贈され、さらに指導には世界に名を馳せる、和太鼓集団「鼓童」で活躍されていた南條明氏を招聘。
神社の呼びかけにより氏子達(神社関係者)が集まり、同年7月より練習を始め「藤森太鼓保存会」が発足。
11月に行われた「藤森神社創建千八百年祭」の奉納演奏は非常に高い評価を得ました。現在、藤森太鼓保存会は藤森神社内の正式団体として、同神社の各神事での奉納演奏をはじめ、地域に根ざした演奏活動を広く行っています。
藤森太鼓保存会は京都・伏見の地に、この活動を末永く伝承していく為に、会員一人一人が高い意識と使命感を持ち日々精進しています。
藤森神社ご由緒


藤森神社は平安遷都の遥か昔、約1800年前に神功皇后によって創建された皇室ともゆかりの深い古社で、洛南深草地域の産土神。
朝廷から武家、庶民にいたるまで崇敬厚く、歴史ある社です。社伝によると、神功皇后が摂政3年(203年)に新羅より凱旋の後、山城国・深草の里「藤森の地」を神在の聖地として撰び纛旗(とうき=軍中の大旗)を立て、兵具を納め、塚を造り、神祀りされたことが起こりです。
秋には毎年、競馬と馬を愛する人たちの祭典である「駪駪祭(しんしんさい)」が行われ、馬主、騎手、競馬ファンなど多くの馬好きが全国から集まります。
また、日本書紀の編者であり、日本最初の学者である舎人親王(とねりしんのう)を御祭神としてお祀りしていることから、学問の神としても信仰されています。
本殿は正徳2年(1712年)に中御門天皇より下賜された御所の賢所(内侍所)で、現存する賢所では最古のものです。
境内社の八幡宮本殿と大将軍社社殿はともに、永享10年(1438年)に足利義教が造営したもので国の重要文化材にも指定されています。
境内には“二つとない美味しい水”と言う意味の御神水「不二の水」が湧き出ており、武運長久、学問向上、勝運を授ける水として信仰されています。
(情報提供:藤森神社)
| エリア名 | 伏見 |
|---|---|
| イベント名 | 藤森祭 |
| 開催日時 | 2024年5月1日(木)~5月5日(月祝) |
| 開催場所 | 藤森神社境内および氏子地区一帯 |
| 所在地 | 京都市伏見区深草鳥居崎町609 |
| アクセス | 京阪本線墨染駅下車徒歩7分、JR奈良線藤森駅下車徒歩5分 ※公共交通機関をご利用の上、ご来社ください |
| TEL | 075-641-1045 |
| URL | https://fujinomorijinjya.or.jp/ |
| https://twitter.com/fujinomori505/ |
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