<嵯峨鳥居本>あだしの念仏寺「竹林の小径」~嵐山から旧街道を辿ればまるで江戸時代の風景〜

嵐山の渡月橋周辺から、ひと足延ばした「嵯峨鳥居本」(さがとりいもと)は清滝を経て愛宕神社まで続く旧街道「愛宕街道」沿いに佇む、静かで趣のある町並み。多くの観光客で混雑する嵐山の喧騒とは無縁の世界。京都ツウだけが知っている隠れ家的エリア。この周辺は嵯峨野とも呼ばれ、嵐山からわずか10数分歩いただけで観光客がぐっと少なくなり、秋の京都を満喫したい方に是非ともはオススメしたい場所です。嵯峨鳥居本の町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されており、愛宕神社の一の鳥居までの街道沿いには茅葺屋根の民家が今なお残り、江戸時代さながらの風情が楽しめます。愛宕街道途中にある化野念仏寺境内の「竹林の小径」はまるで時代劇に出てくる一場面のよう。一服の絵画を見ているような美しい竹林風景です。嵯峨野を目いっぱい楽しむには、レンタサイクルがオススメ。散策のスタートは渡月橋の南側に位置する阪急嵐山駅から。

嵐山周辺や嵯峨鳥居本散策のスタート&ゴールは阪急嵐山駅がオススメ♪

嵐山周辺や嵯峨野散策は、阪急嵐山駅をベースにするのがオススメ、駅、バス停があり、京都市内はもちろん、大阪・神戸からのアクセスが抜群。駅前にはレンタサイクル店や天然温泉の日帰り施設もあり、嵐山周辺を楽しむ旅のアイテムがバッチリ揃っています。

①電車利用なら嵐山までの交通渋滞に巻き込まれない
秋の行楽シーズンは京都市内や嵐山周辺の道路は大渋滞。電車なら渋滞に巻き込まれることなく嵐山に到着でき、観光や食事にたっぷり時間を割くことができます。予約しているお目当てのランチや観光施設に遅れる心配もナシ。お帰りも電車なら、渋滞知らずでらくらく帰着。
大阪・神戸・宝塚方面からお越しの方は、阪急電車の「京都・嵐山1dayパス(2022年秋期)」利用がお得。有効期間中のお好きな1日、お1人様に限り下記の路線が乗り放題。
【阪急版】阪急電車:全線(神戸高速線を除く)、嵐電(京福電鉄):嵐山本線・北野線、京都バス:嵐山~大覚寺、清滝、苔寺・すず虫寺、嵯峨嵐山駅前、有栖川までの各路線
発売(利用)期間は2022年10月1日(土)~12月25日(日)まで、価格は【阪急版】1,300円(大人のみ)と【能勢版】1,600円(大人のみ)の2種類。
阪急嵐山駅には2つのバス停(阪急嵐山駅前、駅前ターミナル)があり、京都駅、四条河原町、京阪三条、清滝・大覚寺方面の路線バスも利用できとても便利。
◆京都・嵐山1dayパス(2022年秋期)の情報
https://www.hankyu.co.jp/ticket/otoku/11/

②レンタサイクル店が駅から徒歩1分の場所にある
阪急レンタサイクル嵐山は、駅の改札を出て徒歩1分の駅前広場前の好立地、お店まで迷うこともナシ。26インチの普通自転車を中心に100台以上の自転車を取り揃えています。また子供用自転車あるので親子やファミリーでの観光にも便利。レンタル時には、快適に観光地巡りができる散策マップ付きリーフレットが貰えます。自転車での移動なら、観光客で混雑しているエリアから少し足を延ばすにもラクラク移動。また外国人観光客向けに英語版・中国語(繁体字)版・中国語(簡体字)版・韓国語版のリーフレットもご用意。利用料金はシーズンにより異なるのでHPでご確認ください。
◆阪急レンタサイクル嵐山の情報
https://www.hankyu.co.jp/station/service/rental02.html

③駅近の天然温泉&露天風呂で嵐山散策の疲れを癒せる
レンタサイクル店の敷地に嵐山初の日帰り温泉「風風の湯」があり、嵐山散策後は京都では稀有な天然温泉を宿泊せずとも満喫できます。泉質は弱アルカリ性の単純温泉は刺激が少なく肌に優しいのが特徴。皮膚の余分な角質を柔らかくして落とすため、お肌がツルツルになります。浴室は、開放感あふれる庭園露天風呂、大浴場をはじめ、水風呂、シルキー湯、打たせ湯、ドライサウナを完備。女湯にはミストサウナもあります。
嵐山散策後は、散策の疲れをお湯に融かして、湯ったりのんびり寛げるのは、まさに極楽気分。入泉料、その他利用料は、風風の湯HPにて確認ください。
◆京都 嵐山温泉 湯浴み処 風風の湯(ふふのゆ)の情報
https://www.hotespa.net/spa/fufu/

~阪急嵐山駅は駅がまるごとミッフィー仕様~

現在、阪急嵐山駅は「ミッフィー&阪急電車コラボキャンペーン~miffy and Hankyu~」の一環で、駅まるごとミッフィー仕様。阪急電車をイメージしたマルーンカラーのミッフィーの看板、駅名表示板にも可愛いミッフィーが描かれています。ミッフィーとのコラボは2023年3月30日(木)まで実施中です。

嵯峨鳥居本~愛宕街道は江戸時代にタイムスリップしたような町並み~

阪急嵐山駅前から、渡月橋を渡り、賑やかな嵐電「嵐山駅」、天龍寺、清凉寺(嵯峨釈迦堂)、二尊院門前を通り、北上すると嵯峨鳥居本に到着。自転車なら約15分、徒歩でも約30分足らずで嵐山の喧騒とは無縁の静寂の地です。自転車や徒歩はちょっと、という方には、阪急嵐山駅前バスターミナルから清滝行バス(1時間に1本)が便利。鳥居本バス停で下車。京都らしい移動手段なら人力車がオススメ。嵐山から鳥居本までの往復コースもあります。
嵯峨鳥居本は、古くは化野(あだしの)と呼ばれ、 「仇野」や「徒野」とも記された、京の人々の葬送の地でした。江戸時代には、愛宕山の山頂にある愛宕神社の門前町として「お伊勢七たび、熊野へ三たび、愛宕さんへは月詣り」と謳われるの賑わいをみせ、多くの参拝客が行き交いました。瓦屋根の民家が並ぶ下地区と茅葺きの農家が多い上地区に分かれており、全国的にもも珍しい町家と農家の共存する町並みです。その風景はまるで江戸時代にタイムスリップしたかのよう。愛宕街道沿いの約600mが国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
嵯峨鳥居本で是非訪れたいのは「京都市嵯峨鳥居本町並み保存館」。明治時代の初めに建てられた民家を修理整備した施設で、建物や内装そのものが展示物。奥嵯峨の伝統的な建物を直接見て触れることができます。館内には昭和初期の愛宕街道の町並みを精密に復元した模型も展示されており、古き良き京都の風情を楽しむこともできます。入館料は何と“無料”です。散策の際は是非とも立ち寄りたい場所です。

スポット情報

エリア名嵯峨鳥居本
スポット名京都市嵯峨鳥居本町並み保存館
所在地京都市右京区嵯峨鳥居本仙翁町8
アクセス阪急嵐山駅バスターミナルから京都バス92・ 94系統(清滝行)乗車、鳥居本バス停下車徒歩約3分。渡月橋から自転車で約17分、徒歩で約33分。
開館時間10:00~16:00
定休日月曜日(祝日・振替休日のときは翌日)と年末年始
入館料無料
TEL075-864-2406
URLhttps://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000281308.html


あだしの念仏寺~究極の映えスポット「竹林の小径」&約8000体もの石仏群~

化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)は華西山東漸院(かさいざんとうぜんいん)と号する浄土宗の寺院。古くは京の人々の葬地として知られ、和歌では「化野の露」として人生の無常をあらわす枕詞(まくらことば)にも使われていいます。寺伝によれば、弘法大師空海が五智山如来寺を開創され、その後、法然上人の常念仏道場となり、現在は華西山東漸院念仏寺と称しています。境内に奉る多くの石仏・石塔は化野一帯に葬られた人々のお墓であり、何百年という歳月を経て無縁仏と化し、山野に散乱埋没していました。明治中期に地元の人々の協力を得て集め、極楽浄土で阿弥陀仏の説法を聴く人々になぞらえ配列安祀し、賽の河原に模して「西院(さい)の河原」と名付けられました。秋には約8000体の石仏・石塔群を紅葉が彩り、竹林や常緑樹の緑との美しいコントラストを見せてくれます。
本堂左側、みず子地蔵尊奥に広がる「竹林の小径」は知る人ぞ知る撮影スポット。緩やかな階段沿いに六面体地蔵まで続く竹林は、秋の観光シーズンでも人影はまばらなので、思う存分“映え”写真を撮ることができます。嵐山中心部から自転車でわすか約15分で異次元の世界を満喫できます。

スポット情報

エリア名嵯峨鳥居本
スポット名あだしの念仏寺
所在地京都市右京区嵯峨鳥居本化野町17
アクセス阪急嵐山駅バスターミナルから京都バス92・ 94系統(清滝行)乗車、鳥居本バス停下車徒歩約5分。渡月橋から自転車で約15分、徒歩で約30分。
開館時間9:00〜16:30(受付終了)※1・2・12月は15:30受付終了
拝観料大人:500円、中高生:400円、小学生以下(保護者同伴に限る):無料
TEL075-861-2221
URLhttp://www.nenbutsuji.jp


門前茶屋でちょっと一服~鮎茶屋平野屋の「志んこ」とお抹茶~

鮎茶屋平野屋は「火の要慎の神」で知られる愛宕神社の参道“愛宕街道“の途中、一の鳥居前に約400年前に創業。元は鮎問屋を営むかたわら茶店を営んでいましたが、やがてお客様に鮎料理をお出しするようになりました。今や、京都を代表する鮎料理店として、池波正太郎、白洲正子、司馬遼太郎をはじめ多くの文人墨客が舌鼓を打ち、その名を全国に知られています。
鮎料理は事前予約制ですが、茶店利用は予約不要。ふらっと散策の途中に立ち寄れるのが魅力。名物「志んこ団子」は、愛宕神社の参拝者の疲れを癒やしてきた甘味。志んこのねじれた独特の形状は、愛宕山のつづら折りの山道を模したもの。14代目の女将自らが、おくどさん(竈:かまど)に火を入れお湯を沸かし、糝粉(しんこ)を捏ね、おくどさんで蒸し上げ作られています。志んこ団子の味はニッキ・お茶・白の3種類。上にかかった黄粉(きなこ)と粗めの黒砂糖をまぶしていただきます。黄粉と黒糖があっさりとしたお団子に程よい風味と食感のアクセントを与えています。お箸代わりには、手作りの黒文字楊枝、スプーンの代わりには、椿の葉を添えられていて、野趣あふれるおもてなしを感じさせてくれます。
志んこ団子は、この先の愛宕神社参道のしんどい山道に「さぁこれからまたがんばるぞ」と気合を入れる参拝者の方々、また参詣帰りのひと休みに、この優しい甘さのお団子を昔から変わらぬ姿で提供され続けています。京都市内中心部では出会うことのできない鄙と雅の融合を体感できる場所です。

スポット情報

エリア名嵯峨鳥居本
スポット名鮎茶屋平野屋
所在地京都市右京区嵯峨鳥居本仙翁町16
アクセス阪急嵐山駅バスターミナルから京都バス92・ 94系統(清滝行)乗車、鳥居本バス停下車徒歩約5分。渡月橋から自転車で約20分、徒歩で約35分。
営業時間11:30~21:00
定休日不定休
TEL075-861-0359
URLhttp://ayuchaya-hiranoya.com

(掲載日:2022年11月8日 情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局