現在、根本中堂は60年に一度の大改修中(2026年まで)ですが、本堂の中に入ることはできます。本堂の中は護摩の香りに包まれていて厳かな空間でした。秘仏薬師如来を照らす「不滅の法灯」は、1200年もの間、毎日絶えることなく油を注いできた灯火で、「油断」の語源となったことでも有名です。
【比叡山延暦寺】
比叡山延暦寺は、延暦7年(788年)に最澄が開創した、1,200年以上の歴史を持つ天台宗の総本山です。標高848mの比叡山全域を境内とし、寺域は1700ヘクタールにも及び、京都市と滋賀県にまたがっています。
延暦寺とは、比叡山の山内に点在する約100ほどの堂宇の総称で、延暦寺という一棟の建造物があるわけではありません。
山内を地域別に、東を「東塔(とうどう)」、西を「西塔(さいとう)」、北を「横川(よかわ)」の三つに区分しています。これを三塔と言い、それぞれに本堂があります。日本仏教の各宗の祖師(親鸞聖人、栄西禅師、日蓮聖人、道元禅師)などがここで学び、あるいはここで出家得度している事から「日本仏教の母」として仰がれています。