山科一之宮 岩屋神社「水無月夏越の大祓式」茅の輪くぐり(京都山科/大宅)

DATE 06月27 2024 - 07月1 2024
TIME 9:00 AM - 6:00 PM

山科区大宅(おおやけ)の地に鎮座する岩屋神社は山科一帯の産土神であり、仁徳天皇31年の創建と伝えられている山科最古の神社。
1年の半分にあたる6月30日に、岩屋神社では半年間の罪穢(つみけがれ)を祓い、残り半年の息災を祈願する神事「夏越の大祓」(なごしのおおはらえ)が本殿前にて斎行されます。
また、2024年6月27日(木)から7月1日(月)まで、直径約3mもの大きな茅の輪(ちのわ)が平成御門に飾り付けられます。参拝者は思い思いにくぐり、穢れや罪から心身を清め、無病息災や悪厄退散をご祈願ください。

<茅の輪くぐりの由来>
茅の輪くぐりは「夏越の祓」にて茅の輪をくぐって罪や穢れを落とす祓の行事です。茅の輪は、茅(ちがや)という、イネ科の植物を編み作られた人の背丈よりも大きい輪のことです。スサノオノミコトの神話に由来すると言われています。
神代の昔、蘇民将来(そみんしょうらい)と巨旦将来(こたんしょうらい)という兄弟がおり、兄の蘇民将来はとても貧しく、弟の巨旦将来はとても裕福でした。
ある日、素盞嗚尊(すさのおのみこと)が、旅の途中に巨旦将来に一夜の宿を求めたところ、冷たく断りました。一方、蘇民将来は、貧しいながらも、快く宿と食事の提供をしました。
翌朝、お礼として蘇民将来に茅の輪を与え「腰に付けておれば、疫病から免れることができるであろう」と言い残して旅立ちました。
その数年後、疫病が流行した時に、巨旦将来の一族は疫病で滅んでしまいましたが、蘇民将来の一族は疫病から逃れて繁栄し、子孫も栄えたと伝えられています。
時代が流れ、腰に茅の輪をつけるものから、茅の輪をくぐるものに変化したとされています。なお、茅の輪のくぐり方は、神社ごとにその作法は異なります。

水無月夏越の大祓式・茅の輪くぐり


<水無月夏越の大祓式>
○日時:2024年6月30日()17:00より(受付は16:30より)
〇場所:本殿前にて斎行
〇大祓式:切麻自己祓い(きりぬさじこはらい)、大祓詞(おおはらえことば)奏上、人形(ひとがた)の焚き上げ
・夜の祭典として夕闇の中にかがり火を焚き、厳粛な雰囲気の中、古式に則った大祓式。
・大祓詞を奏上しながら人形を焚き上げ、祈願します。
・自己祓いを終えた五色の人形を各自願いを篭めて焚き上げていただきます。
【人形とは】
人のかたちに切り抜かれた白い紙で、祓をする時に人の身代わりとして使います。この人形で身体を撫でたり、息を吹き掛けて、諸々の罪穢れをのり移らせて、祓い清めます。五色の人形は当日ご参列の皆様と共に自己祓いを行い、ご自身で焚き上げていただきます。焚き上げた灰は葦船にのせ山科川へ流し、やがて海そして地下の国へ祓いやられます。
※本年度より祭典時刻を変更、ご本殿前にて斎行致します。お誘い合わせご参拝ください。
※事前に人形をご奉納いただきましたら、神職がお祓いをしてお炊き上げいたします。
<茅の輪くぐり>
○6月25日(木)~7月1日(月)まで
・平成御門に「茅の輪」を設けますので、ご自由にご参拝ください。
・茅の輪をくぐる時は、左足より入り、お帰りの際は、右足より出てください。

岩屋神社ご由緒


岩屋神社は山科一之宮であり山科最古の神社。地元では「岩屋明神」、「岩屋さま」と親しみ込めて呼ばれている山科の産土神です。氏子地域は、大宅(おおやけ)、大塚、椥辻(なぎつじ)、井上町、小野、厨子奥(ずしおく)、日の岡、御陵(みささぎ)と山科盆地一帯の広範囲に及びます。
その起源は社殿背後の山腹にある、奥之院また岩屋殿と称する「陰岩」と「陽岩」の両巨岩で、まだ参拝設備のなかった時代の石座信仰の名残で、発祥は仁徳天皇31年(古墳時代中期)と伝わっています。
後年、宇多天皇の御世の寛平年間(889年~898年)に「陽岩」に天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)をお祀りし、「陰岩」には栲幡千々姫命(たくはたちぢひめのみこと)の夫婦二柱を、また岩前小社に大宅氏の祖神として、夫婦二柱の皇子・饒速日命(にぎはやひのみこ)をお祀りしました。
平安時代の治承年間(1177年~1180年)に園城寺(三井寺)僧徒によって社殿が焼かれ、旧記も失われましたが、鎌倉時代の弘長2年(1262年)に再建されました。現存する古代木製高麗狛は当時のものです。また、中世に東・西・上の岩屋三社と呼ばれた神社は東が岩屋神社、西が山科神社、上は不明です。
【本殿御祭神】
○天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)
別名正哉吾勝勝速日天忍穂耳命(まさかあかつかちはやびあめのおしほみみのみこと)と称し、天照大神の太子であり、当社饒速日命の父神です。家内安全、厄除、勝運の神様として崇敬されています。
○栲幡千々姫命(たくはたちぢひめのみこと)
高皇産霊命の女、天忍穂耳命の妃で饒速日命の御母。別名万幡豊秋津師比女(よろずはたとよあきつしひめ)ともいい、織物に功績著しい神様で機織り染め物関係の守護神として崇敬されています。子授け・安産の神様としても信仰されています。
○饒速日命(にぎはやひのみこと)
前記二柱の夫婦神の皇子で、別名天火明櫛玉饒速日命(あめのほあかりくしたまにぎはやひのみこと)といいます。怪我腫物、病気平癒の神様で、交通安全祈願の神様としても崇敬されています。

岩神社 奥之院~山科のパワースポット~


奥之院は、本社から徒歩で約10~15分の裏山に座す「陰岩」と「陽岩」からなる陰陽の両巨岩で、別名岩屋殿とも称される神域です。石座信仰として、奈良地代以前に遡る古い自然信仰の形態です。参道の手前には陰岩、さらに登ると陽岩に到着します。鬱蒼とした山林のなかに聳える両巨岩からは、得も言われぬ自然の偉大な力を感じずにはいられません。まさに山科のパワースポットと呼ばれるのにふさわしい場所です。
近年氏子崇敬者の尽力によって参道の整備や朱塗りの数十基もの鳥居が奉納されています。
<岩屋神社本社から奥之院への行き方>
(1)岩屋神社の本殿左横の摂社を抜けて、アスファルト道路に出ます(摂社に「奥之院参道」の看板あり)
(2)アスファルト道路を進むと「笠原寺」入口が左側にあり、その先の丁字路に左へと進みます
(3)そのまま直進して舗装道路が切れた場所が参道入口です(「奥之院参道」の看板あり)
(4)ここから未舗装の本格的な参道が始まります(大きな石が多く転倒にご注意)
(5)約3分ほど登ると「奥之院」の石碑があります、ここからつづら折れの登山道になります
(6)約5分ほどで「陰岩」に到着、さらに進むと「陽岩」です
※運動靴やスニーカーをおすすめします(サンダル、ヒール、革靴は避けた方がいいです)
※トイレはありませんので岩屋神社本社でお済ませください
※復路は「笠原寺(りゅうげんじ)」(真言宗智山派・川崎大師の京都別院)拝観もおすすめです。境内から山科盆地や東山三十六峰が一望できます。

(掲載日:2024年6月10日 情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局)

エリア名山科
イベント名岩屋神社「水無月夏越の大祓式」茅の輪くぐり
開催場所岩屋神社
所在地京都市山科区大宅中小路町67
アクセス山科駅より京阪バス26系統、京都駅八条口より京阪バス311系統、四条烏丸より京阪バス82系統、三条京阪・椥辻駅より京阪バス17系統に乗車、大宅バス停下車徒歩約10分。
地下鉄東西線椥辻駅下車徒歩約20分(1.3km)
開催日時茅の輪くぐり:6月27日(木)~7月1日(月)
水無月夏越の大祓式:6月30日(日)17:00~
拝観料境内自由(本社・奥之院とも)
TEL075-571-0833
URLhttps://www.iwayanomori.org/shrine/