城南宮 曲水の宴 2024年4月29日(月祝)~藤とツツジが見頃~京都伏見
令和6年度の曲水の宴の参観申し込みは終了しました。
城南宮の曲水の宴(きょくすいのうたげ)は奈良時代から平安時代にかけて宮中で催された貴族の優雅な歌会を再現した行事で、京都を代表する年中行事に数えられています。毎年4月29日と11月3日に神苑の平安の庭にて開かれています。
色とりどりの平安時代の装束を身につけた7名の歌人(男性5名は狩衣「かりぎぬ」、女性2名は小袿「こうちき」を着用)が席に着くと、1人ずつ歌題を確認します。
歌人が遣水の傍らの座に着くと、中央の舞台で白拍子の舞がしずしずと披露されます。次いで2人の水干(すいかん)姿の童子が朱塗りの盃にお神酒を注ぎ、羽觴(うしょう=鴛鴦「おしどり」の姿を象った盃台)に載せ、川上から次々に流します。
琴の音が響く中、歌人は歌題にちなんだ和歌を詠み、それぞれ短冊にしたためます。和歌を書き終えた歌人は、目の前に流れて来た羽觴を取り上げ、盃のお神酒をいただきます。
全員が和歌を詠んで盃を飲み終えると童子が短冊を集め、これら7首の和歌は、平安時代さながらに節をつけて神職によって朗詠され、神様に奉納されます。
このように新緑の中 約1時間にわたって王朝の雅な世界が再現されます。城南宮の曲水の宴で用いる鴛鴦を象った羽觴は、吉田元陳が描いた「曲水の宴図屏風」(城南宮所蔵)や、京都御所の杉戸絵などに見られる形です。
曲水の宴の歴史と斎行の内容
清流にのぞんで詩歌を作り盃を巡らす曲水の宴は、古代の中国大陸や朝鮮半島でも行われました。
書道の手本として名高い「蘭亭序」は、永和9年(353年)3月3日に王羲之が会稽山の蘭亭で修禊の儀式をして催した曲水の雅会で、人々が詠じた漢詩に寄せた序文です。
このように水ぬるむ春先に清流や浜辺に赴き水を浴びて身を清め、不祥を祓い無病息災を願う風習は大陸にも古代の日本にもあり、顕宗天皇元年(485年)3月上巳に天皇のお出ましを仰いで曲水の宴が行われたと日本書紀に記されています。
奈良時代から平安時代中期にかけて宮中の年中行事として正式に行われた曲水の宴は、その後、藤原道長や藤原師通などの貴族が自邸で行うようになります。
戦乱の世となり長く途絶えましたが、曲水の宴への関心は高く、江戸時代を通じて内裏の襖絵に和漢の曲水の宴が描かれています。また江戸時代の享保17年(1732年)に8代将軍徳川吉宗が故実を精査して曲水の宴を江戸城で再興、その5年後の元文2年(1717年)に中御門上皇が仙洞御所で行われました。
■2024年4月29日(月祝)昭和の日、15:00よりおよそ50分間、神苑・平安の庭で斎行
※令和5年の曲水の宴の観覧は事前申込制で行います。(参観申し込みは終了しました)
※雨天の場合は、神楽殿の表舞台で、白拍子の舞と和歌の披講を行います。
※観覧自由、ただし団体での観覧はできません。
※観覧者多数の場合は、危険防止の為、入場制限を行います。
※当日は神苑を無料公開(9:00~16:00)しています。但し、令和5年は曲水の宴の観覧エリアを除きます。
※神苑内また境内での飲食、ペットの同伴はご遠慮ください。
■式次第
参宴者参進
時刻 社務所前庭に整列 本殿へ向う
神前列拝
本殿正面庭上に列立 拝礼、終って平安の庭会場に向う(道楽を奏す)
会場整列
歌人・朗詠者・楽人等 庭上に著座
一、歌題拝見
所役 歌題を歌人に進む
歌人 拝見一揖す
一、水辺著座
歌人 各々遣水の座に著き、詠歌の用意をなす
白拍子の舞 楽人 楽を奏し今様をうたう
一、流觴曲水
童子 盃に酒を満たし羽觴を流す
一、一觴一詠
歌人 各々最初の羽觴を見送り和歌をよみ短冊にしたたむ
一、神酒拝戴
歌人 流水の羽觴をとり盃をいただく
童子 歌人の短冊をあつめ供物案に捧ぐ
一、披講(和歌朗詠)
朗詠者 披講の席に進み朗詠す
参列者退下
室町の庭~まるで王朝絵巻の如く優雅に咲く藤の花とツツジの競演~
~城南宮ご由緒~
平安京遷都(794年)に際し、都の安泰と国の守護を願い、国常立尊(くにのとこたちのみこと)を八千矛神(やちほこのかみ)と息長帯日売尊(おきながたらしひめのみこと)に合わせ祀り、城南大神と崇めたことが城南宮の創建と伝えられます。城南宮とは「平安城」の「南」に鎮まる「お宮」の意味です。
平安時代後期には、白河上皇や鳥羽上皇によって、城南宮を取り囲むように城南離宮(鳥羽離宮)が造営されて院政の拠点となると、城南宮は離宮の鎮守として一層崇められ、9月の城南祭では神輿行列に加え、流鏑馬や競馬(くらべうま)も行われ大いに賑わいました。
幕末の鳥羽伏見の戦いは、城南宮の参道に置かれた薩摩藩の大砲が轟いて始まり、錦の御旗が翻って旧幕府軍に勝利すると薩摩の軍勢は城南宮の御加護によって勝利を得られたと、御礼参りに訪れました。
城南宮は「方除の大社」と仰がれ、引越・工事・旅行の安全、厄除を願う全国の人々から、日々の暮らしの守り神と、篤く尊崇されています。
曲水の宴が斎行されるゴールデンウィークには、室町の庭の藤の花とツツジが見頃を迎えます。
「室町の庭」は、茶道・生花・能楽などの日本文化が大成された室町時代の様式でつくられた池泉回遊式庭園。
錦鯉が泳ぐ池の中央には不老長寿を象徴する松が生える蓬莱島があり、その対岸の3っの石(三尊石)は三体の仏を表し理想の世界を象徴しています。
(掲載日:2024年04月01日 情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局)
エリア名 | 伏見 |
---|---|
イベント名 | 曲水の宴 |
開催場所 | 城南宮 神苑・平安の庭 |
所在地 | 京都市伏見区中島鳥羽離宮町7 |
アクセス | 地下鉄烏丸線・近鉄京都線竹田駅下車徒歩15分、竹田駅より南1・南2・特南2・南3系統乗車、城南宮東口下車徒歩3分。京都駅より市バス19系統乗車、城南宮下車徒歩2分 |
開催日時 | 2023年4月29日(土祝)15:00~ ※約50分間 |
拝観料 | ※令和5年の曲水の宴の観覧は事前申込制 当日は神苑を無料公開(9:00~16:00)。但し、曲水の宴の観覧エリアを除きます |
TEL | 075-623-0846 |
URL | https://www.jonangu.com |
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