京都大原三千院【国宝】往生極楽院♪阿弥陀三尊像の左脇侍「勢至菩薩」

京都大原の里に佇む「三千院」は、天台宗の寺院で天台宗五箇室門跡のひとつ。
門跡(もんぜき)とは、皇室一門や公家の方が出家して住職を務める寺院で、皇室と関わりのある格式高い寺院とされています。
今から60年前、昭和41年(1966年)、デューク・エイセスの大ヒット曲「女ひとり」の歌いだしの歌詞でで一躍脚光を浴び、全国的にその名が知られた京都を代表する寺院のひとつ。
ご由緒は、伝教大師・最澄が比叡山東塔南谷(とうとうみなみだに)の山梨の大木の下に一宇を構えたことに始まり、慈覚大師円仁に引き継がれ、最雲法親王入室により、平安後期以降、皇子皇族が住持する宮門跡となりました。
三千院の代表的な風景と言えば宸殿前の池泉回遊式庭園「有清園(ゆうせいえん)」の青々とした苔と杉木立の庭。
春から夏にかけては清々しくあざやかな緑、秋は紅葉と緑のコントラストが参拝者の目を楽しませてくれます。
有清園には、往生極楽院(重要文化財)が建ち、内陣に安置されている阿弥陀三尊像(阿弥陀如来、観世音菩薩、勢至菩薩)はいずれも国宝に指定されています。
午年の守り本尊である「勢至菩薩」は、阿弥陀如来の右脇侍で慈悲と知力の菩薩とされ、智慧の光で人々を迷いから救う「智慧を象徴する菩薩」です。

往生極楽院と勢至菩薩

往生極楽院は三千院の歴史の源とも言える簡素な御堂で、平安時代に記された「往生要集」の著者で天台浄土教の大成者である僧侶・恵心僧都源信(えしんそうずげんしん)が父母の菩提のため、姉の安養尼(あんように)とともに建立したと伝えられます。
堂内に祀られている阿弥陀三尊像は、お堂に比べて大きいことから堂内に納める工夫として、天井を舟底型に折り上げているのが特徴。
天井には肉眼ではわかり難いですが、極楽浄土に舞う天女や諸菩薩の姿が極彩色で描かれており、極楽浄土を表現しています。
阿弥陀三尊像は信者の臨終に際して、阿弥陀如来やその眷属(けんぞく)が極楽浄土から迎えに来られる様子を表現した来迎相である。
三尊像の中心「阿弥陀如来」は来迎印を結び台座に坐し、向かって右側の脇侍「観世音菩薩」は往生者を蓮台に乗せる姿、左側の脇侍「勢至菩薩」は合掌し往生者を迎える姿をしています。
両菩薩ともにやや腰を浮かせたように少し前かがみにひざまずく、大和坐り(やまとずわり)のお姿で往生者をお迎えするまさにその一瞬を表しているといわれています。
建物は重要文化財、阿弥陀三尊像はいずれも国宝に指定されています。

四季の花に彩られる境内

大原三千院は四季折々の花の名所としても知られています。
春は桜と石楠花(シャクナゲ)、夏は紫陽花と青もみじ、秋の紅葉、冬は雪景色に彩られそれぞれに美しい風景をみせてくれます。
あじさい宛は弁財天と金色不動の手前にあり、数千株のも色とりどりの紫陽花が梅雨に咲き誇ります。
秋の紅葉の時期は秀逸。杉苔の緑、カエデの紅葉が織りなす緑色や赤色、橙色のコントラストは、都会の喧騒を忘れさせてくれる、身も心も洗われるような美しさです。

(情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局)

エリア名大原
スポット名三千院
所在地京都市左京区大原来迎院町540
拝観時間9:00~17:00(11月は8:30~17:00、12月~2月は9:00~16:30)
拝観料大人700円、中学生・高校生400円、小学生150円
アクセスJR京都駅から京都バス17・特17系統大原行、四条河原町(京都河原町駅)、三条京阪(京阪三条駅)から京都バス17・特17系統大原行、地下鉄国際会館駅から京都バス19・特17系統大原行乗車、大原バス停下車徒歩約10分
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