来迎院の紅葉♪天台声明発祥の地は紅葉の隠れ寺の趣き(京都大原)

来迎院は三千院入口の魚山橋からさらに呂川(ろがわ)に沿って参道を300メートル登った山懐に佇む、下界と隔絶した雰囲気に包まれた天台宗の古刹。
山号は魚山(ぎょざん)と言い、本堂には、本尊、薬師如来、阿弥陀如来、釈迦如来が安置されています。
いずれも藤原時代の優美な作品で重要文化財に指定されている貴重な仏像です。
平安時代前期に慈覚大師円仁により天台声明の根本道場と創建されたと伝えられています。
一時は衰退するも、天仁2年(1109年)融通念仏の祖とされる聖応太師・良忍が入寺して再興。
以降、幾度となく焼失しましたが、たびたび再建され、現在の建物は、天文2年(1533年)に再建されたものです。
寺宝の天台宗祖師伝教大師度縁一巻は、平安初期仏教界の貴重な資料で国宝に指定されています。
その他、聖教文書類の聖応大師自筆写本をはじめ、平安時代の聖教、大原声明に関する貴重な典籍約600点などを有しており、その中のひとつには日本で唯一の日本霊異記、中・下巻(国宝指定)があり、現在、文化庁にて保管されています。
毎年1月2日には、天下泰平・国家安泰を祈願する声明法要である修正会(三十三度)法要が、宮座の若衆仲間が参加し行われます。

【紅葉の見どころ】※見頃は例年11月上旬~中旬
山門までの参道からすでに紅葉のトンネルで覆われています。緑色から黄色、橙色、真紅へと移ろうグラデーションの美しさが際立っています。
拝観受付から眺める石段上の本堂と鐘楼は、カエデの木々で包まれており、静寂な山寺の趣きを見せてくれます。
本堂と鐘楼が紅葉、苔庭、背後の杉木立と織りなす風景は、来迎院の中で最もフォトジェニックです。
鐘楼脇には薄紅色の山茶花(サザンカ)が咲いており、橙色の紅葉とのコントラストが映えます。

【音無の滝】
来迎院から約300m程登った場所にある音無の滝(おとなしのたき)は、良忍上人はじめ、家寛(後白河法皇の声明の師)、湛智など代々の声明法師が、この滝に向かって声明の習礼をされたと言われています。
初めは声明の声が滝の音に消されて聞こえず、稽古を重ねるに従って、滝の音と声明の声が和し、ついには滝の音が消えて、声明の声のみが朗々と聞こえるようになったと伝えられ、それが由来となり音無の滝と名づけられたそうです。

(情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局)

エリア名 大原
スポット名 来迎院
所在地 京都市左京区大原来迎院町537
拝観時間 9:00~17:00
拝観料 400円
アクセス JR京都駅から京都バス17・特17系統大原行、四条河原町(京都河原町駅)、三条京阪(京阪三条駅)から京都バス17・特17系統大原行、地下鉄国際会館駅から京都バス19・特17系統大原行乗車、大原バス停下車徒歩15分
TEL 075-744-2161
URL https://kyoto-ohara-kankouhosyoukai.net/detail/5561/