【1日5名限定】今と昔の時間が交差する京北の暮らし〝ふるさと〟を五感で感じる電動自転車ツアー

※現在イベントは終了しております

京都市内でありながら、自然豊かな里山風景が広がる「京北(けいほく)」という地域をご存知ですか?京都市内北部に位置し、京都と若狭を結ぶ周山街道沿いに広がる地域で、あまり人に知られていない歴史や文化に触れることのできる静かなところです。
そこは、京都の今と昔が交差する人びとの暮らしが見え隠れする場所でした。

1日5名限定
おしゃれな「電動自転車」で
行くツアー

京北には、どんなスポットがあるのかインターネットで調べてみたら、「京都観光Navi」で事前予約ができる日帰りのサイクリングツアーを見つけました。
周山を10時出発、15時解散の、約22キロのツアーです。
最近、運動ができていないので不安を感じましたが、今回は女性のガイドさんとのこと。
しかも、1日5名限定の街乗りタイプのおしゃれな「電動自転車」だということで、即決!京北の有名な観光スポットから、地元の人だからこそ知っている、とっておきの場所にも案内してもらえるようなので楽しみです。

\記事のプランを体験できます/

今回紹介したプランを体験したい方は、下記より事前にご予約いただけます。
※一部変更または季節により一時中止となる場合があります。
※現在イベントは終了しております

ツアー当日、
京都市右京区の「京北」へ

市街地から車で約1時間ほどの距離にあり、電車が通っていません。
京北の中心部にある「周山」まで、公共交通機関では京都駅から、四条大宮や二条、円町を経由してバスで行くことができます。
夏は納涼川床、秋は紅葉の名所として知られる高雄を通り過ぎ、細い山道と長い京北トンネルを抜けたところが京北です。
市街地から随分と離れていますが、京都市なんですね。
2005年までは京北町といい、合併後に、今の京都市の右京区の一部になったそうです。
府内32町村の内で2番目に広い面積を有しており、その約93パーセントが山林だそうです。
全域が丹波高地に含まれており、その山林には杉が植えられ、磨丸太などの産地として知られ、林業とともに発展してきた地域です。
そして、嵐山に通じる桂川の水運を利用した、平安京遷都以来の、京都の重要な材木供給地だったという、とても歴史深いところです。

「周山」のバス停を10時に出発!
暮らしを感じる集落を訪れて

時間ちょうどに到着、バスのドアが開いて一歩踏み出すと、ふわっと少し冷たい、でも心地良い風が肌をかすめました。
深く呼吸すると、体の内側から透き通るようです。
周山のバス停までツアーの女性ガイドさんが迎えに来てくれました。
そして、こちらが本日お世話になる「電動自転車」です。

ここ、京北の景色に合わせたオリーブカラー。
地域を走っている姿も可愛い自転車を、いろいろ選りすぐってこちらをチョイスされたそうです。
なるほど、おしゃれで嬉しいです。
自分の体型に合わせて、サドルの高さも調整し、初めて乗る電動自転車の乗り方のコツを教えてもらいます。
そして、ガイドさんから、ツアーで周るコースや運転中の諸注意などのお話を聞き、軽い準備体操をして、すぐに出発です。

京北は桂川の上流にあたるので、ここから嵐山へと繋がっています。
平安遷都の際には都の造営に、おびただしい用材が筏で下ったとされています。
筏流しによる木材の輸送は、交通手段が発達し自動車輸送が主流となる戦後まで続いたようで、驚きですね。
ちょうど田んぼへの水がいらなくなるこの時期に、筏を流していたそうです。
木材の上に人が乗って棹を操って、都まで運んでいたなんて今では考えられないですよね。
綺麗な水の流れを見ているだけで、街とのつながりを深く感じます。

出発してすぐ、川の脇道に入ります。
これから先も川から離れては近づいて、何度も橋を渡り、ツアーの間いつも水の流れを感じていました。

この土地に暮らす人々の生活の中を旅する、そんな感覚になる時がしばしば。

車の運転では遠くに見えるだけの集落を、すいすい通りぬけていきます。

きっと訪れる時期によって、見える暮らしも様々なのでしょう。

今日は、あちらこちらに収穫を終えた田んぼがありました。
もう間も無く収穫時期を迎える田んぼは、黄色の絨毯のように柔らかく、
太陽の光を浴びてキラキラと輝いています。
見える一面の風景の川や山からのお水で育まれたお米は、とっても美味しそう。
すでにお昼ご飯が楽しみです。

地道ばかりではなく、幹線道路に出ると景色が開け開放感。
右手に山國を代表する天童山を見上げながら、ひた走ります。

出発して30分
「山國神社」から昔の様子が蘇る

空が開けた道を進むと、田んぼと杉の大木に挟まれた山國神社が現れます。
境内は京都の自然200選「歴史的自然環境」に指定されているそうです。
京都三大祭のひとつ、時代祭で行列の先頭をいく維新勤王隊列の由来となった「山国隊」はここが発祥の地だとか。
農兵隊で明治維新に貢献した「山国隊」は、毎年秋に開催される、山國神社の環幸祭で昔ながらの姿が再現されます。

山國神社 紹介
http://www.kyoto-jinjacho.or.jp/shrine/27/210/

人々の力は凄いなあと、しみじみ。
なんとも神秘的な佇まいです。

スポット情報

ルートマップ上 スポットA
スポット名 山國神社
所在地 京都府京都市右京区京北鳥居町宮ノ元1
拝観料 無料
TEL 0771-53-0026

山國神社からすぐ、
「沈下橋」を渡る

山國神社を後に、そこからすぐ400メートルで沈下橋へ。
最低限の作りで、流れない橋を作ったという先人の知恵。
大雨で増水した時は、水の中で流れに耐えているといいます。

ちょっとした、アトラクションを感じる橋を渡りながらの写真撮影。
普段は見られない景色の写真が撮れるので、2往復してしまいました。

ここ、本当に京都市内なの?と思ってしまいます。
この時期はもう水が冷たくて無理ですが、夏はこの川に入って遊べるみたいですよ。
暑い日差しの中、とっても冷たくて気持ちがいいそうです。

「賀茂神社」での静寂。
遠い祖先からつながる、
林業の文化。

オフロードを体験した後は、静かなひっそりとした場所へ。
自転車を降りて、往復1キロ、約30分ほど歩きました。
少し歩くと、鬱蒼とする杉林の中に現れるのが「賀茂神社」です。
地図にルートが載っていませんが、案内してもらうので迷うことなく行けました。

長い直線の参道は苔むしていて、滅多に人が訪れる気配を感じさせません。
音のない、静かな場所です。
天に伸びる杉の隙間から差し込む光が影を作り、それが風に揺れて美しく幻想的な世界をつくりだしています。
豊かな雨量と肥沃(ヒヨク)な土地で、林業が栄えた歴史や文化がある地域。
遠い祖先からの生業であった林業。今もなお、見渡す景色にその営みが感じられます。
先祖代々、地域の人々が守ってきた神社があちらこちらにあるそうです。
ここ賀茂神社もそのひとつで、どうやら、建立千年を超えているとか。
ふと振り返ると、そこにはいない不思議な気配を感じたりも。

スポット情報

ルートマップ上スポットB
スポット名賀茂神社
所在地京都府京都市右京区京北中江町傳土16−2
拝観料無料

ふるさとを感じる古民家「tehen」と
茅葺屋根の農家民宿「ほろろん」

この土地の人々は、どのようにこの地に辿りついたのか。
そんな思いに馳せながら、ゆったりとペダルを漕ぎ水路に沿って、そのまま地元の古民家「tehen」に立ち寄りました。

tehen 紹介
https://www.discoveranotherkyoto.com/tehen

水道のない時代に、人々に潤いをもたらしてきたのであろう、洗い場(イトヤ)があります。
今も野菜や用具を洗ったり、駆使して疲れた足を冷やして労ってくれるなくてはならない存在です。
五右衛門風呂や縁側、建物から、人の息と物語が感じられます。
京北は近年、都市からの移住者が増えているそうで、昔ながらの古民家を改修して、宿を始めたり、地域に根づく知恵をテーマに教育プログラムやイベントを開催したりと、外の人と中の人との、とても良い協力関係が進んでいるそう。
縁側で日向ぼっこしながら少しの休息。

農家民宿ほろろん 紹介
https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000212881.html

道中には歴史を受け継いできた、立派な茅葺の家もありました。
古くより20代以上、先祖代々この地に住み続けてきた、家主とご家族が運営する農家民宿で、宿泊して、心の中にあるふるさとと向き合うような時間が送れるようです。

スポット情報

ルートマップ上スポットC
スポット名農家民宿ほろろん
所在地京都府京都市右京区京北大野町廣畑45
TEL075-853-0113

旬を味わうとその土地を
丸ごと味わえる「山稜汀」

体を動かしたら、当然お腹が減りますよね。
普段運動をしていないと、電動自転車もいい刺激です。
お昼は地元の季節の旬が味わえるお店でお食事。
お店が川べりにあるので、眺めも良く気持ちがいいです。
出来立てのお料理を運んできていただき、程よく体力を使った身体がほっこりあたたまります。
旬なものを、旬な時期に食べる贅沢感が味わえました。

山稜汀

スポット情報

ルートマップ上スポットD
スポット名山稜汀
所在地京都府京都市右京区京北井戸町上台11
TEL075-853-0300

出発地点から9キロ、
自然と歴史の「常照皇寺」

天然記念物の八重桜をはじめ、桜で有名な「常照皇寺」を訪れました。
自転車を降りて、境内を散策。
納豆発祥の地と言われているここ京北、山國。
常照皇寺には、光厳(こうごん)天皇の生涯を描いた絵巻物があり、その中には、常照皇寺のお庭で住職が里人に振る舞ったと思われる、藁づとに包まれた納豆の画が見られます。
お正月には、お雑煮の代わりに納豆餅で新年を祝う風習が残っており、京北の各地域・ご家庭で少しずつ味が違うそうです

常照皇寺 紹介
常照皇寺は、臨済宗天龍寺派の禅寺。
南北朝の動乱という歴史の渦に巻き込まれた、北朝初代の光厳天皇が、都の政争を避けてここに隠棲し、開かれました。
光厳天皇のこの場所との出会いは、なんとこの地を巡拝中。村人の厚意で無住の荒寺・成就寺に案内され、その寺を改創することになったそうです。
天皇は周辺の自然を庭に見立て、寺の裏山を猿帰嶂、滝を白玉泉、山全体を万樹林と名付け、周囲の十勝を選ばれたという言い伝えがあるそうで、今でもこの景観を楽しむことができます。
拝観料は300円から500円の志納です。
すぐ近くには、光厳天皇の名前を由来とする保育所があるそうです。

スポット情報

ルートマップ上スポットE
スポット名常照皇寺
所在地京都府京都市右京区京北井戸町丸山14−6
拝観料300円〜500円(志納)
TEL075-853-0003

昔は徒歩で超えていた道「井戸峠」

コース後半は、起伏に富んだコースになっています。
標高約440メートルの峠超えに挑戦してきました。 普通の自転車だったらきっと登らない、傾斜の厳しい坂です。
ガイドさんが、ラクに登れるコツを教えてくれました。
電動自転車だと、こんなに楽々登れるなんてと、感動してしまいました。

かつての峠は村の境界線であり、同時に若狭と京都を結ぶ「西の鯖街道」につながる大事な道でもありました。
便利な世の中ですが、先人たちが徒歩で従来していた時に、思いを重ねて登ってみるといいかもしれません。
峠を越えたら、待っているのは下り坂。
紅葉しはじめた木々の中を、風を感じながら一気に下りました。
これがとっても気持ちいい!
山の中を抜けると、峠の反対側には大きな空が広がっていました。

地元の人に愛されるお菓子
「塩治軒(しおじけん)」

おやつは、地元の和菓子屋さんに立ち寄りました。

塩治軒(しおじけん) 紹介
https://www.shiojiken.com

季節限定販売の商品がありました。
限定という言葉に弱いわたし。
秋の限定販売の、「栗もち」をいただきます。

手間ひまかけて丁寧に造られたお菓子は、100年前から変わらない素朴な味を目指されているそう。
大正五年に創業された塩治軒さん。
昔ながらの製法で、ゆっくり、丁寧に作られたお菓子は、里山の自然をそのまま包み込んだような優しい味で、自転車をこいで程よく疲れた体にとても染みます。
田園風景を見ながらのおやつタイムに、お喋りもついつい弾みます。
懐かしい景色が広がるので、少し童心に帰り、楽しい写真を撮影したりもしました。
最後は約6キロ弱、電動自転車でスイスイと平地を楽しみます。
自然の景色を満喫しながらも、歴史の勉強に、楽しい食事となんとも盛りだくさんな自転車ツアーでした。

スポット情報

ルートマップ上スポットF
スポット名塩治軒
所在地京都市右京区京北上中町九免状16-3
TEL075-854-0012

京北をぐるりと周って、
ゴールに到着

コースを一周まわって、ゴールの「周山」に戻ってきました。
ちょうど15時前です。
自分の足でまわってきたので、この土地に少し詳しくなれて、愛着がわいた気持ちです。
一緒に身体を動かすと、グループみんなが仲良くなれちゃうのも不思議です。
しばらく運動していなかったので心配だったけど電動自転車のおかげで楽しめました。
ちょっと食べすぎて太っちゃったかな。
ガイドさんによると、当日の天候、参加者の走力などにより、コースを一部変更する可能性があるとのこと。
ご希望のスポットなどを、事前にスタッフさんに伝えれば要望に応えてくれる場合もあるそうです。
日頃の生活から解放され、女性だけのグループ参加も面白いかもしれません。
わたしは、次は家族で参加してみたいと思います。

\記事のプランを体験できます/

今回紹介したプランを体験したい方は、下記より事前にご予約いただけます。
※一部変更または季節により一時中止となる場合があります。
※現在イベントは終了しております

(取材日:2020年10月)

今日のコースは京北のほんの一部。まだまだ訪れてみたいところがたくさんあります。
改めて京北の特産品や農作物をお買い物するのが楽しいですね。

バスまで少し時間があるので「道の駅ウッディー」に立ち寄りました。
木の香りの広がる館内には、京北の新鮮な旬のお野菜や納豆餅などの加工品、地元の作家さんの作品などが展示販売されています。

バス停から徒歩10分、
道の駅ウッディー 紹介
https://fuw.jp/woody/

このままバスで帰るだけなので、ちょっと一杯。
地元のお酒を試飲して、その場で購入もできるそうです。

バス停から徒歩10分、
羽田酒造 紹介
http://www.hanedashuzo.co.jp/

たくさん走った身体へのご褒美は甘いもの。
地元の地名が入った商品もあり、選ぶのもわくわくしてしまいます。

バス停から徒歩1分、
亀屋廣清 紹介
https://kameyahirokiyo.com/

(掲載日:2021年1月21日 取材:株式会社ROOTS

ルートマップ

 「今と昔の時間が交差する京北の暮らし〝ふるさと〟を五感で感じる電動自転車ツアー」の記事中のスポットA〜Fはルートマップ上のスポットA〜Fとなります
スポットA山國神社
スポットB賀茂神社
スポットC農家民宿ほろろん
スポットD山稜汀
スポットE常照皇寺
スポットF塩治軒

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