地蔵院の紅葉♪通称「竹の寺」竹の緑と紅葉のコントラスト(西京)

西京の上桂エリアにある地蔵院は、苔寺や鈴虫寺からほど近い西山連峰の麓に佇み、境内が竹林に囲まれたいることから通称「竹の寺」とも呼ばれています。
正式名を衣笠山地蔵院(えりゅうざん じぞういん)といい、戦国武将・細川頼之により創建、夢窓国師を開山とし、伝教大師の作といわれる延命安産の地蔵菩薩を本尊としている臨済禅宗の寺院。
とんちで有名な一休さん(一休禅師)が幼少時を過ごした寺としても知られています。
嵐山から阪急嵐山線でふた駅4分の阪急上桂駅、または路線バス(京都バス)で8分の苔寺・すず虫寺バス停が最寄りで嵐山からひと足の延ばした、知る人ぞ知る紅葉の名所です。
江戸時代に再建された方丈は、京都市登録有形文化財に指定され、十六羅漢の修行の姿を表わし「十六羅漢の庭」と呼ばれる庭園は、京都市登録名勝に指定されています。


【紅葉の見どころ】※見頃は例年11月中旬~12月上旬
秋は紅葉と竹林、苔の緑とのコントラストが美しい紅葉スポットとして京都ツウに知られています。
地蔵院の入口から総門(山門)へと続く参道は両脇にはカエデ並木が続き、根元は苔に覆われており、苔の緑とカエデの紅葉とのコントラストが参拝者を出迎えてくれます。
紅葉の終盤(12月初旬~中旬)には、カエデの落ち葉が参道を覆い「錦繍のじゅうたん」のような風景になる頃、プロアマ問わず多くのカメラマンが訪れます。
総門から本堂、方丈へと続く参道には竹林とカエデが植えられ、清々しい竹の緑と真紅、橙色、黄色に色づいたカエデの紅葉とのコントラストは京都でも希な風景です。

地蔵院の見どころのひとつが、方丈の茶室にあるハートの形の窓「猪目窓(いのめまど)」。
猪(イノシシ)の目に似ているところから、その名がついたともいわれる日本伝統文様のひとつ。
魔除けや火伏せの意味が込められています。
その形状から、良縁・開運・招福にご利益があるとされ「招福猪目御札」を恋愛成就に奉納される女性も多く、若い女性を中心に近年人気急上昇中。
季節や天候、時間帯によって、猪の目窓越しの竹林の色が変化するのも神秘的です。


音楽好き、特にクラシック好きの方に人気なのが「寺ピアノ」で、“仏様のために演奏をする”がコンセプトの音楽奉納。
完全貸切の部(希望日の1か月前までに要申込で8:00~)当日先着受付の部(祝日・振替休日にたる月曜日)の2つがあります。
当日先着受付の部は、原則2か前~当日15時までの予約制ですが、空きがあれば飛び入りもできます。また、音楽奉納されない通常拝観者の方は、拝観料(500円)のみで「寺ピアノ」を聴くことができます。
演奏前に毘沙門天様にお参りいただき合掌。その後、拝観者が自らピアノを奏で、仏様に音楽を奉納します。演奏終了後は奉納の証として特別御朱印の授与があります。
京都市登録文化財指定の方丈、前面に広がる京都市登録名勝の十六羅漢の庭の荘厳な雰囲気のなかで奏でられるクラシックの音色、音に誘われてさえずる小鳥。
虫の音、竹の鳴る音や葉擦れの音とピアノの音色が融合した時間は、心が洗われる幽玄のひととき。
※寺ピアノの予約方法・開催日等の詳細は地蔵院ホームページまたは公式X(旧Twitter)でご確認ください。

(情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局)