伝教大師一千二百年大遠忌記念事業 最澄と比叡山~最澄の志を継ぐ堂塔~

DATE 09月12 2021 - 12月12 2021
TIME 9:30 AM - 3:30 PM

令和3(2021)年は、天台宗の開祖であり、日本仏教の礎を築いた伝教大師最澄が遷化して1200年の節目の年に当たります。 平安時代に生きた最澄は、「すべての人が仏になれる」という一乗の教えを生涯にわたって追求し、それを広く伝えることで人びとを幸せに導こうとしました。
最澄には、大きな願いがふたつありました。ひとつは一乗の教えによる僧侶のための独立した授戒制度の公認、もうひとつはこの国のすべての人を救う一乗の教えを確立し広めること。 天台宗の総本山である比叡山延暦寺には、このふたつの願いの結実ともいえるお堂と宝塔があります。その中でも戒壇院は初公開。 その空間に立ち、自分の内に心の目が向かったとき、苦難の続く日々に、ひとすじの灯し火が得られることでしょう。

戒壇院

戒壇院は、天台宗の僧侶にとって、特別な場所である。開祖・伝教大師最澄の志を継いで仏の道に進む決意をし、そのための「戒」を授かる授戒の場だからだ。 天台宗の僧侶とて、この堂に入るのは生涯に一度きり。法華の世界にいらっしゃる釈迦如来を前にし、 先達とも言える文殊・弥勒菩薩に見守られながら、天台座主を伝戒師として「戒」、すなわち「いましめ」を受ける。
「戒」とはなにか。それは「光」だと言う。最澄は「すべての人の中に仏性(仏の心)がある」と説いた。 その仏性に光を当てるのが授戒なのだ。自らの仏性に光を当てる、その空間の扉が今、開かれる。

法華総持院東塔

最澄は、法華一乗の教えのもとで世の安寧が実現できるよう、全国6か所に宝塔を建てることを自ら発願した。法華総持院東塔は、六所宝塔と呼ばれるこれらの総塔である。
塔名にある「法華」とは釈迦の教えであり、「総持」とは密教、すなわち大日如来の教えを指す。最澄は、このふたつの教えを一体のものだと説いた。 人の悩みに合わせて仏が姿を変えているのであり、その根幹は同体だとしたのだ。
教えが表現されているのはその名だけではない。 塔内には釈迦の説く法華経の世界と密教のそれが同じ空間に広がっている。 法華総持院東塔は天台の教えそのものを体現した空間なのである。

比叡山延暦寺秋季特別催事

国宝殿特別展戦国と比叡~信長の焼き討ちから比叡復興へ~
本年は元亀の法難(比叡山の焼き討ち)から450年の節目の年にあたります。
元亀2年(1571)、比叡山と対立した織田信長は山上の堂塔伽藍や坂本里坊や日吉社を悉く焼き払い、僧俗問わず多くの人々が犠牲となりました。その後、天正12年(1584)に山門再興の許可が下され、観音寺詮舜・施薬院全宗らによって復興事業が進められました。そして寛永19年(1642)徳川家光の時に、天海大僧正の尽力のもと現在の根本中堂が再建されました。
この企画展では戦国時代から江戸の山門復興に関わる資料及び文化財を通じ、これまで注目されることのなかった比叡山の動乱から復興までを紹介するものです。また現在、根本中堂改修にあたって内陣の仏像や随時修理が行われており、修理後の仏像などの展示も併せて企画しています。

大原から京都バス、叡山ケーブル、叡山ロープウェイ乗り継いで話題の比叡山延暦寺へ足を延ばしてみませんか。

(掲載日:2021年12月1日 情報提供:京都市観光協会

エリア名大原
イベント名伝教大師一千二百年大遠忌記念事業 最澄と比叡山~最澄の志を継ぐ堂塔~
場所比叡山延暦寺
所在地滋賀県大津市坂本本町4220
日時2021年9月12日(日)~2021年12月12日(日)
※国宝殿は12月6日(月)閉館
国宝殿特別展は2021年12月5日(日)まで
9:30~15:30(巡拝最終受付は閉堂の30分前)
国宝殿:9:00~16:00
拝観料おとな1,000円、中高生600円、小学生300円
国宝殿特別展拝観共通券:おとな500円、中高校生300円、小学生100円
TEL077-578-0001(比叡山延暦寺 総務部)
URLhttps://1200irori.jp/saicho_hieizan/