栂尾山 高山寺の紅葉♪国宝「鳥獣人物戯画」世界遺産登録の寺院(京都高雄)

高山寺(こうさんじ)は、日本美術の至宝とも称される国宝「鳥獣人物戯画」やデュークエイセスの唄「女ひとり」のも歌詞の中に登場する寺院として広く知られており、世界文化遺産にも登録されています。
奈良時代(744年)に創建され、当初は神護寺の別院でしたが、建永元年(1206年)明恵(みょうえ)上人が後鳥羽上皇より寺域を賜り、名を高山寺として再興されました。
高山寺の拝観ルートは周山街道沿いの表参道と栂ノ尾バス停からの裏参道の2つがありますが、バス停から近い裏参道が最近では主流ルートです。
表参道にはかつて大門があり広々としていますが、裏参道は苔に覆われた石段の小径をつづら折に登って行きます。
石段を登った先には白壁が続き、そこが明恵上人の時代から唯一残る遺構である国宝「石水院」です。一重入母屋造(いりもやづくり)の建物は、明治22年(1889年)に現在地へ移築され、住宅様式に改変されました。
西正面は、かつて春日・住吉明神の拝殿であったところで、正面には神殿構の板扉が残り、欄間には富岡鉄斎筆「石水院」の横額が掛かっています。落板敷の中央に、小さな善財童子(ぜんざいどうじ)像が置かれています。

【紅葉の見どころ】※見頃は例年11月上旬~中旬
広大な境内一帯カエデの木々で彩られますが、代表的なスポットは、菱形の敷き石が並んでいる表参道。
ひし形の敷石と敷き紅葉、さらに真紅、橙色、黄色のカエデ並木のコントラストは必見の美しさ。そして、もうひとつは石水院の紅葉。
板の間に佇む、善財童子のシルエット越しの紅葉の風景は、高山寺きってのフォトスポットとして人気です。
緋毛氈の敷かれた畳の上から望む、真紅や橙色に染め上げられた紅葉に山々も見逃せません。

日本最古の茶園

高山寺は日本ではじめて茶が作られた場所として知られています。
栄西禅師が宋から持ち帰った茶の実を明恵につたえ、山内で植え育てたところ、修行の妨げとなる眠りを覚ます効果があるので衆僧にすすめたとされます。
茶園では良質な茶が生産され、その質の高さから栂尾で栽培されたお茶を「本茶」、それ以外の産地で栽培されたものは「非茶」と呼ばれるようになりました。
南北朝時代の書物には「我が国の茶は京都の栂尾を第一とし、仁和寺・醍醐・宇治・葉室・般若寺・神尾寺などがそれに次ぐ」と記され、天下一の茶でした。
日本のお茶の中でもブランド茶の「宇治茶」は、高山寺の茶園の茶の木を宇治へ移植したのが起こりです。
「日本最古之茶園」碑が立つ現在の茶園は、もとは高山寺の中心的僧房十無尽院(じゅうむじんいん)があった場所と考えられています。最古の茶園は、清滝川の対岸、深瀬(ふかいぜ)三本木にありました。
現在も、茶園では5月中旬に茶摘みが行われ、毎年11月8日には、明恵に新茶を献上する法会「献茶式」が、境内の開山堂で催されています。
宇治からも茶業組合役員も参列し、明恵上人ならびに茶業界物故者に感謝の祈りをささげます。

(情報提供:とっておきの京都プロジェクト事務局)

エリア名高雄
スポット名高山寺
所在地京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8
拝観時間8:30~17:00
拝観料秋期入山料500円(10月5日~12月上旬)、石水院拝観料大人1,000円、小学生500円
アクセスJR京都駅・阪急電車大宮駅二条駅からJRバス「栂ノ尾・周山」行、地下鉄烏丸線四条駅・東西線太秦天神川駅から市バス8系統「高雄・栂ノ尾」行に乗車、栂ノ尾バス停下車すぐ
TEL075-861-4204
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